三条市CMO澤 初年度総括 2021-2022
こんにちは!三条市CMO(チーフマーケティングオフィサー)の澤です。昨年10月1日から三条市(新潟県)のCMOに就任し、ちょうど1年が経ちました。2021年10月に移住し、主にふるさと納税の仕事に従事、三条市のふるさと納税寄付額をアップすること、三条市のブランド価値を全国に広めることをミッションに働いています。
「1年あっという間」というのはよく聞くフレーズですが、私の場合、「あっという間」感はまったくなく、1年がだいぶ長く感じました。「ジャネーの法則」といって、時間の長さは年齢の逆数に比例する、という法則があるそうです。42歳なのですが、今年1年は1/42であって、3歳児の1/3という時間の比率と比べると圧倒的に短く感じるはず、ということらしいです。
なぜ、そんな法則と逆行して時間が長く感じているのかというと、次の3点が挙げられます。
強烈に印象に残る充実した1年であったこと
新しいことにチャレンジしたこと
活動量が多かったこと
人生の転機になるであろう1年で、強烈に印象に残る1年となることは間違いないです。また、三条で暮らすこと、市役所で働くことは、当たり前ですが、初めての経験でしたし、負荷もそれなりにあるチャレンジでした。活動量も目一杯振り切って多くの時間を活動に費やしたことも時間感覚に影響しているのかもしれません。
さて、ここからはこの1年を総括すべく、活動報告、成果報告をさせていただきます!ちなみに単なるふるさと納税担当と思われがちなのですが、CMOという名前を拝命しており、実は結構幅広い仕事を始めていますので、ふるさと納税だけではなく、さらにチャレンジしていることもお伝えできればと思います!
ふるさと納税成果報告
寄付額増加
今年春に発表しているように令和3年度の三条市ふるさと納税寄付受入額は15.2億円(昨対比約2倍)でした。期間は令和3年4月から令和4年の3月末までの集計となりますので、私が関わった期間は後半の半年になります。
例年12月をピークとして寄付額が伸びていくので、12月が突出して伸びていったこと自体は私の成果ではないものの、某ポータルサイトへのアクセス数は10月が前年比120%だったものが、11月・12月は前年比150%前後に上昇するなど、10月から仕込んだ施策が結果に結びついているのは間違いないと自負しています。
今年度も現時点で半年が経過しましたが、現在のところ寄付受入額は11.5億円を突破し、昨年同時期に比べ、3.9倍のペースで推移しています。チームでコツコツと地道に返礼品数を増やし、商品ページを構築してきた努力が成果につながっています。
ただし、三条の返礼品は大量生産できるものはほとんどなく、どうしても欠品してしまうので、寄付が集中する12月も4倍を出せるかというと、おそらく難しいと考えています。年間トータルでいくと、目標値の25億円は達成できそうな勢いで、昨年の2倍の30億円を目指せるのではないかな、というところです。
理念の浸透
ふるさと納税は最近では金額のみに焦点が当てられ、どの自治体がいくら稼いだ、とか、どの返礼品がお得か、という点が注目される傾向が大きくなっています。この制度に批判が多いのは、ふるさと納税の本来の趣旨から外れて、金稼ぎのみに焦点が当てられてしまっているからではないでしょうか。
応援いただいた方々の気持ちを乗せて、しっかり使い、未来まで豊かに暮らすことができるまちを実現することこそが目的ではないかと思っており、市内の事業者にも、ふるさと納税チームにも、ことあるごとに三条市ふるさと納税のミッション、ビジョンなど大切にしたい理念についてお伝えしてきました。
「三条市のためになるならがんばるよ!」と事業者の皆さんからおっしゃっていただけるのは、ふるさと納税が単なる金儲けではない、ということをご理解いただき、地域にいかに貢献するのかを考えていただけているということなのだと思います。
理念を大切にする取り組みが認められ、ふるさとチョイスの「チョイス自治体職員賞」にもおかげさまでノミネートされました。
別の記事で三条市ふるさと納税の理念を書いていますので、ぜひご覧ください。
市役所主導の運用構築
寄付額もさることながら、個人的にはふるさと納税の運用を市役所主導に切り替えたことの功績が大きかったのではないかと思っています。ふるさと納税の理念の一つとして、「自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。」と総務省がうたっています。職員が中心になって、運用を主導すべきだと考え、今年の4月からは職員が最前線に立って、事業者の皆様と二人三脚でふるさと納税のお取り組みをさせていただいています。
市内の返礼品を提供していただいている事業者、システム会社、運送会社など、パートナーにご協力いただきながら構築できた運用フローは、今後の三条市にとって大きな財産になると思います。立ち上げは得意分野なのですが、さすがに準備期間が短すぎて、今回が人生最速、最大級にヘビーな立ち上げプロジェクトとなりました。ご協力いただきました皆様に改めて感謝申し上げます。
チームビルディング
市役所主導にするにも人が必要です。当初私も含め、チームは3名(兼任)で回していました。それを正職員を5名(兼任)に増やし、現在は運営しています。人数だけではなく、仕事を進めるうえでの考え方やスキル、ITの活用方法など、私の経験を大きく移植できたのではないかと思います。一緒に働いている職員の皆さんは大変だろうな、と思いながらも、これが三条市のためになると信じて、時には厳しいことも言ったかもしれません。ここまで一生懸命に三条市のために働いてきてくれた職員にも「ありがとう」を言いたいです。
かなりのスピード感を持ってやってきたものの、ふるさと納税には関してはまだまだやれることは目の前に無尽蔵に広がっており、ここからも皆さんと一緒にコツコツと積み上げていきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします!
