見出し画像

インタビューは「創作」だった! ー読まれる記事は紙の上で「対話」するー

自立&起業に向けてチャレンジ中のさわです。
「書くことを仕事にしたい」思いから、「書く」+αのスキルが身につくスクールMarble(マーブル)に参加しています。

全3回にわたるインタビューライティング講座が終了しました。講師は『書く習慣』が3万部を超えAmazonベストセラーになった、いしかわゆき(ゆぴ)さん。

最終回の【執筆編】について、これまで「構成」、「タイトル&リード文」と2つのテーマに分けてアウトプットしています。


今回はいよいよ最終回。「本文の書き方」がテーマです。

さっそくいしかわゆきさん直伝「おもしろく、読みやすく、楽しめる」記事にするコツを見ていきましょう!


原稿の上で生き生きとした「対話」を繰り広げよう

紙の上で「対話」している?

「よいインタビュー記事」とはどのようなものでしょうか。
ゆぴさんは、こんなふうに表現しました。


 耳で聞いているかのような原稿

分かりやすいようにインタビューの原稿例でみていきます。
「フリーランスになりたての元会社員へインタビューした記事」ですが、
【例1】と【例2】ではどちらのほうが、より自然な「対話」だと感じますか?

【例1】
取材者:なぜフリーランスになろうと思ったのですか?
取材対象者:場所や時間の制約をうけない働き方をしたかったからです
取材者:フリーランスになる方法はどのように調べましたか?
取材対象者:すでに会社を辞めてフリーランスになった元同僚に聞いたり、片っぱしから本を読んだりしました
取材者:フリーランスになった感想を教えてください

【例2】
取材者:なぜフリーランスになろうと思ったのですか?
取材対象者:場所や時間の制約をうけない働き方をしたかったからです
取材者:なるほど。通勤時間も毎日のことだともったいなく感じますよね。フリーランスになる方法はどのように調べましたか?
取材対象者:先に会社を辞めてフリーランスになった元同僚に聞いたり、片っぱしから本を読んだりしました
取材者:身近に成功例があったのですね!書籍も読みしっかり準備したからこそ実現されたのだと思います。フリーランスになった感想を教えてください

対話例の大きな違いはこの2つです。

☑相手の発言をしっかり受け止めているか
☑相槌をはさんでいるか

これがあるかないかで大きな差が出ることが分かると思います。

では、どうすれば自然な「対話」を原稿の上で展開できるでしょうか?おすすめの方法は「音読」です。

実際、ゆぴさんも執筆する時は「ぶつぶつ」対話をつぶやきながら進めているそう。音読には誤字脱字に気づきやすくなるメリットもあるのだとか。

1.相手の発言を受け止める
2.相槌をはさむ
3.音読しながら書き進める

この3点で「生き生きとした対話」の描写がずっと自然にできるはずです。インタビュー記事を執筆するときには是非実践してみてください!

ムダに長くない?

取材すると、現場で得たすべての情報が大事に思えてきませんか?
「削るところなんてない!」と考えやすいと思います。


取材原稿は長くなりやすい

このことを意識して、どんどん削っていきましょう。特に、初心者ほど取材削れないといいます。

「長い記事=良い記事」との誤った思い込みも、ムダに長くなる理由のひとつかもしれません。目安となる文字数を把握しておきましょう。

【本文】 3,000~5,000字
【タイトル】 Max45文字(検索結果に表示されるのは29文字)
※メディアによる

それでもなかなか削れない…という場合は、記事の目的に立ち返ります。


本当に伝えたいことは何だったのか?


削るか残すか迷いを感じたら、いつでもここに戻ります。本当に伝えたい大切なことを際立たせるためには、余分な部分を削るしかありません。「読者に確実に思いを届ける内容」にしたいですね。

『インタビュー』をそのまま書いていない?

書き起こしをチェックすると、「回りくどい発言」「分かりづらい表現」はありませんか?

「取材対象者」と「読者」では、普段使う言葉やテーマに対する知識が違います。そのため記事を書く人間は、読者目線でわかりやすい内容に手を加えて「創作」する必要があります。

具体的なチェックポイントはこちら↓

☑書き起こしをそのまま使わず、読みやすく加工している?
 →難しい言葉はやさしい言葉に
 →「~みたいな」「~とかですね」「~なんか…」など、しゃべり口調は  
  読みやすい言葉に変換
強調したほうが分かりやすい部分はしっかり強調できている?
前後のつながりから必要な場合は「あえて言い切る」ことができている?
☑不足情報は書籍から抜粋or追加取材で補っている?

なんとなく対話が成立していれば良いものではなく、やみくもに「その人らしさ」を出すために会話をそのまま使えばいいものでもありません。そのため、「書き起こしはそのまま引用しない」ようにしましょう。

読者目線で分かりやすい内容にする


これを最優先に、「創作」することが必要です!

「読みやすく」している?

文章に違和感があると読みづらく、つっかえ、先を読み進めてもらえません。読者が離脱しないよう「読みやすく」する工夫や気づかいが必要。

たとえば、記事の内容を読みやすくする工夫として、こんなものがあります。

固有名詞は説明する
→読者の「分からない」を先回り
●同じ言葉を連続しない
→違和感をつぶす。文節ごとに連続する接続詞や文末表現の重複はないか?
●知らない言葉・難しい表現は使わない
→むしろやさしい言葉に変えてたくさんの読者に届ける気持ちをもって!

違和感に気付く方法として、ここでも「音読」はおすすめです。声に出して違和感に気づくこと。不要なものを適切にとりのぞき、必要なことは補足する。

また、わずかな工夫で記事の「視覚的な読みやすさ」を高めることもできます。

●原稿に写真を入れる場合は、その箇所に「(写真)」と置く                   
→写真などイメージを入れたほうが書きやすい
●ファーストビューに写真1枚、1スクロールごとに写真1枚入れる
●1スクロールに1カ所、強調したい言葉を「太文字」に
●リンクを貼ってあげる& 関連する画像をHPからもってきて貼る     
●3行程度で改行
→スマホとPC両方でチェックして読みやすい改行を
●パンチラインはあえての余白で目立たせる
→重要な部分を分かりやすく
※Webメディアの「型」があれば、それに倣うこと

「音読」「ちょっとした加工」で読者を記事の終わりまで送り届ける可能性が出てきます。そのことを忘れないようにしましょう。

最後まで「創作者マインド」で

「読みやすく」するためのポイントをみてきましたが、あまりに「整文」しすぎると逆に伝わらない文章になる可能性もあります。読者目線を持ってバランスを考え、調整したいところ。

「その人らしさを残しながら創作する」と、より伝わりやすい記事になるといいます。「らしさ」は相槌の打ち方や最後のまとめ文で表現できるもの。 
インタビュー記事においてライターはあくまで黒子的存在ですが、そんなわずかなチャンスを生かして自分を出しつつ、伝わりやすい内容にしたいですね。

あらためて、ライターは「創作者」です。

インタビュー記事の流れるような対話は書き起こしから生まれるのではなく、「創り出す」もの。

このことを頭の片隅におきながら、「おもしろく、読みやすく、楽しめる」記事を目指して読者に伝えたいことをしっかり届けられる「創作者」になりましょう!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?