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アダルトチルドレンの闇から脱出して

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長年、アダルトチルドレンとして育ち、自殺衝動と戦っていましたが、この2年ほどでそこからサバイブしたなと感じています。今現在苦しんでいる方に、もう少し生きてみようかなと思っていただ…
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#アダルトチルドレン

【父の命日に(2)】死への恐怖が和らいだ奇跡的な瞬間

死への恐怖の和らぎ 父との最期の日々を過ごす中で、私の中で人生観が大きく変わった出来事がもう一つありました。 それは死への恐怖の和らぎでした。 先に紹介した『死ぬ瞬間の5つの後悔』という本の中で、レニーという人の最期に訪れた奇跡的で感動的な瞬間の話が紹介されています。 まさに私はそれに近いものを目の当たりにしたのでした。 ホスピスに移ってから急速に弱り始めた父。 最初の数日は弱々しくも意思の疎通が計れていたものの、だんだんと昏睡状態が多くなり、私のことが認識できてい

【父の命日に(1)】父が最期に教えてくれた「後悔のない人生」

父は「後悔はない」と言い切った 1年半ほどがんと闘病していた父。 施せる治療が無くなり、あと数日で病院からホスピスに移るというある日、とても良くしてくださっていたソーシャルワーカーさんから電話をいただきました。 「お父様、本当に素晴らしい方ですね。 『木村さん(父)、やっておきたい事とか、行っておきたい場所などはありませんか?』 とお聞きしてみたんです。 そうしたら、 『もう全部やり尽くしましたので、後悔はありません。満足ですよ』 ってはっきりお答えになったんで

アダルトチルドレン卒業宣言【その4】 〜実家家族からも卒業しました〜

私が考える「アダルトチルドレンからの卒業」とはなんだったんだろう昨年末にこのようなことが起こった後、私は自分が思う「アダルトチルドレンからの卒業」とはどんなものなのだったのかと考え続けました。 前回の記事までは、「あんなに憎んでいた親を許せるようになり、親も変わった」という、誰が読んでも「めでたしめでたし」な状況になっていましたが、事態は真逆の結末となりました。 見方によっては、昔よりも状況が悪くなったのではと思えるかもしれません。 でも、私自身に目を向けてみると、

アダルトチルドレン卒業宣言【その3】 〜夫と私は「嵐の中で身を寄せ合う子供」だった〜

夫と一緒に生活し始めたことも、アダルトチルドレン卒業につながる大きな要因でした。 「うちのキリスト」と私が外で呼んでいる夫とは結婚して早13年になりますが、最近よく感じることがあります。 それは「私たちは、暴風雨の中、穴倉で身を寄せ合っている子供みたいだな」ということ。 ・アダルトチルドレンはアダルトチルドレン同士でくっつきやすい夫も時々Voicyなどで発信したりしているように、アダルトチルドレンです。 アダルトチルドレン関連書籍でもよく言及されているように、アダ

アダルトチルドレン卒業宣言 【その2】〜催眠療法で「過去の自分を育て直す」〜

だいぶ日が空いてしまいましたが、【その1】に引き続き、「今回は『心の解放に役に立った5つの要因』の3つめをご紹介いたします。 ※ スキ!をいただけましたら大変励みになります❤︎ ⑶催眠療法〜過去の自分を育て直す〜 催眠療法的な手法で「過去の自分に会いに行った」ことも、私にとても効果がありました。 ・「小さい奈緒ちゃん」に会いにいく正確に言うと、私が受けたのは「イメージワーク」という、過去に傷ついたまま置いてきぼりになっていた「小さい奈緒ちゃん=インナーチャイルド」を癒し

アダルトチルドレン卒業宣言 【その1】

3年ほど前のある日、「あれ、もう死にたくなくなってる」と気がつきました。 そうして、前回投稿したように、この半年で親との関係が変化したことによって、とうとうアダルトチルドレンからも卒業したという感覚が生まれました。 今回はそんな「アダルトチルドレン卒業宣言」です。 先日知人に、「どういう段階を踏んで今の状態に辿り着いたのですか?」と聞かれたこともあり、ここで諸々を一旦振り返ってまとめてみたいと思います。(もちろん人によって解放の道順はさまざまですから、あくまで私の経験の

私の戦争の終結と子供時代の終焉

久しぶりの投稿になります。 昨年8月に父に深刻な病気が発覚し、その対応の中でしばらく心のバランスを崩していました。気がつけばあれから半年。 とても幸いなことに、父は治療が効いて大復活を遂げました。 しかしそれだけではなく、私の長年の傷も癒え、家族との新しい関係性も生まれ、大きく自分の人生観も変わりました。 半年前の前回、旦那の「戦争が終わった」ということを記事にしたのですが、今回こそまさに私自身の、私の実家家族の「戦争が終わった」のだと実感しています。 私を一番苦し

