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茜空が幾何学的に割れていた。 林立するコンテナの群が連なり、夕映を黒くさえぎっていた…
昨年に見た夢なのですが、今日にお話しようと思います。 例によって私の夢はとてもリアル…
背中で触れてきた。 僕ははっと息を飲み、キーボードを叩く指が止まった。背中にかかる重…
幻の一杯がある。 父親の遺した墓を、月命日に掃除に行ったご褒美に食べていた。 田舎に…
コバルト・ブルウのクーペ V型6気筒のエンジンを積んでいる。猛獣のように顎を低くして、…
湾岸戦争中にぼくはマレーシアにいた。 マレーはイスラム教を国教としていて、その当時は…
桜が散っている。 私のロードスターは、高台のパーキングに停まっている。 ふたり乗りのちっぽけなロードスター。 オレンジに塗られたボディに、漆黒の布製の幌が掛かっている。 急勾配の傾斜の途中に、巨人が指でつまんでこしらえたような平地が、虚空に向かって突き出している。そのパーキングのへりに平たく張りついている。 仕事がかさんでいる時期には、帰宅が深夜になることも、ままある。 エンジンの鼓動が止まり、車外に出ると、眼下には夜景が広がる。星が吹き散らされたような眺めだ。