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健康診断って何をするの?②【飼い主様からのQ&A】


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今回の検査項目は血液血球検査(完全血球計算)です。
血液検査には血液血球検査血液生化学検査があり、血液血球検査は血液の細胞成分、血液生化学検査は血液の液体成分を調べる検査です。

血液の構成成分

血液は、液体成分である血漿と細胞成分である赤血球白血球(好中球、リンパ球、好酸球、単球、好塩基球)、血小板で構成されており、血漿に細胞成分が浮かんでいるような状態です。
薄い黄色の血漿に赤色の赤血球が浮かんでいるため、血液は肉眼的に赤く見えます。

血液血球検査(完全血球計算)

血液血球検査は、細胞成分である赤血球白血球(好中球、リンパ球、好酸球、単球、好塩基球)、血小板の数などを測定することで貧血、炎症、感染症の有無などを調べる検査です。

赤血球

赤血球の主な働きは酸素の運搬です。
赤血球はヘモグロビンというタンパク質を含んでいて、ヘモグロビンと酸素が結合することで、酸素を運ぶことができます。

血液血球検査では赤血球の数ヘモグロビンの濃度、血液中の赤血球の割合を表すヘマトクリット値などを調べます。

貧血時はこれらの数値が低値を示します。
貧血には、出血、腎臓病、自己免疫疾患などさまざまな原因があります。
脱水時は血液が濃縮するため、赤血球数、ヘマトクリット値が高値を示します。


白血球

白血球の主な働きは、病原体や異物からの防御です。
白血球には、好中球、リンパ球、好酸球、単球、好塩基球の5種があり、それぞれ異なった特徴をもちます。

好中球は、病原体や異物を攻撃し、食べる働きがあります。
リンパ球は、免疫反応において重要な働きを担います。

好中球は急性炎症、リンパ球は慢性炎症で高値を示します。
ウイルス感染時に好中球・リンパ球ともに低値を示すことがあります。

好酸球はアレルギー反応寄生虫感染時に働きます。
単球は好中球と同様に病原体や異物を食べる働きがあります。

好酸球はアレルギー反応や寄生虫感染時に高値を示します。

血小板は血液を固める働きがあります。

慢性出血、播種性血管内凝固(DIC)では、血小板が消費されてしまい、低値を示します。
自己免疫疾患である免疫介在性血小板減少症では、血小板が破壊されてしまい、低値を示します。

次回は血液生化学検査について説明します。

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