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音楽で死なせない

2022.02.20 滋賀B-FLATにて。
climbgrow VS WOMCADOLE

WOMCADOLE

「人間なんです」
冗談だろ?はこっちのセリフ フロアから突き上がる拳全員が何かを確信した瞬間だったと思う。
WOMCADOLEが登場してからずっと視界がぼやけていた、酔いと涙で。

「絶望を撃て」
It's show time.樋口さんの口から放たれるこの言葉を聞くと「撃たれるな」と気付く。ベースの黒野さんのゴイゴイベースに心と体揺らすフロア。ライブハウスが戻りつつあると感じた。

「ヒカリナキセカイ」
「俺たちが光だ」ほんとその通りだった。光を探してた、ずっとずっと。そばにあったのに、分かってたのに探してた。なくしてなかった。WOMCADOLEのライブを見て気付かされたよ。暗いライブハウス、ステージは照明で照らされる、そんな物理的なものじゃなくて人が、音楽が光として誰かの目と心に届いてたのが身に染みた。ユウスケさんが笑みを浮かべながらギターを弾く姿に込み上げるものがあった。

『こんな世界だけどclimbgrowと俺らがこの時代に生きてること、ライブをしてることだけで十分だろ。滋賀にはこんなにかっけえロックバンドがいるんだぜ。それだけで十分だ。』

滋賀を背負う2バンド、ホームのB-FLATでこのツーマンを見れたことが宝物だ。ほんとにWOMCADOLEとclimbgrowは「バンド」と書くんじゃなくて毎回「ロックバンド」と書きたいし言いたい。いつだって人と人、一対一、ライブは戦だ、彼らに生ぬるいものなんて通じない、最高のロックを掻き鳴らしてくれてありがとうの気持ちが溢れた。

「R-18」
見てはいけないものを見てた気がする。樋口さんが満たされる姿。マイクを自由自在に操りフロアの心も操る樋口さん。どんな行為よりもやっぱり音楽なんだよな。

「THIS IS」
climbgrowの「THIS IS」のカバーを披露、沸き散らかすフロアと自分のモノのように曲をフルで歌い上げた。しかもアレンジありで、興奮しすぎて理性が飛んだ。対バンって愛だな。

「NANA」
ライブハウスがクラブみたいになる曲。踊り狂えと言われてなくても飛び跳ねるフロア、底抜けるわ。「踊れ」と言われなくても勝手に体が動く、求めてた音楽には勝手に踊らされる。きっとフロアのお客さんもそうだった。表情は見えずらくとも伝わってるはず。笑顔が溢れた空間。

「黒い街」
イントロで膝から崩れ落ちそうになった。「この黒い街で」なんだか力強く歌ってるように聴こえた。この街で生まれた曲、この街で泣いたこと、笑ったこと、辛い思いをしたこと、戦をしてきたこと感情も思い出も全部が歌として吐き出されていく。いつだってこの「黒い街」から彼らは音楽を届けてくれてた。大切な場所でこの曲を聴けたことが何より嬉しかった。

「アオキハルヘ」
私の青い春をいつだって思い出させてくれる曲。泣いたあの日が蘇る。鮮明に、悲しい記憶なんかじゃない、いつだって暗闇から救い出してくれたのがWOMCADOLEだった。この日もそうだった。そしていつだってその瞬間を「アオキハルヘ」と呼べる、そう言いたい。目の前に広がる景色は暗くなんかなかった、青く輝いてた。

『夢を誰かに笑われたって、夢を見つけられたことが大きなことなんだ。』
『自分の存在を認めてあげて』
樋口さんがくれた言葉。たくさんの想いを今を、言葉にしてくれた。沢山救ってくれた。記憶の片隅にすら残ってない言葉も沢山あるのが悔しい、記憶が飛ぶほどに心から救われてた。

10分押し、17分巻きのライブ
『VSだからな、気合い入れすぎて急ぎすぎたわ』
みたいなことを言っていた。時間が余ってるから始まったセッションからの「頂戴」
ユウスケさんの弾くギターが堪らなく良い。あのセッションのBARみたいな雰囲気が好きなんだよな。あと安田さんのドラム調整が大変そうだなといつも思う、いつ終わるんだこれみたいな。顔色伺いながらアイコンタクトと音で通じあってるの凄いんだよな、、

