20代女性の【細くなる友人関係 悲しい】をコーチングするとしたら?

😞 今回は、相談者が「細くなる友人関係に振り回されている」事例です…🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#171

 20代の女性。ひと月前から高校の友達4人で会う約束をしていました。しかし、約束の日の1週間前に1人が新型コロナウイルスに感染。3日前に別の1人が理由なく「行けない」と連絡をよこし、残る1人も当日に彼氏の看病で難しいと言ってきて、久しぶりの再会は流れました。

 ショックだったのは、当日にキャンセルしてきた子が、次の日に病気のはずの彼と遊んでいる様子をSNSに投稿していたことです。3日前に連絡してきた子も恋人が理由と推測します。

 4人は仲良しで、うわべだけの関係ではないと思っていました。友達と恋人に優先順位はなく、どちらも大事と考えており、友達の対応を残念に思いました。今後、年を重ねると、恋人が家族に変わり、友達の優先順位はまた下がるでしょう。友人とのつながりが細くなっていくことが悲しいです。(京都・O子)

(読売新聞2022年9月22日)

✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦


▶︎ 相談者が話したい「困りごと」を受けとめ、まとめると

・高校の仲良し4人組で、久しぶりの再会の約束をしていたのに、3人から、コロナ感染や、恋人を優先したと推測される断りの連絡があり、再会が流れた。

自分は、4人はうわべだけの関係ではないと思っていて、友達と恋人に優先順位はなく、どちらも大事と考えていたので、友達の対応を残念に思った。

今後、年を重ねると、恋人が家族に変わり、友達の優先順位はまた下がるだろうと思われ、友人とのつながりが細くなっていくことが悲しくて、困っている。

▶︎「困りごと」を「願いごと」に転換して、話してもらうと

・今の友人達が、年を重ねて、恋人や家族を持つようになっても、友達どうしとしてのつながりが細くならず、続いてほしい。(推測)


▶︎ 相談者の「困りごとのパターン」を考えてみると

  • 願いごとが叶わない、願いごとが不明確

  • 相手や状況に振り回されている


🚩 ①相手の困りごと、願いごとの話を受けとめたうえで、②次の質問や展開をしてみること、を考えました

・私たち一人一人にとって、「友人」「恋人」「家族」は、それぞれが大切な人間関係ですが、どの関係が最優先なのか、常にその関係が最優先なのか、とか、それぞれの関係が、自分にとってどのような意味があるのか、などについては、人それぞれで、考え方が違うと思います。

・仲良し4人組のメンバーの間でも、人によって、当然、温度差があるでしょう。あなたにとって、あとの3人の方との親しさも、均等の親しさではなく、差があるでしょう。

また、あなたが相手に対して抱いている気持ちと、相手があなたに対して抱いている気持ちも、また、そこには温度差、ギャップがあるでしょう。

・今回の再会についても、あなたは、「4人が、2人になっても会いたい」「この機会を逃すと、当分再会できない」と思われたのかもしれませんし、一方で、他の方は、「せっかく会うなら、4人の方がいい」「また、次の再会の約束をすればいいだけ」と思われたのかもしれませんね。


・今回の件でも、「あなたはあなたなりに、ご自分の幸せのために精一杯の努力をされ、行動されている」、それと同じように、「相手は相手なりに、自分の幸せのために、そのときそのときで精一杯の努力をし、行動している」と考えてみましょう。

・一般に、よく言われることは、学生時代の友人は、損得抜きの関係であり、「いつでも、あの頃に戻れる、懐かしい関係」です。みんなにとって最優先の関係でないかもしれませんが、みんなにとって、「末永く、大事にしたらいい関係」と言えるように思います。

・また、今回のあなたの思いにかかわらず、何ヶ月か先に、「4人の再会」を果たされたときには、とにかく、皆さん、「久しぶりに再会できて良かった、楽しかった」ということになるのではないでしょうか。

そして、次の何年か後の再会が楽しみになり、さらに、その次の再会が楽しみになる、「会えば、会ったで、それなりに良かった、楽しかった」ということが、これから未来に向って、あなた方しだいで、続けていくことができるのではないかと思います。

・また、新しい友人をつくることは、あなたの全く自由な領域です。高校時代の友人たちは、それはそれとして、未来に向って、あなたと気の合う、親しい友人が、何人もみつかればいいですね。

高校時代の友人達に気兼ねする必要もないと思います。



✅参考:回答者(増田明美さん)の言葉です💖

 あなたの誠実な人柄が伝わる相談のお手紙。「うわべだけの関係ではなかったと思います」とあるので、寂しさが胸いっぱいに広がってしまうのでしょう。

 でも今回のことで、友達と思っていた人との考え方や価値観の違いに気づけたのかもしれませんね。あなたも言うように、友達と恋人のどちらを優先するかや、断る理由を正直に言えるかなど。何かあると、そういうものが浮き彫りになりますね。友達の1人がコロナに感染した時点で、「今回は中止して、今度また4人でゆっくり会いましょう」という判断もあったと思います。

