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遅れてきた紅葉

 この離島では紅葉する樹が稀だ。
 なぜなら11月までは暖流の影響で温暖な気候で、友人たちのFacebookに上げられている紅葉の山麓を見るたびに口惜しくなる。
 そのような山裾を追いかけてツーリングしていた時期があった。
 今では全周で25kmのこじんまりとした離島暮らし。
 ニュルンブルクサーキットのコース内に住んでいるのに等しい。
 それでも自宅には紅葉の木がある。
 昨年もそうだった。
 師走の中盤に差し掛かって一斉に紅葉してくれる。
 僅かなちっぽけな晩秋ではあるけど、独占している気分になる。
 この葉が落ちるとシベリア寒気団が島を覆い、一気に厳冬期に入る。
 その足音をビクビクしながら耳をそば立てている。


冬の海も澄んでいる

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