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詩集『春夏秋冬』

初めに

『春夏秋冬』は

私が2020年12月から2021年12月までに

Twitter(https://twitter.com/k_s_no_eigashi)に投稿していた詩の中から

春夏秋冬に関連した物を厳選した詩集です

それに伴い

句読点の削除や改行

タイトルの追加などを行いました

楽しんで頂けると幸いです


春(3~5月)

『桃色の君』

桃色から緑色に変わる君へ

変わってしまうのは

分かっているけど

やはり寂しい

君の桃色は

急いでいる人

悲しんでいる人の

足と涙を

止めてくれる

再び桃色になる日が来ることは

分かっているけど

やはり待ち遠しい

その日が来た時

僕はあの頃のままか

それとも…

とりあえず

また会う日まで


『春にして君を想う』

春が来るたびに

君を思い出す

君と出会い

僕の心は

どんな時も

暖かな気持ちになれた

君と出会い

僕の心は

勇気と自信と優しさの花で

満たされた

君は僕の元を去ってしまったけど

春が来るたびに

君と育んだ花が

君への想いを

春風に乗せて

君に届ける


『春がくるたびに』

別れのキスは

涙の味

春がくるたび

泣きながら笑みを浮かべていた

君のことを

思い出す

そしてそのたびに

自分も泣いていることに

気づく


夏(6~8月)

『雨上がりの陽射しはあの子みたいで』

雨上がりの

雲の切れ間から見える陽射しは

どこかあの子に似ている

落ち込んで

たくさん怒って

たくさん泣いて

泣き止んだと思ったら

不意に見せて来る

あの笑顔が

厚い雲に覆われた

僕の心をも照らすくらい

眩しくて暖かい


『雨の日のコンサート』

雨は楽譜

雨粒は音符

楽器は草葉に傘

合羽に水たまり

歌い手は

傘をさしながら歩く人の声や足音

カエルにさえずる小鳥達

走る車にバイク達

晴れた日には聞けない

自然のコンサート


『麦わら帽子』

夏になると

麦わら帽子を被りたくなるのと

あの子は笑う

風で舞う麦わら帽子は

まるで花びらみたいだ

取ってくれてありがとうと

言いながら被る

あの子の笑顔は

ひまわりみたいに

眩しくて…

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『とうもろこし』

あの一つ一つに

それぞれの夢があって

あの一つ一つに

それぞれの輝きがあって

あの一つ一つに

それぞれの物語があって

まるで夜空の星々

まるで夜に灯る

家々の明かり

そんな想像をする

君と食べる夏のとうもろこしは

一味違う

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『てるてる坊主』

雨の日でも

笑顔のあの子

雨さん止んでと

願いを込めた

笑顔のてるてる坊主

これあなたなの

と言うあの子

あなたの笑顔で

私の心の雨は止むの

そんなあの子の笑顔に

私の心の雨も止む

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『夏の風』

風が教えてくれる

夏が来たことを

風が乗せて来る

夏の匂いを

風が奏でる

その鈴の音に

何て名前を付けようかな?と

考える内にうたた寝する

あの子の姿が

私に夏が来たなと

感じさせる

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『夏夜の唄』

暗い森を

賑やかせるは

ひぐらし奏でる

夏夜の唄

哀しく切ない唄の中

今日の私に別れを告げて

明日の私に

思いを寄せる


『北風と太陽』

暑い日に読む

北風と太陽

北風さんが

ぴゅうと

吹いたら

暑がり太陽さんも

涼しくなるかな

と言うあの子

膝を枕に眠る

小さな太陽に

そっと

団扇で扇ぐ私は

北風

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『アイスクリーム』

アイスはいかが?

あつくなった

からだとこころを

さましてくれるし

しあわせにも

してくれる

おいしいまほう

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『かみなりさま』

おこりたくないのに

おこっちゃう

かみなりさま

いやなこと

かなしいことを

みんなにきいて

ほしいのに

ついついおこって

かみなりおとす

いっしょにおはなし

できたなら

かみなり

おとさないのかな

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『かえる』

きょうもいちにち

ぶじ に

かえるように

ただいま

という

あなたに

おかえり

というために

ねがいをこめて 

おるかえる

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『扇風機』

ワレワレハ

ウチュウジンダ

扇風機の前で

よくやる遊び

遊び疲れて

うたた寝してたら

宇宙人も

扇風機の前で遊ぶ

夢を見た

ワレワレハ

チキュウジンダ

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『命の重み』

自転車を走らせた

あの夏

後ろに乗せた

あの子の温もりを

背中で感じて

大きくて

しかし儚くて

自分のと同じくらい

守りたいと思った

あの子の命を

重みで感じた

あの夏


『夏よまだ終わらないで』

急に出てきたと思ったら

急に帰る

そんな夕立が嫌いで

「夏なんて早く終われ」と

思ってた

でも

あの子と夕立に打たれた

あの日

「濡れちゃったね」と

笑うあの子の姿を

もう少し

見ていたいから

「夏よ

 まだ終わらないで」と

願った


『ありの道』

ありの道

行列つくって

どこへいく

先頭とらえた

その先に

誰かがおとした

あめ玉が

みなでおいしく

いただこう

あめ玉おいしく

いただこう


『あの夏の太陽のように』

君の季節は

もうとっくに終わったはずなのに

僕の心には

あの夏の太陽のように

今も焼きついて

離れないんだ

君の明るくて

まぶしい笑顔が

今も


秋(9~11月)

『キラークラウン』

トリック・オア・トリート

いたずらか

お菓子か

どうせなら

どっちもが良い!

