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家族に苛立つ大晦日|食費月15万円の自炊日記~贅沢せず、かといって節約もせず~#13

2022年12月31日(土)。
夫が同じ家にいることにストレスを感じている。
私が洗濯や料理をしているのに、ゲームをしている姿を見ると「早く仕事行ってよ」と思う。
なのにFacebookで手料理自慢している男性の投稿を見ると「奥さん、すごい気を使ってるんだろうな」と邪推してしまうのは私の嫉みだろうか。

黒豆を煮る

「今年はお節どうするの?」は、いったい何を測るための質問なのか。
正月というイベントに欠ける情熱、手の込んだ料理を手作りする家庭的な一面、デパートに一括発注する合理性…。
多分相手の内面や価値観を探る質問ではなく、季節の挨拶なんだろう。

以前は母のつくるお節料理をお裾分けしてもらっていた。現在、母は料理をしなくなったので、時々私が母の好きなものを差し入れしている。たいていはおいしいと言ってくれるが、そうでないときもある。
ある日は、焼き鮭が食べたいというので持っていったら、「何これ? 砂糖入れた? 私、焼き魚は塩だけで食べたいんだけどぉ」と返された。
むっかぁーーー。
「塩鮭買ってきて焼いただけ!」
イラっとすることも多いが、私が母にしてきた非情の数々を考えたら、こんなことに反応してはいけないと反省する。

夫は宣言通り伊勢丹に行った。まるで戦地に赴くかのように、「伊勢丹行くからあれはできない、これできない」と言い訳された。誰も大晦日に買い物行ってきてほしいなんて頼んでないし。

私も一応それらしいことはやるようにしている。
昨日は黒豆を炊いた。知人に話すと「固いんでしょ?何時間煮込むの?大変じゃない?」と言われるが、みんな黒豆を金属だと思っているのだろうか。
一晩水にふやかしておけば、誰でもつくれると思う。ただ煮るだけだし。栗きんとんより、紅白なますより、簡単だと思うんだけどなあ。それに手作りの黒豆おいしいし。

ぼんやりしていて微妙に違う黒豆を買ってしまった。同じ小田垣商店だし問題ないだろう。重曹はないので、代わりに炭酸水を使う。釘はいれない。なんか怖いし。
一晩水につけた黒豆。めっちゃ増えてる。
ひたすら煮る。灰汁がすごい。
灰汁すごい。メレンゲみたい。
黒豆600g、砂糖だいたい600g。所用時間90分程度で完成。

熱々の黒豆を試食してみる。多分成功だと思うが、これって他の人が食べたらおいしいのだろうか? 親族以外にお裾分けなんてしたことないからわからない。

しわがあると売り物にならないんだっけ?

STAUB鍋に救われる

今日はやる気がややあるので、筑前煮ときんぴら、唐揚げをつくった。正月なので、ずぼらではなく正統派の工程で臨む。しかし、STAUB鍋を買ってから、無水調理、コールドスタートばかりしているので、具材を炒め、出汁で煮て、調味料を順番に加える段階的工程を忘れていた。

飾り包丁にしようと思ったけど、レンコンをお花の形に切るなんて無理すぎる。と思ってやめた。
水分多いけど、そもそも筑前煮ってどんな感じだったっけ?丁寧に灰汁をとるつもりでいたが、すでに別にいっかって気持ちになってきた。

以前は正攻法で筑前煮をつくっていた。鍋のせいではないが、簡単調理方に出会ってしまった今、こんな複数段階ある料理できない…。

新しいピーラーを買ったので、ごぼうの先がけに使ってみたが、うまくできなかった。調べてみたら、これは、ごぼうや人参ではなく、果物やじゃがいもなど、球体型の皮をむくのに適しているらしい。
ピーラーと30分格闘し、包丁に切り替えた。結果、不揃いな先がけになった。
(使い方が悪いだけで、商品自体はとてもよい。今度、リンゴでもむいてみる。)

上がT型、下がI型のピーラー。用途が違うんだって。

すっかり集中力が途切れてしまったので、きんぴらは無水調理でいかせてもらう。STAUB WANABE 16cmは、やる気のない料理人を救う。ストウブ君、ありがとう。
(↑ STAUB愛好家の方々が「ストウブ君」と呼んでいるので真似してみた。)

こんな写真出しちゃって恥ずかしい…。不揃いのきんぴらが飛び出している。正月感がない。

Instagramで手作りお節を披露している奥さまたちは、いったいどんな強靭なハートの持ち主なのだろう。あれだけの種類を手際よく限られた時間で仕上げ、その間、苛立つことなく掃除も洗濯もするなんて、業務遂行能力が高すぎる。ムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリ。

重箱でお節感を演出する

リビングでお茶を飲んでいたら夫が帰ってきた。いろいろ買い込んできたらしく、「これ重箱に詰めて」とか指示するので、またイラつくが飲み込む。

今日は可愛い重箱があるから、心を落ち着かせることができる。小さな小さな重箱。正月感はありながらも、日常使いもできそう。

3段重ね。柄は選べる。
iPhone miniと同じぐらいの大きさ。
斜めから。

これに夫の戦利品の吉兆の白子、黒豆、筑前煮を詰めてみた。正月っぽい。小さくてかわいい。食べきれないほど大量の保存食が詰め込まれた圧迫感がない。

二人で1つの重箱にしたが、来年はそれぞれ1つでもいいかも。
筑前煮は具をもっと小さく切った方がいいかも。

最後までイラっとして終わる

このほか、鈴富の寿司、フランチャコルタ、いつもより高級な福小町などをいただいた。やっぱりお正月用に取り皿も買えばよかったな。

どうしても鈴富のお寿司がいいらしい。
泡うまい。
日本酒もうまい。
縁起物のエビフライはRF-1で買ってきたのを揚げ直した。エビうまい。唐揚げもうまい。

CSで「ダイハード2」を放映していた。
子どもの頃は気が付かなかったけど、ブルース・ウィリスは物静かな話し方で、物腰も柔らかく、ステキな大人の男だ。
劇中でも航空会社の女性スタッフに逆ナンされるぐらいモテモテで、ニットを着ている肩のラインやタバコの吸い方も色っぽい。

もし、ブルース・ウィリスだったら、正月にずっと二人っきりでもイラっとしないのだろうか。あれやってこれやってって言われても全部やってあげるのだろうか。いいや。私は多分イラっとするだろう。

年末はダイハードがしっくりくる。

夫は風邪をひいたらしくずっと不機嫌だった。せっかくの大晦日なんだしと思い、途中まで付き合っていたが、他人の不機嫌にコントロールされるのは懲り懲りなので、ラム酒を飲んでいる夫を残して先に寝た。
深酒も、深夜の年越しそばもしなかったので、よく寝れた。



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