#200兆円の財政支出で新型コロナによる破局を回避 しよう

#200兆円の財政支出で新型コロナによる破局を回避 しよう
文責: 澤田石 順(勤務先病院の元感染対策委員長) jsawa@nifty.com
      note: https://note.com/sawataishi
      twitter: https://twitter.com/sawataishi
   version 1.0 (2020.4.10), version 1.1(2020.4.14)
  本文書の所在 note→ https://note.com/sawataishi/n/n5c77ad890664
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■諸事実
事実1:マネーは政府が貨幣・国債で、そして銀行がどちらも無から創造する

事実2:マネーと国債は政府の負債だが「借金」ではない、政府は民間から一円も借りない。経済の本質はモノとサービスの生産とお互いの交換であり、マネーは政府がゼロから作成した記号だ。人々が必要とするモノとサービスを生産する総量と余力こそが経済力だ。マネーという記号は生産を刺激したり、交換速度を増加する作用を有する。その意味でマネーは有用であるが、マネーそのものには価値がない。マネーの有用性が高まるにつれて、マネー獲得が目的となる本末転倒が現実になってきた。その事例の一つは、モノこそが重要なのに、輸出による収入が輸入による支出より多いのが良いという誤謬。貿易赤字とはモノが比較的に多く一国に入ることであり、モノこそ大事なら良いことなのに、モノの対価としてのマネーの流入増加が良いとみなされてきてしまっている。生命と生活にとって、モノとサービスの増大が良いのに、マネー増大が目的になってしまっている。マネーの蓄積そのことが目標となってしまった。マネー蓄積が最大目的ならば、いつまでも貯めるばかりで、マネーを用いて命と生活を豊かにすることは先送りとなる。ただし、マネー蓄積主義者は労働者を搾取する技術を磨いて、政府、学者、マスコミ、政治家を買収することにより、所得税と法人税を減税し、消費税(付加価値税)を増税し、社会的共通資本への政府支出を削減するとで、マネーをますます蓄積することに習熟し、現実に成功してきた。余ったマネーで「豊かな」な成果を享受しているようだが、客観的には罪が深く幸福な生き方とはとても言えない

事実3:日銀が国債を銀行等から買うにあたり、無から振り込んだ

事実4:国債1037兆円のうち日銀は485兆円、47%を保有

★提言1: 日銀は200兆円の国債を銀行等に売り、200兆円を政府口座に振り込め
(法改正が必要なら直ちに!) ※新規国債発行ゼロで200兆円が自由になる!!

★提言2: 感染拡大速度増大による破局を防止するための唯一つの方法は、生命・生活に必須でない仕事の全てを休止させること
#休業補償 なしでそれは不可能。政府が200兆円の財源確保できるので簡単だ!

▼200兆円の政府支出の内訳
1 #休業補償 : 労働者(失業者とフリーランスも)と企業に100兆円、直ちに
2 赤字企業も払う消費税を直ちに0%←年間で20兆円
3 人手不足の農林水産業・運輸・医療・介護・教育・保育(学童も)・保健所等の役所などの、公的ないし準公的部門において、失業・収入源の人を政府支出で雇用すること←50兆円くらい?
4 ガス・水道・電気などの公共料金については、所得と資産残高にかかわらず全額免除とする← 30兆円?

▼1~4の提言実行が必要で簡単にできる理由、しないといけない理由
・経済とは命と生活を維持するためのモノとサービスを自然界から取り入れて、供給すること
・私達のごとき動物の事実は、鼻や口から空気を口から酸素を取り入れ、口から栄養を入れて胃腸で消化吸収し、静脈から心臓に流して全身に回すこと。栄養物と水は腸から静脈入り、心臓は動脈を拍動させて、血液を媒介として酸素と栄養を全身に回す。
・経済活動とは肺と口・消化管を経由しての「酸素と栄養・水」の取り入れと、その循環に等しい。
・マネーとは何であろう。血液なのだ。血液は酸素・水・栄養を全身に回すための媒体である。だからマネーという血液不足=貧血の時は、マネーを増やすための輸血、すなわち政府による資金供給が必須となる。日本銀行が「献血して貯めた」国債を売ることで、血液不足を解消したら良いだけのこと。もともと「貯めて」いる準備を活用することによる副作用などほとんどあり得ない。
・心臓は血液を回すための原動力であり、そもそも心臓は血液(マネー)の十分な供給なくしてはまともに働かない。心臓は例えるならば、国民1人1人の気合いとか決意のような精神力のようなものだ。精神力が強くても、血液=マネーが足りないならば、経済=生命は衰退する。だからこそ、血液・マネーの補充が必須なのである
・「血液不足なので、血液というマネーを補充する」と決意して実施する主体は脳である。国(国土+国民+国家)を生命体に例えると、国民が脳=主人であり、国家は手足=道具、環境は国土。脳である国民が道具にすぎない国家を主人と誤解して、国家(内閣・官僚)が主人のふりをして、御用学者を活用して過ちを重ねているのが今日の現状

▼結論
血液不足なのだ。主人である国民が政府という道具に命じて、血液を補充しよう。日銀が無から購入した国債のたった200兆円を購入したら、国民の命と生活を守るための方法は簡単に実施できる。

------------以下、補足します

■日本銀行保有の国債約460兆円のうち、200兆円を銀行等に売ろうとしたら、銀行等は嬉々として買うので、国債が少しだけ値下りするリスクはあろうが、少なくとも暴落はあり得ない

