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50歳オーバーで寿司職人になれる?

飲食店やりたい!……としたら、業態は?

人生一度きり、なんか全然違うこともやってみたいよね……なぞと、よくあるミッドライフ的なパッションが最近むくむくしてきて、あれやこれやと妄想中。空間を自分なりに「編集」できる飲食店に憧れる編集者って、意外に多いんじゃないかな。コンセプトを決めて、業態、立地、ビジネスモデル、店内レイアウト、メニュー……考えているだけでワクワク。
しかし、チコちゃんは知っています。飲食業って、すごく難しい商売だということを。ラーメン店などは開業5年で6割が消えるんだとか。ご近所の商店街も、飲食店の入れ替わりが激しいこと激しいこと……。
まったくの業界素人が、好きなお店開きたい~なんて、なけなしの貯金もってけドロボーってなもんです。すべてのことは、まずは勉強。
「参入しやすい業界ほど、撤退も多い。特に飲食店は資格もいらないし、居抜き物件あればすぐにも開業できる。勉強しないでパッと始めちゃう人が多いから失敗も多いんですよ」とは、先日のとあるセミナーで聞いた言葉。

社会人向けの飲食店経営コースは結構いろいろある

なんといっても、商売で大事なものは商品。何か食べ物を提供するとして、おいしいというのは基本だ・・・と思い、最初は料理学校を考えた。
一気に習得するなら、あの、結果にコミットするライザップのすごい料理教室ライザップ・クックか? プロ料理人がマンツーマンで週2回、料理を特訓してくれるという。しかし、2カ月で30万円超(!)と料理教室としてはびっくりなお値段。自炊すれば外食費が減るから結果こんなにお得です……とか宣伝している。
後ろ髪を引かれつつ、飲食店開業を前提とした学校がよいか。……ということで、社会人向けの飲食店開業教室を調べてみた。

飲食塾
日本の「食」に特化した技術を短期間で習得。実店舗でリアルに学べる。
・寿司職人コース(3カ月)…約126万円(5万円の包丁セット込み)
・焼き鳥職人コース(2カ月)…約76万円(同上)
・ラーメン職人コース(1カ月)…約69万円(3万円の包丁セット込み)

飲食人大学
講師はミシュランクラスの料理人。3カ月の短期集中&現場実践カリキュラムで高機能調理技術の習得を目指す。実践指導は、62日420時間。
・寿司マイスター専科…昼間88万円、夜間77万円
・中華マイスター専科…88万円

東京すしアカデミー
寿司職人養成コース6カ月、集中コース2カ月、週末コースなどあり。
入学金・学費計約90万円。
(※ちなみに、「鮨アカデミー」は食べ放題寿司店なのでご注意)

レコールバンタン社会人
・飲食店開業コース
・開業プランニングコース
・調理&メニュープランニングコース
・ベーカリーコース
・バリスタライセンスコース
・寿司和食居酒屋コース
などのコースがあり、通学期間3カ月~1年、各60~90万円。

CAFES’LIFE TOKYO
人気のカフェ企業が運営するカフェ開業スクール
・セカンドライフカフェ開業コース
・自家焙煎カフェ開業コース
・カフェオーナー開業速習コース
などがあり、7カ月~1年通学、120万円くらい。

