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『梅雨バテ』その漢方的予防法とは?〜前編〜

「毎年梅雨の時期は体調が悪い」

そんな声をよく耳にします。

最近ではTV等でも梅雨時の体調不良を「梅雨バテ・梅雨ダル」などと呼んでいるぐらい話題にもなっています。

そんな時期に体調を崩さないためにも今回は梅雨から初夏を元気に過ごすための『梅雨バテ対策』についてお届けいたします。

☆梅雨バテ(梅雨ダル)の原因とは?


日本の梅雨のように雨が多い時期や、様々な原因で『カラダがジメジメしてしまう』ことを中医学では『湿邪』や『水毒』などと呼びます。

日本人は特にこの湿邪や水毒に弱いと言われています。

ではなぜ日本人は湿気にそんなに弱いのでしょうか??

☆日本人が水毒・湿邪で体調を崩しやすい理由


それにはいくつかの原因があります。

・島国で大陸の国に比べると圧倒的に湿度が高いこと
・『水飲めブーム』『ペットボトル症候群』に代表される近年の水分のとりすぎ
・エアコンの設置により汗をかくことの減少
・シャワーだけの入浴習慣
・現代人特有の胃腸虚弱による水はけのわるいカラダ

おもな原因だけでもこのようなものがあげられます。

☆梅雨ダル&水毒の原因は『水分過多』『五臓の弱り』


健康な人は食事などから摂取した水分はカラダをスムーズに巡り、汗や尿として排出されますが、『食べ過ぎ・飲み過ぎ』『体質的な胃腸虚弱』などにより体内に余計な水が溜まってしまいます。

すると漢方ではカラダを構成する3つの大切な要素『気・血・津液』の流れが悪くなると考えます。

◆はみ出し漢方用語メモ〜気血津液(水)
※気は体や内臓を動かすもとになるエネルギー
※血は血液を主にした体の栄養になる物質
※血液以外の体液全般(感覚的にはホルモン・リンパなど)


☆梅雨ダル&水毒になると起こる症状とは?

さて、そんな梅雨ダル・水毒ですが、具体的にはどんな症状が表れるのでしょうか?

主な症状は・・・・
慢性鼻炎、喘息、いびき、後鼻漏、めまい、耳鳴り、冷え、下半身デブ、むくみ、重だるい、肩こり、腰痛、関節痛、頭痛、頭重感、逆流性食道炎、消化不良、吐き気、胃痛、胸やけ、食欲不振、下痢、二日酔いしやすい、高血圧、頻脈、頻尿、カンジタ、水虫、おりものが多い、不眠、体重増加、など

列挙したらキリが無いぐらいたくさんあります。

また、梅雨バテになりやすい水毒の人の特徴としては・・・

舌が腫れぼったい、舌に白い苔や両脇に歯痕がある、すぐに横になりたがる

マッサージが好き、下まぶたの腫れ、食事中に水分をたくさん取る

水分取る割におしっこが遠い、乗り物酔いしやすい、メニエルになりやすい

耳が詰まりやすい、など

このような特徴がある方は水毒の可能性大。

このような状態になってしまうと非常に厄介です。

暑い夏になったらさらに体調を崩してしまうので、今回のシリーズでご紹介する養生でぜひ予防しましょう。

☆梅雨バテしないための水分のとり方とは?


そんな梅雨バテや水毒にならないために気をつけたいのが、梅雨時の適切な水分のとり方です。

水分のとり方ですが

『1日◯リットル』

と決めつけないことが大切です。

どれ位汗をかいたか?

どれぐらいおしっこがでるか?

など体内でどれぐらいの水が出せる方は生活習慣、年齢、体調によってことなります。

基本は

『喉が乾いたらゆっくりすするように、唾液を混ぜるように飲む』

を基本としましょう。

一度にがぶ飲みすることだけはご注意を。

☆水は流れが大切・入れたらしっかり出すことも意識


また、水分はどうしても皆さん

『取ること』

だけに意識がいきがちですが

『どれぐらい出しているか?』

も考えいましょう。

農作業や屋外でお仕事をされている方のように汗をたくさん日中かいている方はしっかりと水分補給をすることが大切ですが、一日エアコンの中で仕事をしている方はどれぐらいの水分が必要でしょうか?

日本のように四季がある国では季節により水分のとり方が変わるのが当たり前。

中医学でも季節にあった養生をすることが基本なので、梅雨には梅雨の水分のとり方があります。

☆梅雨バテ対策のためのおすすめの水分の出し方とは?


水分というのは体の中に入れて出してワンセットです。
入れっぱなし状態だと前述の湿邪や水毒になってしまいます。

日中エアコンの中にいる方は体をしっかり動かして運動で汗をかければ良いですがなかなか運動ができないとい方にオススメな発汗法があります。

運動で発汗できないときも入浴を上手に活用


それが
『ゆっくり入浴』です。

お風呂は日本人の伝統的な健康法。湿度が高い日本人には入浴で毎日適度な発汗をすることは非常に良いことなのです。

『暑いから』とシャワーだけで済ませると清潔はたもてますが、体に溜まった湿邪を出すことができないので、時間が取れたらゆっくりと入浴、時間は体調により異なりますので『うっすら額に汗が出る程度』を目安に入浴をしてみましょう。

暑いお風呂よりは38℃〜40℃ぐらいの微温浴がリラックスにもなりおすすめです。

なお、入浴は医療機関で治療中の疾患がある方などは思わぬ事故につながることもあるので、必ずかかりつけの医師にご相談してからにしてくださいね。

次回も梅雨バテ対策についてお届けします。

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