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夫婦関係改善に必要なマインド「どうせ無理!」という学習性無力感を克服しよう!

こんにちは。
旅するカウンセラー、SAWAです。

今日は夫婦関係改善のために必要なマインドについて書きたいと思います。


学習性無力感とは?

今日のテーマは、「学習性無力感に陥っていないですか?」ということ。

理想の夫婦関係や、パートナーとうまくいっている状態について、全然イメージができない方、もしくはイメージは何となくできるものの、それを実現するのがものすごく困難に思える人は、学習性無力感に陥っている可能性があります。

過去の私もそうでした。

学習性無力感とは、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンさんが提唱した言葉で、長期的に困難な状況に置かれると、その状況から逃れられないと思い込んでしまう、あるいは自主的に抜け出そうとしなくなる、そんな状態を指す言葉です。

自分の行動が期待する結果を伴わない。
そんなことを何度も何度も経験していくうちに、「何をしても無意味」「無駄!」と思いこんでしまい、たとえ成果を得られるような場面でも、自分から行動を起こさない状態を生み出してしまうのです。

有名な実験なのでご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、学習性無力感を証明するこんな実験があります。

2匹の犬をそれぞれ別々の囲いに入れ、電流ショックを与えます。1匹は電気ショックを回避できる仕掛けを用意し、もう1匹は回避できる仕掛けは無くただ耐えるだけしかないという状況にします。
この結果、仕掛けがある方の犬はスイッチを押すことで電流が止まるということを学習し、スイッチを押して不快な状態を回避するようになりましたが、一方で、仕掛けのない囲いに入れられた犬は、不快な状態を回避しようという抵抗をしなくなってしまいました。
さらに、この2匹の犬を、低いしきりで仕切られた箱の中に入れ、仕切りを飛び越えれば、電流から逃れられる状態にしたところ、1匹目の電流を回避できた犬はしきりを飛び越えたのに対して、2匹目の電流を回避できなかったの犬は何の行動も起こさず、またじっと耐えていたという結果になりました。

これは犬の実験ですが、人も同じ。
私達は避けられないストレスに長期間さらされ続けることで、それが当たり前の状態だと思い込んでしまい、それに抵抗することすら無くなってしまうということです。

例えば就職活動で、なかなか選考に通らずに「どうせ私を採用してくれる会社はないのだ」と思ってしまう。

あるいは、ダイエットで失敗続き。「どうせ私はいくら頑張っても痩せられないから」と思う。

私は夫婦関係をこじらせている間に、こうした「どうせ無理だろう」という心理は、夫婦関係についても、全く同じことが起こりえるのではないのか?と思うようになりました。

夫婦の問題における「どうせ無理だろう」という思い込み

私はこれまで、

  • ルールを決める

  • 家事の見える化

  • 家事・育児の見直し

  • カウンセリングを受ける

  • アンガーマネジメント

  • 夫婦会議

  • コーチングetc…

等、ありとあらゆる方法を試し、お金とエネルギーを使い、夫との関係改善に向き合ってきました。

でも、結果はいつも同じ。
最後にはいつも、罵り合いの大喧嘩になり、「やっぱりこの人とはやっていけない」とお互いに決意を固くしてしまう、という結果に終わっていました。

そんなことを繰り返しているうちに、「何とか関係を改善したい」という気持ちから、「どうせ関係は変えられない」という諦めモードが普通になってしまっていたのです。

そんな状態になっていると、うまくいかない方が当たり前なので、「ほらやっぱりね」と最後はうまくいかない私たちを確認しては、実は気が付かないけれど心のどこかでホッとしているなんて言う状況になりかねません。

なので、まずは、「学習性無力感に陥っているんだ…!」と気が付くことがすごく大切です。

学習性無力感を克服するために

では、夫婦関係において、「学習性無力感」に陥ってしまった場合、どのように克服すればよいのでしょうか?

