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エクソシスト初鑑賞

 私は映画監督に興味があった。
 今でも監督を目当てにして映画に行くタイプだ。
 それらしく大学時代には映画制作サークルに所属していた。
 その時代は自主映画が盛んだった。
 4つ上にかの庵野秀明らの綺羅星のような人材が闊歩していて、関西地区では局地的にそんなクリエイトムーブが生まれていた。
 私は先輩のカメラマンと共同で映画を撮っていたが、その先輩をライバルとして遊びに来ていたのが手塚眞だったりする。
 そんな映画尽くしの日々だった。

 なのにエクソシストは今回で初めて観た。
 この映画はこれまで食指が湧かなかったのだ。
 理由はあの180度に首のまわるシーンなど、衝撃的なシーンをテレビ番組内で断片的に見ていたので、なんか底が浅そうな印象を受けていたからだ。
 ところがYouTubeでエクソシストの解説動画を見て、気が変わった。
 その作品が、ホラー映画という従来は色物としての扱いでしかなかったジャンルに市民権を与えたという。
 真剣に鑑賞すると、実にリアリズムに則った作品で、社会的な歪みを問う映画だと思う。このエクソシズム、悪魔祓いを行う神父が登場するのはもう映画の終盤であり、そこからの一気呵成の悪魔祓いが息もつかせない。
 たった数秒のカットだけを切り取ってテレビで流すのがいかにもお粗末かを知りました。
 そこまで現代劇を丹念に積んでいて、だからこその悪魔祓いの真実味でした。
 やっぱり映画っていいですねえ。

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