親子の戦争の終結と、再生の物語

コロナの恐怖が日本をじわじわと包み始めていた今年のはじめ、ダンナと私もそれぞれ大きなターニングポイントを迎えていました。 ちょうどそのころ、ある映画の試写会に呼んでいただいたのですが、まさに内容が自分たちと重なることばかりで、大泣きして帰宅しました。 その頃我が家で起こっていたのは、「半世紀も続いた戦争の集結」としかいえない状況でした。 この状態を書いておこうと思ったものの、結局コロナの拡大で映画の公開が延期になり、それに合わせてなんとなく機会を逸していたのですが、先週

自分の存在や行動が、誰かを知らずに救っているかもしれない、という話。

先日ある方からお問い合わせのメールをいただいたのですが、結果的に自分自身の存在を肯定してもらうことにつながりました。そして、バタフライ効果などにもつながる、「宇宙の命のチェーン」にまで思いを馳せることにとなりました。 ある女性からメールをいただいた 先日、どこかで私の活動を知ってくださった女性から、「信頼できるメンタルクリニックを教えてもらえないか」というメールをいただきました。 大変丁寧なメッセージだったので「なんとか力になりたい」と思いながらも、やはりなりすましなども

『人生すべてネタや!』〜壮絶な体験をも、栄養にして乗り越える呪文〜

この自粛生活の続く中、もしかしたら一人でもんもんとされている、アダルトチルドレン(AC)やADHDの方がいるのでは? そう思い、先日、少人数のクローズドな「AC/ADHD オンライン茶話会」を開催しました。 「AC/ADHDオンライン茶話会」 ご参加いただいたのは、 「ACやADHDの方で、お悩みの方は気軽にお話しませんか?」 という私のFacebookの投稿に反応いただいたご友人の方々。 でも、実際お話をお聞きしたら 「実は今は悩んでなくて、最近は色々自分の扱い

人生は親からかけられた呪いを解く旅

衝撃のタイトルですが、これは先日とある素敵な会合でお会いした、ムツミさんという女性が教えてくださった言葉です。 共感がぐわーっと湧き上がってきたと同時に、この言葉で救われる人がいるはずだから書いておかなくては、と思いました。 この旅の途中でその人にしか作れない副産物を産み落としながら生きるという、そんな素晴らしい人生があるということにも気がつかせていただきました。 「魂の渇望感」という心の穴人を見ていても自分を鑑みても、一番人を苦しめるものは「魂の渇望感」なのだと感

満たされることのない欠乏感にしがみつかず、自分のユニークな資質を教えてくれる人の言葉を素直に受け入れる一年に

あけましておめでとうございます。新年も8日たって、ようやく始動しはじめた相変わらずスローな私です。今年もぼちぼちと更新を続けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします! 本来の自分のペースより早く走り過ぎた1年間昨年は私にとって超高密度な一年でした。 まず春。人生初のクラウドファンディングで沢山の方に応援いただき、これまで自信なく細々やってきたことに背中を押していただき、 その資金で新作のアート仮装「KESHIN」を制作してお披露目して、みなさんに楽しんでいただき

祖母が遺していった「爆弾」

久しぶりの更新となります。先日、全身全霊で取り組んだあるお仕事が終わり(来年お披露目されると思います)、ふと自分の周りを見渡してみたら、親がとても歳をとっていました。 元気なうちに会っておこうと先日久しぶりに実家に一人で行き、両親とゆっくり話したところ、驚きの事実が判明しました。 「爆弾」が暗に語っていたこと5月に102歳で亡くなった祖母は、とんでもない「爆弾」を母に遺していた。 以前下記のブログで書いたように、母は、長年の祖母からの酷い扱いを赦し、最期は献身的に世話を

他人の侵略を防ぎ、自分を守るための「心の境界線」とは

このところ親との関係に苦しむ、10代20代の若い方たちとお話する機会があり、「心の境界線」という言葉を、何度も自分が繰り返していたことに気がつきました。 「毒親のもとに育った」「アダルトチルドレンである」という自覚があり、まだその傷に苦しんでいる方がいらっしゃったら、これを意識されてみるのはいかがでしょうか。 心を侵されないために必死に自衛していた自殺衝動に苦しめられながら心がボロボロになっていた長い間、ずっと呟いていた言葉がありました。 「誰にも侵されない心が欲しい」