これについては、ポイントを3つお伝えします。

1.小さな成功体験を積む(スモールステップ)
2.成功した人に話を聞く(モデリング)
3.じっくりと取り組むために、誰かに話を聞いてもらう(伴走者)

1.小さな成功体験を積む

「どうせ何をやっても二人の関係は変えられない」と諦めモードになっている状態で、いきなり高い目標や理想の状態に向かおうとしても、それはハードルが高すぎと言うことになります。

そもそも理想の状態も思い浮かばないかもしれません。

なので、絶対にできる小さなことから一歩ずつ!が大切です。

例えば私の場合は、夫と「普通の会話」がそもそもできませんでした。
平日、激務の夫と顔を合わせるのは朝の1~2時間だけ。その短い時間ですら、お互いに不機嫌でぶすっとしていましたし、何気ない一言がすぐに喧嘩の火種になる状態でした。

なので、まずは普通に会話できるようになりたいと考え、「しっかり挨拶をする」という本当に簡単なことを最初の目標に掲げました。

そこから、「昨日も遅くまで仕事、大変だったね」とねぎらいの言葉が言えるようになったり、夫から「昨日も迷惑かけてごめんね、ありがとう」という感謝の言葉をもらえるように変化していきました。

2.成功した人に話を聞く

先ほどご紹介した犬の実験の他に、魚を使った実験を例に考えましょう。

お腹が空いているカマスを透明な仕切りのある水槽に入れて、反対側にエサを入れます。
カマスはエサを食べようとして、何度も透明な仕切りにぶつかりトライするのですが、やがて食べられないことを学習する(つまり、あきらめる)ようになります。
その後、透明な仕切りを取り払って、エサのある場所まで行ける状態になってからも、エサを食べようとはしません。(つまり、どうせ無理だと思っているのです)

ただ、この実験のポイントは、ここで別のカマスを水槽に入れると何のためらいもなくエサを食べるので、その様子を観察して、先ほどのカマスもエサをまた食べるようになったことです。

これは「モデリング、観察学習」と言われる行為ですが、この実験から分かることは、私達も、うまくいっている他者をみて、「私にもできるかも!」と思えるようになるということです。

なので、夫婦の関係を立て直したという人の話を聞いたり、色々な方の体験談を読んだりして、その人たちの取り組んできたプロセスやその結果得られた成果や変化について、たくさんたくさんインプットすることは、実はとても大切。それによって、「私もできる!」というイメージを強くすることができますよ。

3.じっくりと取り組むために、誰かに話を聞いてもらう

夫婦の問題って、一朝一夕に解決することはできません。

スモールステップで1歩1歩取り組んでいたとしても、相手の反応は期待した内容ではないかもしれないし、1歩1歩の道のりが果てしなく遠く感じて、ちょっと絶望してしまう…なんてことにもなりかねません。

なので、私は伴走者が必要だと思っています。

じっくり取り組むためには、結果をすぐに期待しないという覚悟が求められます。でも、結果がすぐに出ない中で粘り強く取り組むためには、自分の気持ちを発散したり、整理したり、頑張っている自分を認めて見守ってくれる人の存在が重要になるのです。

これは私のようなカウンセラーはもちろん、コーチやセラピストでも良いと思いますし、信頼できる友人や家族でもいいかもしれません。ただ、できるだけ中立的に話を聞いてくれる人が望ましいと思います。

「夫婦関係を改善できる!」、「二人の関係は変えていける!」と思える自己効力感は、第三者から「あなたにはできる!」と励ましをもらったり、あるいは「私ならできる!」という自分が心から確信できた時の言葉に大きく左右されます。言葉の持つパワーはとても大きいので、頑張るあなたを見守りつつ、前向きな言葉をくれる人とコミュニケーションを取ることが大切です。

まとめ

夫婦関係をこじらせているなら、まずは「自分は学習性無力感に陥っているのだ」と気が付くことが大事!

そのうえで、

1.小さな成功体験を積む(スモールステップ)
2.成功した人に話を聞く(モデリング)
3.じっくりと取り組むために、誰かに話を聞いてもらう(伴走者)

という3つのポイントを意識して、「どうせ無理!」という思い込みを手放して、「きっと夫婦の関係を変えていける」と前向きなイメージに置き換えていきたいですね。



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