「アルク」
樋口さんが歌い出した瞬間深く息を呑んだ。「僕らは、生きているんだ」息をしている、でも生きた心地がしないなんて日がある。この曲をライブハウスで聴くことで改めて生きた心地がした。苦しい気持ちを完全に晴らすなんてことをしようとは思ってないと思う、強要がない、優しいロックにいつも救われてる。この曲のドラムが最高にかっこいい件について、誰かと語り明かしたい。苦しみも絶望も全部もってこいと言ってくれたことがあった。全てを吹き飛ばしてくれるこの曲に、WOMCADOLEに心底救われてる。まだまだ生きたいと思えたよ。

climbgrow

「雪降ってるな〜」みたいなこと言ってたかな
「RAIN」
さっきまで心も体もWOMCADOLEで埋め尽くされてたのに泰誠さんの声で一気にclimbgrowに埋め尽くされた。目に見える傷も目に見えない傷も同じ傷にかわりない、風、強いけど鬱陶しくない風が心を通ってく。たった1曲、3分程のこの曲で周りから「暑い」と聞こえた。外は寒くてもライブハウスは燃えてたなあ、climbgrowの力だ。

「BANG BANG BANG」
2曲連続ピンボーカル曲。この曲でまたフロアが暑く、熱くなる。腕ちぎれるんじゃねえかってくらいに拳を上げて心と体揺らして楽しんでた自分になんだか嬉しくなった。これがライブハウスだ、音楽だって、満たされすぎてるんだ。

「DOOR」
個人的に好きな曲。こんな世界から「逃げろ」じゃない必要なものを「見つけて」そして「走れ」前を見て進むきっかけをくれた曲だった。和嗣さんのギターかっこよすぎて見入ってた。チェンさんのコーラスも好きすぎる。

「THIS IS」
「本物見せてやるよ」(?)いやあ、、本家様々でした、、音楽でこんなに踊れるの?ってclimbgrowに教わった。クライムファンのクライムに対する愛ってのは言葉だけじゃなくて目で見てわかる。ライブハウスで拳をあげたり体揺らして楽しんでたり、音を楽しむ天才集団だと思う。climbgrowを初めて見る友達にはいつも「クライムファンの人達クライムめちゃくちゃ好きやからライブ中とか熱量凄いし曲わからんくても楽しめるよ、雰囲気めちゃくちゃ良いから」って伝えてる。

「LILY」
タイトルコールされてぶち上がるフロア。なんだかニヤけるな。climbgrow VS climbgrowファンみたいなあのフロアが最高に好き。ドラムに合わせて腕を鳴らすのが楽しい。でも次の日筋肉痛になる体に歳を感じる。

「アオキハルヘ」
愛と尊敬を込めてclimbgrowからWOMCADOLEへ、ファンへプレゼントしてくれたカバー曲。なんやこの愛に溢れた対バンは!!と泣きそうになった。WOMCADOLEの代打で務めたライブでもカバーしてたのを知って聴きたすぎた。。と思ってたらまさか聴けるとは、、WOMCADOLEの「アオキハルヘ」は真っ青だけどclimbgrowの「アオキハルヘ」はなんだか赤黒いんだよな。

お互いの曲をカバーするって愛に溢れすぎてる。何回言うんだよ。何回でも言うよ。愛だな。泰誠さん結構歌詞間違えたけど(小声)愛だな!

『VS出来て良かった。俺らが濃厚接触者になってライブが出来なくなったりもしたけど今日ライブ出来て良かった。WOMCADOLE出てくれて本当にありがとうございます。ウォンカは忘れてたことを思い出させてくれるようなバンドです。樋口さんおかえりなさい。音楽だけは尊敬出来る人です。ほんとに。この前京都に飲みに行こうやって誘われていったら全部払わされたんすよ、後輩やで?なんで?ほんまありえへんと思います。そりゃあ殴られるわ思うわ。ほんまか知らんけど、でもほんまに音楽だけは尊敬出来る。音楽以外はもうそこら辺に落ちてるゴミクズですわ。ファンやめた方がいいですよ?』と泰誠さんが言ってて笑ってしまったわ、、愛のこもったMCだったな。

「KLAXON」
タイトルコールから始まった。友達でこの曲を好きな子がいる。その子の顔が浮かんだ。同じ空間にいたことも嬉しかったなあ。イントロのギターがかっこよすぎて堪らん。歌詞が飛んでお客さんが教えてくれるというあの状況も面白かった。ライブハウスの距離感だからこそ、だね。こんな状況だけど熱くてあたたかい空間だった。

「マリオネット」新曲
曲名はTwitterでフォロワーさんがツイートしてたの見て知った。鳥肌立つほどのかっこよさ。音、音がやばい。歌詞はあまり覚えてないけどヒシヒシ、ジリジリというよりかは一気にブワッと来るような演奏に痺れまくり。
「KLAXON」で歌詞を教えてもらった『お詫びに新曲』と披露されたのさすがにファンのこと分かりすぎてる。

