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巣ごもり2DK─2020年4月17日~4月19日

2020年4月17日
 眼の見え方がよくない。屋内が長く、焦点距離が近いせいかもしれない。

 番組は見逃したが、『NHK』が2020年4月8日にサイトに掲載した『ディープフェイクの脅威』は興味深い。ディープフェイク自体は2019年6月にFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOの偽動画や女優のキム・カーダシアンのフェイクポルノなどの問題がニュースになったので知っている。この記事では一般人が悪意の標的になる事態も起きているという。

“水道水にコロナ入っている”“中国でトイレ紙の生産が止まり日本で不足”これらは全てうその情報だ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でネット上に、こうしたうそ=フェイクの情報がまん延している。その影響は大きい。そしてこうしたフェイクがいま、日々“進化”している。例えばこちらの動画。
タレントの渡辺直美さんの映像と思いきや、実は一般人の顔を渡辺直美さんの顔に置き換えて作られた偽物、フェイクだ。渡辺さんの顔を、数万点ものパーツに分解、表情ひとつひとつをA I=人工知能が、ディープラーニングすることで作られる「ディープフェイク」という技術が用いられている。単に顔をすげ替えるだけではなく、顔の表情を自然に動かすことが出来るのだ。この動画では渡辺直美さんの口元を変えている。他にもオバマ前大統領など著名人のディープフェイクがネット上で出回っている。映画などで活用するために開発されたこの「ディープフェイク」の技術。悪用されて傷つけられる人々が急増している。

フェイクがリアルになる恐怖
オーストラリアで暮らすノエル・マーティンさん(25)が、ある日ネット上で目にしたのは身に覚えのない自らのポルノ動画だった。
マーティンさんの顔とポルノ女優の顔がすげ替えられていたのだ。
フェイク動画が投稿されたサイトには、マーティンさんの名前や住所などの個人情報までのっていて、まるでマーティンさんが投稿したかのように見せかけられていた。
フェイクに使われた写真を見ながらマーティンさんは「高校卒業後、大学に入学したころの写真です。大学のパーティーに行く前に撮りました」と思い出の写真だったことを話してくれた。
フェイスブックを愛用し、約1,000人の友人とつながっていたマーティンさん。フェイスブックには友人との食事や旅行、家族と撮った数多くの写真があった。日々の何気ない投稿写真が、ディープフェイクに利用されていたことにマーティンさんは大変ショックを受けたという。「ショックでした。何が起こっているのかわからなくて、胃がキリキリ痛み、吐き気もしました。とにかく怖かったんです」。誰の仕業なのか心当たりがないマーティンさんは弁護士や警察に相談。サイトの運営者にも削除を求めたが、ディープフェイクはすでに拡散、打つ手はなかった。事態の改善が図られない中、マーティンさんは意を決してメディアに被害を告白した。

「私はSNSの画像を盗まれ、多くのポルノサイトに投稿されました」
しかし、むしろ事態は悪化、ネットでは、ひぼう中傷が増しただけだった。
ノエル・マーティンさん
「私にはフェイクと分かりますが、雇用主や友達、私を知らない誰かが見たとき、これを私だと思うのではないでしょうか。時間が経つごとに、どんどん映像がリアルになっていくのです」(ノエル・マーティンさん)。

ターゲットは世界中の女性 米大統領選も!
オーストラリアだけでなく、世界で問題となっているディープフェイク。オランダのサイバーセキュリティー会社ディープトレースの調査では、ネット上にあるフェイク動画の数は、約半年間で2倍、1万4,000件以上に増加したとの結果が出ている。そのうち96%の動画が女性をターゲットにしたものだという。
アメリカ ニューヨーク NPO団体「サンクチュアリ・フォー・ファミリーズ」
ディープフェイクに立ち向かう団体を取材した。1984年から女性の暴力被害などに対応してきたアメリカのニューヨークにあるNPO団体「サンクチュアリ・フォー・ファミリーズ」だ。いま一番の課題は、国境を越えてやり取りが行われるディープフェイクのサイトの取り締まりだ。この日、取り締まりの対象として、あるフェイクポルノ専門サイトが話題にあがった。そのサイトにはフェイクポルノ製作依頼の投稿が数多く寄せられていた。
こうした依頼に対し、“作成に応じる”という数多くのコメントも記されていた。こうしたフェイクポルノ専門サイトのターゲットは、世界中の女性だ。
女性を傷つけるディープフェイクのサイト運営管理者は悪びれもせずこう主張する、“サイトはあくまでテクノロジーの進化のためだ。”「人々がディープフェイクの技術を学ぶためにサイトを運営しています。たまたまポルノが人々の興味を誘っただけ。物事には負の側面もあるといことです。ディープフェイクは単なる道具です。それをどう使うかを決めるのは人間です」(フェイクポルノの作成を依頼できるサイト運営管理者)。ディープフェイクの脅威は、ポルノにとどまらない。ことし(2020年)秋に行われる予定のアメリカ大統領選挙にも及んでいる。
この4枚の写真は、すべてAIが作り出した実在しない人物たちだ。SNSにこうした実在しない人物の偽アカウントを作り、トランプ大統領を支持する投稿を拡散させていったのだ。

