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書籍:ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか(ベンジャミン・カーター・ヘット (著), 寺西 のぶ子 (翻訳))

ドイツが第二次世界大戦を起こすまでの1930~1940年代の世界情勢についての本。

 わずか数年前、世界の各地で民主主義革命が起きた。それまでの権威主義体制が倒れ、希望に満ちた民主主義がとって代わった。中欧と東欧で生まれた民主主義の波は遠く東アジアにまでおよんだが、高まった波も、もはや頂点を過ぎ、減退のさなかにある。
 そして、新たな流れがまたしても中欧と東欧で生まれ、またもや世界中に影響をおよぼしている。深刻な経済危機が世界経済を根底から揺るがし、長らく民主主義の中心であった西欧とアメリカ合衆国にも、憂慮すべき予兆が現れた。独裁主義国が民主主義国を敵視し、誹謗するなか、欧米でも多くの国民が、勇ましく自信に満ちた新しい独裁主義体制に心をひかれているかにいえる。民主主義国のリーダーたちは、このような脅威に立ち向かう手立てを考えつつ、同時に自国民にも目を配らねばならない。一方で、独裁主義国の内側にも、自分たちは危なっかしい指導者によってどこへ連れて行かれるのかと懸念する者もいれば、荒っぽい発作的な攻撃を押しとどめようと手を尽くす者もいる。
 このように記すと、まるで現在の世界情勢を描写しているみたいだが、実は、これは一九三〇年代の世界の描写だ。

「ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか」p.10

このプロローグに胸を衝かれたような思いがした。ロシアによるウクライナ侵攻は起こってしまったけれど、今以上に状況を悪化させないために、そして更なる侵略行為が起きないために何ができるか、歴史を勉強する必要がありますねぇ。

順番が前後してしまうけれど、前編のこちらも読まないと。


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