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加速する都市化|まだまだ発展するベトナム


温故知新

ハノイには旧市街と呼ばれる、昔ながらの古き良きベトナムを残す地域が存在します。観光のメッカであるホアンキエム湖周辺の半径1〜2㎞程の地域です。この地域では高層ビルなどの景観を損なう建物の建設が禁止されています。

また、一部の政府機関や大企業はこの地域から西側の新市街へ既に引っ越し済みです。ハノイとホーチミンを比較する際のトピックとして、気候の次に挙げられるのは町の大きさです。日本人出張者がホーチミンに来た際は、日本人街レタントン通りに宿を取れば、宿泊・食事・仕事のすべてが1〜2㎞圏内で完結します。しかしハノイは、ビジネスエリアのカウザイ区で仕事をし、日本人街キンマー通りで食事をし、旧市街やタイ湖周辺でナイトライフを楽しむという具合に、それぞれタクシーで20分程度かけながら移動する必要があります。全部同じ所に置けば良いのではと思うのですが、各地区に独特の雰囲気があり、その雰囲気に合わない業態が根付かないのではないかと私は考えています。

ホーチミンの新市街計画

そんな理由から、ハノイは街が大きく、それぞれの地域に趣があり、ホーチミンとは対照的であると言われてきました。そのホーチミンにもいよいよ新市街計画が訪れています。それは都市電鉄の開通と、新市街の完成です。まずは新市街ですが現在の市街地、ホーチミン1区の横にはサイゴン川が流れていて、その対岸はかつてマングローブの森でした。

ホーチミン1区は10年前も20年前も派手なネオンとバイクの渋滞がありましたが、川一つ挟んだマングローブの森には建物一つなかったのです。私もこれが永遠に続くわけがないと思っていましたが、ついに2015年頃からマングローブを開墾して道路やマンションが建設され、新市街の概観が見えてきました。同じタイミングで、周辺区であるビンタン区、2区、4区もマンションの建設ラッシュでしたが、これらの地域は元々人が住んでいるエリアなので、スーパーやレストランが周辺に立ち並んでいます。しかし新市街はマンション1階のカフェとミニスーパーぐらいしかお店はなく、まさに陸の孤島で、こんな所に住んでも不便だなと思っていました。

ところが、まずは1区と新市街を繋ぐ海底トンネルが完成(それ以前は渡し舟が活躍していました)、そして2020年にはついに1区からサイゴン川を渡って新市街へ抜ける橋が開通します。これにより利便性が一気に向上し、1区(いずれ旧市街と呼ばれることでしょう)から新市街へ人や企業が大移動すると考えられます。

三丁目の夕日の世界

新市街へ行くと、その広さに驚きます。ホーチミン市のど真ん中に、新宿御苑から都庁ぐらいまでがすっぽりと収まる広大な土地が手付かずで残っていたのです。2020年の今でも沼で魚を釣っていたり、豚を飼育していたりします。豚が走り回る新市街側から目の前に見える1区旧市街のビル群を眺めると、経済が発展するとはこういう事なのかと体感することができます。まさに映画「三丁目の夕日」のワンシーンです。

多くの日本人がベトナムビジネスに魅了される理由は、若い労働力と経済発展だと思いますが、その象徴が新市街なのです。一方、投資家筋から聞いた話では、昔からこの新市街の投資案件があり、なかなか開発が始まらず、大損害を食らった日本人が大勢いるとのことです。ホーチミン市の長期開発計画がわかれば不動産投資も的確にできるのですが、そのような情報は簡単に得ることができません。しかし、ある所にはあります。

あるベトナム人富豪から聞いたお話を次回お伝えします。


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