 何はともあれ、あなたはとても悲しい気持ちになりましたが、大きな学びもありました。うそをつくことが、こんなに人を傷つけるのだと身をもって知ったのですから。より人に優しくなれると思います。

 大切にしている価値観を共有できる人が本当の友達です。ちなみに私も一人、親友がいますが、結婚、出産などお互いの状況は変わっても、何でも話せる関係は一緒ですよ。

 今の友達も時間や経験とともに成長して変わっていくかもしれませんが、またあなたの誠実さに引き寄せられる新しい友達が現れそうな気がします。

(読売新聞2022年9月22日)

💟新聞の人生案内の回答は一種のティーチングに当たると思います。「本人から本人の答えを引き出す対話」としてのコーチングとの違いがよく分りますので、コーチングが、より社会に認知される一助になればと思います。


✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。

              😋 筆者独自の見解や表現も入っています.

1,相談者が満たすと幸せ感が増ず基本的欲求(ニーズ)

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい。人間関係、結びつき、親密、メンバーの一員など)


2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル


3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」

🌻 選択理論の第1の原理 
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

・効果的な行動を選択するために、「自分が満たせていない基本的欲求(ニーズ)が何か」を、自分に問いかけましょう。

🌻 選択理論の第2の原理 
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わることを決める」と考える)

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが「精一杯の行動」をしていると考えましょう。


🌻 外的コントロールをやめて、人間関係を近づける
・「自分の正しさを押しつけると相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受けとめると相手は近づいてくる」ということを理解しましょう。

・いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を生み、人間関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・(本人を外側から変えようとして)相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

・相手との関係が良くなると、こちらのリクエストも聞いてくれやすくなります。

・「人間関係を育む行動」を習慣にしましょう。具体的には、傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受け容れる、尊敬する、意見の違いについて交渉する、などの行動です。

・「人間関係を害する行動」をやめましょう。具体的には、強制する、批判する、責める、脅す、文句を言う、ガミガミ言う、罰を与える、ほうびで釣る、などの行動です。

🌻 「一番気になる人間関係」に気づいて、関係を改善する

・「今、自分が1番気になる人間関係の相手は誰か」を、自分に問いかけましょう。

・「2番目に気になる人間関係の相手は誰か」を、自分に問いかけてみましょう。

その人との現在の関係で、自分の基本的欲求(ニーズ)がどの程度満たせていないか、叉は、満たされているかを考えてみましょう。

・自分の中の大切な基本的欲求(ニーズ)が何かに気づいて、それを満たせる行動をとりましょう。

・自分の中の基本的欲求(ニーズ)が満たせるような相手の具体的な行動を、相手にとってくれるようにリクエストしてみましょう。

🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動や反応(抵抗、攻撃、逃避など)も、自分のと同じく、相手が本人のニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。

・相手の中の大切な基本的欲求(ニーズ)を考えてみて、相手がそれを満たせるように、「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し、支援しましょう。

・相手が相手の基本的欲求(ニーズ)を満たせるように、自分にリクエストしたい具体的な行動が何かあるか、を相手に聞いてみましょう。

 
🌻 自分と相手の「現状(のステージ)の知覚と将来の願望」
・自分は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。

・相手は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。

🌻 相手との人間関係(具体的やりとり)の願望-人間関係の距離感
・自分は相手との関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)、

そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのかを考えましょう。

・相手はあなたとの関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(立ち対置をどこにするのか)、

そして、そうであることによって、相手は自分とどのような関係を得たいのかを考えましょう。


🌻 自分の「自分」との関係
・もう一人の「自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。そして、もう一人の「自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。
(注:ここでいう「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指す)

・辛い思いをしている「自分」は、どうなりたい、本当はどうありたいと望んでいるのか、「自分」の心の声を聴いてみましょう。

・もし、第3者が「今の自分」の状況だったら、自分は「その第3者」の状況をどのように考え、どんなアドバイスをするかを考えてみましょう。

🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

・もし、自分の願いが実現したら、今とどう違ってくるか、そのときは、今と違う何をしているかを考えてみましょう。

🌻 現在とっている行動の自己評価と、これからの行動プラン
・自分が願っていることのために、今どんな行動をしているか、それをしていて実現できそうか、どんな新しい行動ができるかを考えてみましょう。

・「願いごとを実現するために、今、自分はどんな行動をとっているか」
「今している行動を続ければ、願いごとや欲求が満たされるだろうか」
という、自分の行動や状況についての「自己評価」を口癖にしましょう。

・「もし願いが実現したときは、今と違うこんな行動をするだろう」という具体的な行動を考えてみて、先どりしてやりましょう。そして、どんな変化があるかを見てみましょう。
 

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