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30代男性の【母が婚活に介入してくる】をコーチングするとしたら?

😞 今回は、相談者が「婚活に介入する母親に振り回されている」事例です…🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#161

 30代の男性。母が婚活に介入してきて困ります。

 私は恋愛経験が多いわけではなく、現在、合コンなどの集いの場に足を運んだり、マッチングアプリを使ったりして、独力で婚活を進めています。

 ところが、母はこうした出会い方が気に入らないようです。私の知らないうちに、親同士のお見合いパーティーなどに参加して、相手の身上書を持ち帰ってきます。

 母とは昔から何でも話をしてきましたし、家の雰囲気を悪くしたくないので、目は通します。でも、結婚相手は自分で探したいと考えており、すべて断っています。そんなことまで親の助けを借りるのは恥ずかしいという思いもあります。

 先日は「合コンやアプリで出会った人と結婚しても、相手のことを嫌悪の目で見るし仲良くできない」と言われ、反論したところ泣かれてしまいました。どうしたら理解してもらえるでしょうか。(神奈川・K男)

(読売新聞2022年8月31日)

✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦


▶︎ 相談者の「困りごと」をまとめてみると

・結婚相手は自分で探したいと考え、独力で婚活を進めているが、母親が合コンやアプリで出会った人とは仲良くできないと、親同士のお見合いパーティーなどに参加し、身上書を持ち帰ってくるなど、婚活に介入し、反論すると泣くなどされて、困っている。

▶︎ 相談者の「困りごと」を「願いごと」に転換してみると

・自分は、合コンやアプリを使ったりして、独力で婚活を進めることができるので、母親には自分の婚活に介入してほしくない。また、自分が見つけた人を、結婚相手として、嫌悪の目で見ず、仲良くしてほしい。


▶︎ 相談者の困りごとのパターンを考えてみると

  • 相手(母親)に振り回されている? 「親同士のお見合いパーティー」に振り回されている?

  • 相手(母親)をコントロールしよう(変えよう)としている?


🚩 以上をふまえて、次の質問や展開を考えました

・あなた自身、どのような結婚相手を、いつ頃までに見つけたいと思っているのでしょうか? また、どのような家庭を築きたいと思っているのですか?

お相手を見つける方法は、あなたとお母さんで違うかもしれませんが、お母さんが望まれるあなたの結婚相手と、あなたの望む結婚相手は、全く違うのでしょうか、叉は、かなり重なるのでしょうか?

もし重なるのであれば、あなたご自身の希望を最優先するとして、お母さんの願いも聞いて、重なるところがあれば、できるだけ、お母さんの希望にも添い、自分の希望にも叶う人を、自分の力で見つけたいということを伝えるのも、1つの方法かもしれませんね。

・結婚相手の見つけ方が、お母さんの常識と、最近の若い方の常識とで異なっているのかもしれませんね。親同士のお見合いにも、合コンやアプリによる方法にも、どちらにも一長一短があるのかもしれませんね。

お母さんは、最近の若い方の婚活の方法をどの程度理解されているのでしょうか? あなたはそのような方法について、お母さんにどの程度情報提供をされたのですか?

・それから、お母さんは、合コンやアプリによる婚活について、具体的にどのようなことを心配されているのでしょうか? そのあたりのことについて、お母さんの心配を解消したり、軽くするのも、先ずは、あなたの主張を通すのに役立つかもしれませんね。

一方で、親同士のお見合いパーティにもメリットがあるとしたら、あなたはどの程度、それを理解されているのでしょうか?

・また、あなたは、おかあさんに具体的にどういうことを理解してほしいのでしょうか。何を理解してほしいのか、明確にしてみませんか。

・一方で、あなたがお母さんに理解してほしいと思われているのと同じくらいの強さで、お母さんの方でも、あなたに理解してほしいと願っていることがあるのかもしれませんね。

昔から何でもよく話し合われて来たということであれば、今回こそ、お互いに、相手の話をよく聞かれたらいいのではないでしょうか。話し合うというより、「相手の話を聴きあう」という姿勢が大事なように思います。

お互いに、相手の話をどの程度じっくりと聴かれていますか?

あなたは、これから将来、お母さんとはどのような関係でありたいのですか? 結婚した相手の方とあなたのお母さんとの関係は、どんな感じだったらいいのですか?

あなたとお母さんとで、「お互いに話を聴き合うこと」が、どのような解決になるか、今は分りませんが、「急がば回れ」とか、「雨降って地固まる」いうことになるかもしれませんね。

おかあさんも、お嫁さんや、お孫さんのことを楽しみにされているかもしれませんし、あなたが気に入り、お母さんも気に入る相手が見つかることが、一番望ましいようにも思えますが?