なら

お菓子にされちゃう

いたずら なんて どう?

それなら楽しいし

その後 美味しく

食べて あげられるよ

さぁ

次は君の番だ!

※映画『キラークラウン』をイメージした詩


『自然は友達』

風の音に耳を傾け

僕は風と会話する

風を肌で感じて

僕は風と散歩する

波の音に耳を傾け

僕は波と会話する

波を肌で感じて

僕は波と一つになる

虫の音に耳を傾け

僕は虫と会話する

虫の鳴く場所に立ち

僕は虫が奏でる音楽を指揮する

自然は目には見えない

僕の友達


『一日三秋』

あなたに送った手紙

読んでくれただろうかと

思うことが

返事が届いたかと

空のポストを覗くことが

一日の楽しみであると共に

少し空しくなる

待ち遠しい気持ちと

返って来ないのではという

不安を胸に

私は今日も

待ち人になる


『マロン』

彼らは長い年月を待ち続ける

誰にも知られず待ち続ける

その間描くは

生まれた時に見るであろう

未知の世界の想像

そしてその世界の自分達は

どんな姿をしているのかという想像

大きな浪漫を持ちながら

彼らは待ち続ける

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『人生と月』

満たされている時もあれば

何かが欠けている時もあるし

何も見えない時もある

人生と月って

何か似てるねと言う

彼女といるこの瞬間が

僕にとっての満月であり

心が満たされているという


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『かぐや姫』

横顔しか見せないかぐや姫

ウサギさんとカニさんと

ライオンさんと一緒に

何を見てるのかな?

考えるあの子の横顔が

月の姫と重なって

自分の大切な人じゃない?と

ちょっと期待しながら言う私

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『桃』

物語の始まりだ

狭い殻から飛び出して

旅に出よう

どんな出会いが

待っているのだろう

どんな海を

渡って行くのだろう

その体験こそが

掛替えのない宝になる


『メッセージ』

あの人を想って

青空に向かって背伸びする

いつ

どこで出会うのかと

静かに待つ私の命の炎は

激しく燃える

秋がすぐそこまで来てるよと

風に乗って聞こえる

啄木鳥からの

メッセージ


『小さい秋』

小さい秋を見つけるように

小さな幸せを

一つ一つ見つけられるような日々を

過ごせますように


『金木犀』

金木犀の芳香が

私の心に

優しさを

運んで来る

まるで

あなたが私に向ける

笑顔のように


冬(12~2月)

『のりは大寒の時に作れ』

鉄は熱い内に鍛えよ

とよく言うが

のりは大寒の時に作れ

とも言えるのでは?

寒い時から

時間をかけて作れば

良いのりが作れる

何事もタイミングが大事

そして厳しい時期から

鍛えておけば

将来その経験が

役に立つはず


『砂のお城のちっちゃな王さま』

砂のお城に

雪がふる

黄色い砂と

白い雪

白くきれいに

染まるかな

雪のお城に

変わるかな

見ているあの子は

ちっちゃな王さま

砂のお城の

ちっちゃな王さま


『帰り花』

心は生きている間に

何度も死んでは生き返る

まるで

帰り花のように


『小春日和』

いつもは冷たい君が

一瞬だけ口にする優しい言葉は

まるで小春日和


『冬の知らせ』

「散っていくさざんかが

 雪みたいで好き」という

あの時の君の言葉が

僕に冬が来たことを知らせるとともに

さざんかが散るように終わった

君との恋を

思い出される


『冬の始まり』

君の手の温もりが

君とのキスが

いつもより熱く感じる時が

僕にとっての

冬の始まり


『毎年思っちゃうこと』

今年も色々あったなと

毎年思っちゃうんだよね

今の自分と

昔の自分

今の自分は

昔の自分に誇れる自分に

なれているのだろうか

そして来年の自分は

今の自分に誇れる自分に

なれるのだろうか

みたいなことも

毎年思っちゃうんだよね


終わりに

詩集『春夏秋冬』

いかがだったでしょうか?

詩は現在もTwitterに投稿

加えて小説投稿サイト「エブリスタ」(https://estar.jp/users/152897071)で

その詩を月ごとにまとめて公開しておりますので

もしよろしければ

そちらもご覧頂けると幸いです

そして

もしまた機会があれば

詩集第二弾を作ろうと思います

今後ともよろしくお願いいたします

沢井港一

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