説明会&カウンセリングに行ってみた

いろいろあるなかで、卒業生が多い、コースの幅が広い、学校が近い……などから、レコールバンタンのカウンセリングを受けてみることにした。そもそも飲食店の塾では何をするのか、雰囲気もイメージがわかない。料理学校とカルチャーセンターを足した感じ??「飲食店開業コースと開業プランニングコースってどう違うの?」などなど、パンフレットを見てもよくわからない。
これは声を大にして言いたいですが、なんでも分からないときはとにかく現場に行って人に会うこと。というわけでいざ、中目黒の校舎へ。
外見はオフィスビルのようだけど、一歩中に入ると、厨房があったり、ワインセラーがあったり、カフェ風のしらえがされていたり、「よっしゃ飲食学ぶぞ~」という気分が上がる雰囲気である。
ここで、仲間とワイワイ学ぶ……楽しそう。私の機先を制するように、担当の女性が「40~50代の方が多いんですよ~。ほとんどが飲食未経験の方です。別のご職業で将来的に開業しようという方が多いんです」
確かに……。一世代前の父親世代くらいは、現役+老後(余生)だったけど、いまは少子化で労働生産人口が減っているし、寿命も延びていて、世の中の「老後とかいってないで元気なうちはなんかやれ~」圧力がなんとなくある。ミッドライフの選択は、大きく2つ。①定年延長かいまの職業をできるだけ長くやる道と、②セカンドキャリア。
昨今、65歳まで働ける会社が急増している。バブル世代を中心に、人員整理の早期退職(肩たたき)も多い。この二つって相当違う。今、その分岐点に立っている。いずれにしても、人生の選択肢は多いほうが安心だし、楽しい。ピンと来たら、とりあえず、なんでものぞいてみるのが吉だと思われることよ。

寿司のコースを勧められたぞ!

閑話休題。
「やってみたいお店のイメージを教えてください」と、お姉さんに一番迷っていることを聞かれる。私が言いよどんでいると、「あ、大丈夫です。ほとんどの方が入学時のイメージとは変わっていくものですから。なんとなくでいいので、こんなお店やってみたいなあということを」

あくまで妄想なんですが、古民家ふうの落ち着くお店がいいですねえ、
本をたくさん置いてブックカフェ風に。ブックカフェは憧れです。
あ、でもお酒は出したいです。着物で接客なんていいなあと。
それだと日本酒でしょうか。いい地酒はそろえたいですね。
でもワインやシングルモルトなんかも飲めるような。
お料理?うーん、和食系でしょうかね……
ワンオペでスタートしたいので、割烹コースとかではなく、お酒に合う気の利いたつまみをちょいちょいと……っていう感じでしょうか……

てなことをてきとうに口走っていたら、お勧めされたコースが、「寿司和食居酒屋コース」(そりゃそうだ)。和食の基本を学ぶほか、事業計画書作成やビジネスの設計など開業に必要なこともすべて学べるんだそう。社会人向けなので土曜日というのもいい。6カ月で材料費、教材費など含めて約100万円。一括払い。これはかなり清水の舞台から飛び降りる感じではある……。
それにしても寿司って、若いうちにどこかの店で修業して、すし飯3年、仕込み3年、握り5年とかいう世界はないの?半年でできちゃうの?ほんと?

考えてみれば、寿司(鮨)っていいかも

自分のイメージになかった寿司ではあるが、がぜん興味がわいてきた。以前、海外求人サイトをのぞいたことがあるが、日本人の求人で一番多いのは寿司職人だった。続いて介護。寿司はいま、世界中で大人気フーズだ。日本人でも寿司を嫌いという人はあまりいないんじゃないか(ネタの好みはあっても)。カウンターだけの小さなお店もあり。技量を高めていいネタを使えば客単価を上げることもできる。とりあえず寿司を握るスキルを身につければ、包丁一本さらしに巻いて(古い)、食いっぱぐれることはなさそう。少なくとも、似たカテゴリのそば打ち職人よりはだいぶつぶしが効くんじゃないか。
ただ、引っ掛かるのが、ジェンダー的な部分だ。
日本の寿司店には圧倒的に女性が少ない。女性が参入するには、いろいろ微妙なハードルがありそうではある。女性のほうが体温が高いからうんぬん……というのはもはや都市伝説認定されているが、いまだに言う人もいる。女性職人の寿司店の炎上騒動もある。明らかに女性への偏見の残る業界である。仕入れルートとか業界団体での立場とか、けっこうめんどうくさいことがいろいろあるんじゃないか……。このへんは調べてみる必要がありそうだ。

と、いうわけで、ミッドライフの旅は続く。






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