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お酒の栄養比較と悪酔いの謎

お酒は百薬の長と言われ、アルコールを摂取することで末梢血管の拡張を促すセロトニンの分泌を促す作用もあります。

セロトニンはドーパミンノルアドレナリンなどの交感神経を刺激する物質をコントロールすることで、不安や恐怖といった感情を抑えて気持ちを鎮静化させる働きのある脳内物質です。

ためにはたらく脳内物質。それによってストレスを抑えるはたらきがあります。

セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られますが、女性ホルモンが低下する生理前や温度や気圧変化などで自律神経が乱れるときに活躍します。

飲酒によりセロトニンが急に増えると少し動脈が収縮しますが、セロトニンが代謝され血管が拡張することで拍動性の頭痛の原因となります

セロトニンは神経伝達物質という、体調の調整に使われる物質で必須アミノ酸のトリプトファンから作られ常に供給されています。

不安や緊張を和らげるためにもセロトニンが使われるので、お酒を飲むと急に人が変わったようになるのはセロトニンの分泌量が増えるためと考えられます。

表からも分かる通りに日本酒やワインよりもビールの方がトリプトファンの量が多いので、飲んで性格が変わりやすいのはビールと言えるかもしれません

性格が変わりやすいのがビールだとしても、二日酔いになりやすいのは日本酒やワインと言われます

二日酔いで多いのは吐き気や食欲不振に頭痛です。

まず吐き気や食欲不振の原因となるのは、胃が荒れたせいで起こる急性胃炎です。

急性胃炎はアルコールをたくさん飲んだ時に、胃の粘膜が剝がされることで起こる炎症です。

胃で炎症が起こると浮腫みが生じ、浮腫みを解消するために身体は吐き戻そうと反射を起こします。

そのため、ビールよりもアルコール度数の高いワインや日本酒の方が胃炎を起こしやすいために悪酔いしやすいと考えられます

漢方薬の中では、急性胃炎に対しては主に半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)が用いられます。

二日酔いの頭痛に関して言えば脱水症状が主な原因です。

ビールは元々水分の割合が多いですし、焼酎などの蒸留酒は割って飲むのでアルコール度数が低くなります。

ですが、ワインや日本酒は濃いままで量を飲みやすいために二日酔いになりやすいと考えられます

アルコールを分解するアルコール脱水素酵素の作成には水分を利用しており、分解したものは尿として排泄されます。

ですが、ワインの利尿作用に対して途中で水分をとらないと水分不足に陥るのです。

また、飲んだ直後に酔いやすい人と次の日に残りやすい人では身体に残っている成分も違います。

アルコールは分解されてアセトアルデヒドになり、アセトアルデヒドの方が毒性は強く二日酔いの原因になります。

そのため飲んだ直後よりも次の日が辛い人は、水分の事前の摂取が二日酔いの予防につながるのです

肝臓や胃に高い濃度のアルコール脱水素酵素があると、1時間1杯のペースで強い酒を飲んでも解毒することができるそうです。

そして、分解されたアルコールを速く排泄するにはカリウムが必要となるので、飲んだ後にはあがりを飲んだりお茶漬けを食べたりするのは有効なのです。

特に水毒(すいどく)タイプの人は二日酔いになりやすいので注意しましょう。

参考文献

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