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入院

昼間に寝るぼくを照らすのは太陽でも月でもない、かすんだ蛍光灯。

早朝に目覚めて朝焼けを毎日のように見た。
心が洗い流されて、のこったものはちっぽけな寂しさだった。

小窓から人が流れるのを見るだけで救われる気分になった。

どこまでも独りぼっちのぼくは時計がカチカチと音を鳴らす度に、いち、に、さん、し、ご、いち、に、さん、し、ご、と数を数えて、救いのような眠気が来ると痺れるほど眠った。

悪夢で飛び起きて過呼吸になる日々が続いた。
脈拍が170を超えて昼も夜も眠れない日々もあった。
薬の副作用でトイレまで行くのにも何度も倒れたことがあった。
死はいつもぼくの周りをつきまとった。

天井は見つめても見つめてもぼくになにも答えを返してくれなかった。

こんな思いは本当は公開したくなかった。
どれほど辛く苦しいことか、きっと私の言葉じゃ伝わらないし、文字を書けば書くほど嘘のように聞こえてくるからだ。

それでも無理やり吐くように書き綴った。

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