ディープフェイクへの対応策は?
フェイスブック社はことし、ディープフェイクの一部を削除する方針を打ち出した。ただ、どこまでを表現の自由と捉えるかの判断が難しく、規制は限定的であるべきだとしている。
「人々が自由に表現し意見交換できるようにすると同時に、利用者が見たくない内容から守る必要もあり、このバランスをどうとるのかが難しいのです」(フェイスブック社 プロダクトマネージャー アントニア・ウッドフォードさん)。
世界中の研究者も、対策に追われている。ニューヨーク州立大学、リュー・シーウェイ教授の研究室では、AIを使って動画の真偽を見破る技術を開発した。偽の動画、フェイクが作成さられたときに生じる顔のわずかなゆがみを検知し、ディープフェイクを見つけ出す技術だ。しかし、見破る技術が高まれば、それを利用してディープフェイクを作成する技術も高まる。「いたちごっこの状況が続いている」とシーウェイ教授はいう。
「どんなに高度な検知技術があっても、より精巧なフェイク動画が検知を逃れます。『ネット動画は全て信じない』というような過剰反応をする人もいますが、私たちはそれくらい気をつけないといけません」(リュー・シーウェイ教授)。
実は、いま日本でもディープフェイクのポルノ動画が拡散されている。しかし日本ではディープフェイク自体を規制する法律はなく、作りたい放題の状況だ。世間にあふれる嘘の情報=フェイクにどう対抗していくのか。まずはSNSを使う我々ひとりひとりが意識を高めることともに、各国が連携して規制する対策が望まれている。

 この記事が明らかにしているのは、ディープフェイクの技術がソジニーや機会主義、世論誘導など特定の目的のために悪用されていることだ。こうした思想は倫理性・社会性において問題がある。「科学技術」、すなわち「科学に基づく技術(Science Based Technology)」の「技術」は人間に利用の裁量権が委ねられている。発電に水力を使うか、石炭火力にするか、それとも原子力か、太陽光を利用するかなどの選択は人間に委ねられている。そうした科学技術の発展に犠牲はやむを得ないとする議論は、ナチスの人体実験と同じで、倫理性・社会性において今日では通用しない。

 夕食はパエリア、ソーセージのポトフ、野菜サラダ、久しぶりに赤ワイン(Vena Zoe)、食後は紅茶、干し柿。屋内ウォーキングは10079歩。都内の新規陽性者数は201人。

参照文献
「“ディープフェイク”の脅威」、『NHK』、2020年4月8日更新
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2020/04/0408.html

2020年4月18日
 朝から雨が降っている。次第に激しくなり、昼には、窓が雨粒で覆われる。頭痛がする。水分不足かとお茶を飲むが、左の側頭部の痛みが消えない。最近、やたらと夢を見る。

 新型コロナウイルス感染症にはまだ治療法が確立していない。そんな中、『日本経済新聞』2020年4月18日17時45分更新「血漿療法、月内にも国内で試験 新型コロナ治療」が「血漿療法」の可能性について次のように伝えている。

新型コロナに対する治療法は、既存薬の転用だけではない。コロナから回復した患者の血液を使う「血漿(けっしょう)療法」という治療法もある。国内でも早ければ4月中にも試験的な投与が始まる。
血漿は血液から赤血球や白血球などを取り除いた成分のことで、「アルブミン」や「グロブリン(抗体)」といったたんぱく質が含まれる。このうちグロブリンには様々な性質があり、血漿から分離し精製することで免疫不全の治療や重度の感染症治療に使える医薬品となる。
実はこの仕組みは日本の近代医学の父、北里柴三郎博士が世界で初めて確立した。
今回の新型コロナでは、回復した人の血液の中にはコロナを排除する免疫(抗体)が存在するケースがある。この成分を重症患者に投与すれば体内のウイルスを排除するのに役立つことが期待される。
中国でも重症患者に対する血漿療法で回復した人がいるとする報告が出ており、米食品医薬品局(FDA)も血漿投与を認め、カナダでも大規模な臨床研究が始まった。日本でも国立国際医療研究センターが早ければ4月中にも試験的な治療を試みる方針だ。
回復者の血液を使った血漿製剤で製薬企業も動き始めた。先頭を走るのは血漿分画製剤の世界大手、武田薬品工業だ。
血漿療法には別の感染症にかかるといったリスクもあり、副作用や合併症の危険性もある。聖路加国際病院救急部の一二三亨副医長は「治療法がない感染症にも応用でき、理論的には感染早期に投与すると高い効果が期待できる」と話す。

