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村上春樹『パン屋再襲撃』①入門の一冊になりそうな気分

こんにちは、本日は最近読んだ本の感想を述べてみたいと思います。

村上春樹の作品は数多くあり、興味はあれど長編作品は、長くて難しいという印象を持っている方は多いのではないでしょうか。

私自身、いろんな本を読んできましたが、最近まで村上春樹を敬遠してきました。

この作品に出合うまでは、、、

この記事では、内容に入る前段として、私が田舎の大学に通っていた時の話を少しだけさせてもらい
ます。

それなりに面白く書いたので、ぜひ最後まで読んでください。


次の記事で詳しい内容について話します。↓↓
数日中に記事を上げます。ご容赦

大学時代の私

当時は教職免許取得のために某愛知の某教育大学に通っていました。

結局は、人にものを教えるということの傲慢さにイライラし、教師になることはやめてしまいました。

子どもは周りの大人のことをなんでも吸収しようとします。そんなスポンジのようでスライムのような不安定な存在が僕を「子ども嫌い」にさせました。

「子ども嫌い」は大学で会得した一つの能力かもしれません。
今の仕事がそれに拍車をかけておりますが。

私の子ども嫌いの話はそこそこに。

専攻は国語で、国語教諭の講義と同じくらいに「言語学」「物語論」「文学理論」の講義も充実していました。

でも、
私みたいな、「試験の国語だけできる」っていう理由だけで国語を専攻した人にとっては、ちょっとつらいです。

そんなコミュニティの中でとりわけ人気だったのが「村上春樹」でした。

天邪鬼な僕は、ここから徹底して村上春樹を遠ざける生活が始まります。

人間的、あまりにも人間的な私の悪い癖です

私の天邪鬼話を語りだすと果てがないですが、人生の大事な局面でも、天邪鬼が幾度となく邪魔をしてきて、それた人の道を歩まされていることをお伝えしなければなりません。

実は高校3年生の当時、大学合格の通知を手にし国語を専攻することが決まった段階で、高校の帰り道の本屋に寄って当時村上長編の作品としては最新(?)であった1Q84』のBOOK1を購入していました。

結論としては、面白さを見いだせず(今となっては読み手の未熟さもあったと)ほんの数十ページで投げ出してしまいました。

何が嫌だったかというと、平易すぎる言葉が逆に私の理解を遠ざけていったのです。

今日でも実家の本棚に、きちんと装丁された分厚い塊が棚の中心にほかの文庫本とは不揃いな異物として並べられています。(私は基本的に文庫本しか買わないのです。)

そんな苦い思い出にふたをする意味でも村上春樹には関わりたくないと思っていたわけです。

それからは、一度として村上春樹の作品を読まず。
(たまにやるラジオは聴いてました。)

そんな大学生活も終わり、
「僕の読書生活を縛る存在」はいなくなったわけです。

社会人になった私

過去に長編作品に手を出し抱えたトラウマを払拭するために、まずはリハビリからと思い、村上春樹の短編を読もうと思いました。

矢先の出来事、『ドライブマイカー』の話題が世間で広まりました。

皆さんご存じかと思いますが、映画『ドライブマイカー』は、村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収録される同名の一編を膨らませて映画化したものです。

天邪鬼はここにもいます。

村上春樹短編集から1冊選択肢が減りました。

長編作品すべて、『女のいない男たち』を縛られて後のない私は、ブックオフである作品と出会います。

『パン屋再襲撃』ネーミングの情報量

それが、『パン屋再襲撃』

元より本は、題名で感覚的に選ぶ派閥の私は名前にぐいと引き込まれました。

なんてコメディカルで社会的な題名かと。

文庫本の表紙もいい味を出してるんです。

村上春樹『パン屋再襲撃』

最近の私は、「恩田陸」、「森見登美彦」や「小川洋子」を好んで読んでおりました。日常的でその中にある狂気性や違和感をきれいに描写する作家だと思っていたからです。

皆さん、『パン屋再襲撃』という題名はとても示唆に富んでいると思いませんか。

① パン屋と襲撃の並べられた2つの単語のパワー
② 「再」とつくことの深み
③ 「米騒動」を彷彿とさせるネーミング。
(作品中の空腹の表現をオマージュしました。)

中学社会ベストヒットワード「米騒動」

学生の頃、社会の授業で「米騒動」というワードは、私の中でかなりヒットした単語でした。(あとは、「カノッサの屈辱」とか)

何が中学生の私の心を捉えたのかといえば、3文字に含まれるストーリー性の深さなんだと思います。

民俗学的に言えば「ハレ」と「ケ」が同時に存在する感覚といえましょうか。

「コメ」は非常に日常的で、生活の根幹を占める基本単語です。
「騒動」は非日常的で何かコメディカルでラディカルな事件の匂いがします。

しかも「騒動」は2回起こったなんて、ストーリー性に層があります。

そんなことを思い、興奮気味に購入したこの短編集。
結果的な襲撃先を見て、されに驚かされました。

どこに襲撃に向かったのか、そして
これを読んで私はどう感じたのか。

次の記事に続きます、、、

ありがとうございました。












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