その他の活動報告
三条市未来経済創造タスクフォース
三条市では、産学官による「三条市未来経済協創タスクフォース」を組織し、ものづくりのまち三条の持続的発展に向けたビジョン、戦略、戦術の策定に取り組んでいます。私も市役所側の事務局メンバーの一人として活動しており、委員の皆様と意見を出し合い、これからも三条市が「ものづくり」で発展していくためにどうしたらいいのか、を議論しています。こちらの協議会でのアウトプットは市の総合計画に盛り込まれ、政策に反映をされていく重要なものとなっています。
職員向けマーケティング研修
10名強の有志の職員に対して、マーケティング研修を行っています。マーケティングというと、プロモーションのこと、金儲けのこと、と限定的に捉えられがちなのですが、それだけではなく、十分に行政でも使えます。広義のマーケティングプロセスを扱っており、ビジョンやミッションからサービスの設計など、超根本的なところからウェブマーケティングなどの詳細までの幅広い分野を計9回×2時間のゼミ方式で進めています。
変化が激しく、未来の予測が難しい時代の中で、その変化をすばやく捉え、柔軟に考えて、ゼロベースからゴールを見据えての段取りができる能力が必要になっています。また、新しいことに思い切ってチャレンジしていくメンタリティを養うと同時に、チャレンジを促進する心理的安全性も組織には必要なのではないかと考えます。
戦略PR
対外的に戦略的なPRを行うため、プロジェクトチームを編成して活動を始めました。取り上げてもらえる話題づくりをして、メディアへその企画を持ってアプローチしていきます。また、メディアの記者やスタッフが取材しやすい環境づくり、コーディネートも積極的に行い、三条市の素晴らしいモノやコトが全国の皆様へ情報として届いていくようにしていきます。メディアの皆さんから三条市は勢いがあるよね、面白そうだよね、ロケに行ったら親切でやりやすかったね、と言っていただけるようなPRチームになりたいです!取材はいつでも大歓迎ですので、記者の皆さん、ADの皆さん、いつでも澤までご連絡くださいませ!
いつまでいるのか?
多くの方から最近よく聞かれる質問です。市民の皆様が受け入れてくれるのであれば、まだまだチャレンジさせていただきたい気持ちです。こちらに来たときのモチベーションは変わっておらず、この魅力あふれる三条市をよりよいまちにしていくこと、日本各地で同様に起こっている課題に取り組んでロールモデルとなっていくことが私のミッションだと思っています。それを前に押し進める環境を与えていただけるのであれば、これからもずっと三条に関わっていきたいです。(契約は1年ごと、少なくとも来年度は市役所職員として雇っていただけそうな雰囲気です!笑)
三条市での2年目も「あっという間」ではなく、刺激の多い充実した1年とすべく、全力で走る所存です!この1年関わっていただいた皆様、本当に本当にありがとうございました!そして、2年目も引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
そして、ちゃっかり宣伝ですが、特設サイトも作っています。ぜひご覧いただき、三条市ふるさと納税を応援していただけると嬉しいです!
(※三条市民の皆様は三条市に寄付しても返礼品はもらえませんよ。)
Twitter@sawa80もやっています。フォローお願いします!
インスタ@masafumi.sawaやってます。三条での暮らしなども投稿していきたいと思います。
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