 新型コロナウイルス感染症をめぐる予防法や治療法に関する報道には疑いを持って触れることが必要だ。世界的に関心が高く、好結果が期待されている。こうした背景により、治験や査読などの標準的過程をショートカットして根拠が十分と言えない成果を政府や企業、研究者が公表する危険性がある。。生命や健康にかかわる領域であるため、それが妥当であるかの審査は専門家が伸長に当たる者であるけれども、政治的・経済的思惑からこのプロセスに干渉が入ることが否定できない。

 この治療法は劇症肝炎や肝不全、血栓性血小板減少性紫斑病、全身性紅斑性エリトマトーデスなどに用いられている。パンデミックにおいては、スペインかぜの時に使われている。その後、SARSやエボラ出血熱の際にも試みられている。ただし、1人から3人までとされ、パンデミックに用いるには大勢の献血希望者が必要である。ただ、ワクチンが開発されるまで、適切な条件の下で治療に利用することは期待できる。

 医薬品開発はイノベーションにおいてリニア・モデルの代表である。基礎研究の延長線上に応用開発が実現する。しかし、日本は、戦後、非リニア・モデルで成功している。基礎研究を重視せず製品開発に着手、成果を挙げる。だが、基礎研究は「習うより慣れろ」では難しい。日本がワクチン開発で先行する可能性は低い。そう思って報道に接する必要がある。

 夕食はおでん、鳥飯、野菜サラダ、三つ葉のコチジャン和え、チリコンカンと居酒屋のような脈絡のないメニュー、食後はコーヒー、最後の干し柿。ウォーキングは12692歩。都内の新規陽性者数は181人。

参照文献
「血漿療法、月内にも国内で試験 新型コロナ治療」、『日本経済新聞』、2020年4月18日17時45分更新
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58237600Y0A410C2EA2000/


2020年4月19日
 毎日、新規・累計陽性者数についての情報がメディアを通じて知るが、これはあくまで検査結果である。新型コロナウイルスは感染しても、無症状・軽症が多い。検査を受けないまま、市中で行動する感染者もいるのではないかという疑いを抱いても、不思議ではない。

 オーストリア政府は、国内の新型コロナウイルスの感染者を推定するため、1500人余りを無作為抽出してPCR検査を実施、およそ0.3%が陽性となり、公表感染者数の2倍以上に上ると見られるとする調査結果を発表している。『NHK』は2020年4月12日 6時45分更新「実際の感染者は公表の2倍以上と推定 オーストリア政府」に置いて次のように伝えている。

オーストリア政府は新型コロナウイルスに感染している人の数を推定するため、今月1日から6日にかけて、無作為に選んだ国内に住む0歳から94歳までの1544人を対象にウイルスの遺伝子の有無を調べるPCR検査を赤十字などと共同で行い、10日、結果を発表しました。
それによりますと、全体のおよそ0.3%が陽性と判定され、分析の結果、この時期に少なくとも1万200人、最大で6万7400人が感染していた可能性があることがわかったということです。
オーストリアの人口はおよそ890万人で、政府は最も可能性が高い数字として、この時期におよそ2万8500人が感染していたと推定しています。
当時医療機関などで確認されていた感染者はおよそ1万2200人だったことから、政府は、実際に感染していた人は公表の2倍以上に上るとみられるとしています。
オーストリアでは今月に入って新たに確認される感染者の数が減少傾向にありますが、ファスマン科学相は「陽性率が1%以下だということは免疫のある国民はまだ少なく、これから感染が再び拡大するおそれがある。こうした調査はヨーロッパ大陸では初めてで、今後のモデルになるだろう」と述べています。

 実際の公表数の2倍が過去に感染経験があるという推定は決して意外ではない。むしろ、少ないくらいだ。ただ、感染症の集団免疫は構成員の6~7割とされている。今回のオーストリア政府の発表では、人口の0.3%に感染経験の可能性があるだけで、その形成には程遠い。集団免疫によるパンデミックの終息の期待は抱かない方が賢明だ。

 夕食は、エビチリ、ポテトと卵のヨーグルトサラダ、野菜サラダ、ニンジンと豆腐の中華スープ、食後は玄米茶。屋内ウォーキングは10137歩。都内の新規陽性者数は107人。

参照文献
「実際の感染者は公表の2倍以上と推定 オーストリア政府」、『NHK』、2020年4月12日 6時45分更新
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200412/k10012382571000.html


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