「Rock'nRoll Is Not Dead」
『ロックンロールが死んだなんて言う奴はほっとけ』みたいなこと話してから始まったのが最高に痺れた、、音楽には様々な形があるけど私はやっぱり、私には、ロックンロールが必要だと改めて感じた。

「未来は俺らの手の中」
いつもこの曲でもらう言葉が胸いっぱいになる。「笑えればいい それだけでいい」と優しく強く心に残るように言葉を歌を送ってくれる。涙なしじゃ無理だなあ。この曲に救われすぎてる。名曲、ずっとずっと残して欲しい音楽。伝われ、届くべき人に届け。

「POODLE」
周りから鼻をすする音、私も涙なしでは聴けなかった。愛犬を想った曲が、こんなにも広がって、繋がっていくなんて。音楽には可能性が満ち溢れてる。でもそれをモノにするのは難しい、モノにしてるclimbgrowはかっこいい。

『今日はこの曲をやらないわけにはいかない。この前俺らの曲聴いてくれてた方(ライブ見に来てくれてた方だったかな)の旦那さんからメールが届いた。亡くなったらしい。俺らの曲が支えになってくれてたなら嬉しかった。でも俺たちの曲聴いてくれてる人が死ぬなて嫌や。音楽で救えたんじゃないかと思うことがある。人の心に土足で踏み入れるような音楽をしたい。死にたい夜があると思う、そんな人に俺らの音楽を届けたい。』

こんなの泣くしかない、胸がギュッとなった。こんな夜があるから頑張ろうと思える。私が救われた音楽を私みたいな人に届けたいと心底思った。

「SEPTEMBER」
さっきまで泣いてたのが嘘みたい、しっかり飛び跳ねて拳突き上げてた自分の情緒が怖くなる。「もう終わりだぜ」でしっかり締めて帰るのかっけえな、、まだ終わるなよーーってなるけど。

アンコール
「mold Hi」
登場してマイクを握り「いつもアンコールって何話したらいいか分からんくなるんよな、今話してるのは杉野泰誠で、演奏始まったらclimbgrowになります。あんだけ拍手されたら出ていかざるを得んしさ、出てくるけどいつもほんま何話したらいいか分からん。んでなにやってほしい?」
フロアから「mold Hi」の声があがる。「mold Hiなー歌詞忘れてんで、俺。1回合わせてみるか」と4人で音合わせが始まるが首を傾げる泰誠さん。なんとかその後曲が始まった。沸くフロア。沸点は100度だけどclimbgrowのフロアの沸点って何度?40くらいでも沸けるよ。

「極彩色の夜へ」
「最高の夜にしようぜ」だったかな。曖昧だけど最高の夜って聞いた瞬間にこの曲だ!と確信。climbgrowに出会った曲。大切で堪らない曲を聴けたことが嬉しかった。変わりゆく世界へ、変わりゆく自分と変われない自分へ。十分すぎるロックンロールが鳴ってたよ。その場にいたんだよ。胸が熱くなった。最高の夜だった。

WOMCADOLE好きな友達がライブ後号泣してた。ライブ中も肩を震わせて泣いてた。家に着いてからライブ余韻に浸ってた時「音楽にこんなに救われるなんて思ってなかった。WOMCADOLEが生きてる限り私も生きる。本当に来れてよかった。チケット取ってくれてありがとう。」って何回も言ってくれた。嬉しかった。音楽に救われてる人が心底大好きだ、その瞬間を目撃できたこと嬉しく思う。「climbgrowは初めて見たけど姿はあまり見えなかったけどめちゃくちゃ曲カッコよかったし自然と楽しめたわ」と言ってくれて嬉しかった。胸いっぱいだった。

私情ですが先日愛してやまないバンドが解散した。解散ライブに行った。楽しかったけど苦しさが勝ってしまった。寂しくて仕方がなかった。思い出すだけで涙が出てしまう毎日だった。たった3日しか経ってないのに私はライブハウスに行くのか、正直楽しめるか不安だった。でも私が心底信じてきたロックバンドは凄かったよ。救われた。私には音楽がないとダメだと確信した。信じてきて良かった。この日の思い出、涙、少ない記憶、全部全部墓場まで持ってくよ。climbgrow、WOMCADOLE、スタッフさん、そしてお客さんありがとうございました。あの空間に救われてた。

今は書きなぐることしかできないや。でもこれで出会ってくれる人がいるならこの上ない幸せ。出会って、届いて、救われて。



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