・ところで、

・もし仮に、お母さんが持ち帰ってきた身上書の相手が、あなたの考える理想のような相手であり、一方で、合コンやアプリでは、なかなかいい人と巡り会えないというようなことが続いたとしたら、そのときも、身上書の人とお見合いをしてみることも、断るのですか?

・また、身上書の人と、お見合いをしても、うまく話が進むかどうかは、あなたの力が試されるのであり、相手の人との相性にもよるのではありませんか? 

・婚活の最終目的が、いい相手との結婚であれば、いい人と巡り会うチャンスが増えるという意味では、最終決定は必ず自分たちがするということを、お母さんにきっちりと了解してもらったうえで、おかあさんにも、併行して探してもらうというやり方もあるように思いますが、いかがでしょうか?

・これまでのあなたの人生で、お母さんの干渉が強すぎて辟易しており、とにかく、介入されることは、いっさい嫌だということであれば、自立のために、あなたの意志を貫き通すというやり方もあると思います。

・一方で、今回のことは、あなたとお母さんのウィンウィンの道もあるのではないかとか、あなたが良い結婚相手を見つけて、幸せな家庭を築くというゴールを目ざす共同プロジェクトと考えることもできるのではないか、などとも思われます。

いずれにしろ、あなたが最終的にどうするかを決めればいいと思いますが、お互いに、何を願っているのかを、よくすり合わせて、調整し、それぞれが多少の譲歩をしていく、というのも、お母さんやあなたの長い人生から見れば、得策のような気もします。

以上のようなことも含めて、ここまで考えてみられて、どんなことに気がつかれましたか?


✅参考:回答者(藤原智美さん)の言葉です💖

  母親の勝手な代理婚活に恥ずかしさを覚え、自分で婚活を進めていると聞いて、ホッとしています。

 お母様はわが家の嫁選びを、当事者意識まる出しで行っている感じですね。しかし、まだ決まってもいない結婚相手と「アプリでの出会いなら、嫌悪の目で見るし仲良くできない」というお母様の言葉は、明らかに度を越した脅迫です。

 このままでは、たとえ代理婚活でいい相手が見つかっても、母親の介入は、結婚後の生活でも続いていくのではないかと思います。

 あなたはお母様との関係を重視するあまり、結婚の意味を忘れてはいませんか。今の家族とは別に、パートナーと新たな家庭を作り人生を歩むのが結婚です。お母様は当事者ではないことを、しっかり理解してもらう必要があります。

 改めて、結婚相手は自分で探すと、きっぱり宣言してください。そこに母親の同意は必要ないのです。冷たいようですが、涙にほだされないように。

 今回の 軋轢は、あなたの巣立ちの時期を知らせる合図かもしれません。それくらいの覚悟をもってあたらないと、いい相手も見つかりません。がんばってください。

(読売新聞2022年8月31日)

💟新聞の人生案内の回答は一種のティーチングに当たると思います。「本人から本人の答えを引き出す対話」としてのコーチングとの違いがよく分りますので、コーチングが、より社会に認知される一助になればと思います。


✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。

              😋 筆者独自の見解や表現も入っています.

1,相談者が満たせると幸せ感が増えそうな基本的欲求

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)

  • 自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい)


2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル


3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」

🌻 選択理論の第1の原理
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

🌻 選択理論の第2の原理
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わることを決める」と考える)

🌻 外的コントロールと人間関係
・「自分の正しさを押しつけると相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受け入れると相手は近づいてくる」ということを理解しましょう。

・相手との関係が良くなると、こちらのリクエストも聞いてくれやすくなります。

・いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を生み、人間関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・(本人を外側から変えようとして)相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

🌻 「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていることに気づきましょう。

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが「精一杯の行動」をしていると考えましょう。

・同じするなら、いやいやでなく進んでする方が自分のコントロール感も高く自由度も広がると考えましょう。
 
🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動も、自分のと同じく、ニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。
 
・相手が満たせていない、相手にとって大事なニーズや価値観が何かを考えましょう。

・「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し貢献しましょう。
 
・「人間関係を育む行動」を習慣にしましょう。具体的には、傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受け容れる、尊敬する、意見の違いは交渉する、などの行動です。
 
🌻 相手との人間関係(具体的やりとり)の願望-人間関係の距離感
・自分は相手(職場、グループ)との関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)、そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのかを考えましょう。

🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

🌻 現在とっている行動とこれからの行動プラン
・自分が願っていることのために、今どんな行動をしているか、それをしていて実現できそうか、どんな新しい行動ができるかを考えてみましょう。
 

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