見出し画像

椿三十郎

 黒澤映画を年に数本は観る。
 東宝のBDよりもクライテリオンの米版の方が画質がいい。
 古民家の自宅には和室を潰して、プロジェクターと音響設備を整えている。ゲストが来訪した時の客間でもある。天候が優れないときはそこで映画館みたいに楽しんでいる。
 黒澤映画で先日は「椿三十郎」を上映した。
 ビギナーが観るにはとてもユーモラスで、かつ最期の決闘はとても迫力がある。あの殺陣を超える映画を見たことがない。
 撮影時に三船敏郎と仲代達矢は、それぞれの必殺技を託されて修練を積んで撮影に挑んだ。しかし相手の繰り出す技は一才知らない。どちらも斬り伏せる気で相対している。あの空気の練り上がっていくのは、ふたりの間合いである。
 ぜひ諸兄には大画面で観てほしい。
 この家にも数本の椿の木がある。
 赤椿と、このまだらの白椿だ。

この記事が参加している募集

忘れられない恋物語

SF小説が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?