▼はじめに
 日銀が200兆円もの国債を一気に売ろうとすると国債価格が下がる(利率上昇)と心配する方が少なくありません。銀行は全額を買うだろうかとの心配もあり得るかも知れませ。
 市場原理は「日銀による国債売却に関しては貫徹しない」との理論的根拠はありますか? 私には見いだせません。日銀が200兆円の国債を売りに出せば、金利収入低下で苦しんでいる銀行等はこれぞとばかりに全額購入するので、国債が値下がりする公算が小さい。もしも、値下がりするとしてもたいしたことにはならないと考えられます。

▼例え話による説明
国内のマスク需要が二倍=年間200億枚になったのに、市場が供給できるマスクが100億枚しかなくて、100億枚の供給不足だとします。政府が国内外の企業から買い上げて50億枚のマスクを備蓄=死蔵しているために、政府の買い上げがないならば不足は50億枚に留まっていたと仮定しましょう。
 "マスク需要の増大 AND 政府による買い占め(マスクの死蔵)"以前のマスク価格が一枚10円、今では一枚20円に高騰しているとします。そして、政府は一枚10円でマスクを50億枚購入したのであったと仮定しましょう。
 このマスク不足において、政府が一枚10円で、つまり元の値段=現市場価格の半分で25億枚(保有してる半分)のマスクを市場に売りだしたら、市場は全て購入することでしょう。市場の半分の価格で政府が売るならばすべて買って当たり前だから。
 これにより国内のマスク不足は75億枚となるので、マスクの価格は20円から18円くらいに下がるかもしれません。マスク不足はそれでも75億枚なので、20円のままかも知れません。どちらにしても、マスク価格の暴落は市場原理からしてあり得ません。暴落を定義するならば、もともと一枚10円のマスクが10円未満となること。
 供給過剰の市場に売るならば、売る主体は価格を下げるしか売る方法なし。この例話では供給不足の市場に、政府が買った値段そのままの安い価格で不足したマスクを売るのですから、市場は全て政府から買うでしょう、喜んで。政府には一円の損もありませんし、そもそも政府は不足したマスクを売って儲ける必要はありません。
 以上の例話は日銀が購入した国債200兆円を銀行等に売りに出すという、私が提唱する政策の実効性・効率・効果(efficacy, efficiency, effectiveness)と実現容易性(feasibility, availability)を強く示唆するのではないでしょうか。一気に日銀が200兆円の国債を売り出したら、民間銀行は全て速やかに買うでしょうが、国債の値下がり(利率上昇)はもちろんあり得ますが、値下がりの程度は現実世界で問題となるほどにはならないと予測します。
 申すまでもなく、実効性を有するための第一段階は、日銀が国債200兆円を売却して、その200兆円が中央政府の自由となること。それから、最大で200兆円を中央政府が支出する。内容は、中央政府と地方政府による休業補償はもちろん。消費税は凍結し、仕事無くなった人を中央政府・都道府県や医療・教育・介護等が直接雇用すること。

▼例え話ではない事実による解説
事実0: 日本国の民間部門(企業と個人)は世界一の金余り=政府の負債

事実1: この十年以上にわたる金融緩和(質的かつ量的)により銀行の利子収入が激減した。特に地方銀行は苦境に陥っている

事実2: 銀行等はこの3月の時点で396兆円も日銀口座に保有(準備預金=日銀当座預金)
 -銀行等の日銀当座預金総額→ 2010年3月で18兆円、2015年3月で188兆円
 -2015年初頭:国債保有は日銀が25%、銀行等が60%→2019年末: 日銀が47%、銀行等が39%。国債の半分は統合政府としての日銀が保有している。日銀が得た金利などの収入は国庫にほとんどが移行する

事実3: 銀行等の準備預金の一部はゼロ又はマイナス金利である。国債保有の方が銀行にとって利払いが高いので望ましい

事実4: 昨年の消費税増税で景気がさらに悪くなり、新型コロナで破局的に悪化

事実5: 民間企業は全体として売り上げが激減し、将来の消費増は見通せないので、設備投資など論外だ。なので銀行からマネーを借りない→銀行は企業にマネーを貸して金利で儲けることがますますできなくなった。銀行は企業の成長が期待できないので、貸すのではなく、債権を購入することで、債権の利子で生き延びたい本能を強めている。だから、国債を買いたい。株、社債、地方債はリスクが高いので買いたくない。それらをの暴落が心配なので売りたいが、それをすると暴落するのでできない。だから、日銀が株、社債、地方債等をどしどし買って、値下がりしないようにして欲しい。できれば国債の利率は上がって欲しい(国債の値下がり)。国債が値下がりしないとしても、国債をもっともっと買いたい。なのに、日銀は国債を銀行から莫大に買ってきた。

以上の事実からして、銀行等は集団として、日銀口座にある莫大な準備金預金で国債を買いたいし、日銀が200兆円の国債を売りにだしたら、嬉々として買うと予想される。日銀が得た200兆円をそのまま中央政府に日銀口座に移転したらいいだけのこと。これで、新規国債発行はゼロで中央政府は莫大な財政支出が可能となる。法改正が必要なら、したらいい。野党は確実に賛成するので法案は通る。

◆補足: マネタリーベース
2010年3月 97兆円: 日銀当座預金 15兆円、日銀券発行高 77兆円、貨幣流通高 4.5兆円
2015年3月 286兆円: 日銀当座預金 188兆円、日銀券発行高 89兆円、貨幣流通高 4.6兆円
2020年3月 518兆円: 日銀当座預金 394兆円、日銀券発行高 109兆円、貨幣流通高 5兆円
 ※この十年で激増したのは銀行等の日銀当座預金総額。15兆円が394兆円と、380兆円ほど増えた。日銀による国債購入486兆円の多くは銀行の「金余り」激増となり、銀行等の貸し出しは大して増えてない。銀行が保有する国債が激減して、銀行の国債の利子収入は激減したのだ。

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