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1-5. 仏教は仏陀 では「イスラム」とは?

【3行まとめ】
・「イスラム」とは、唯一神アッラーへの絶対的な信仰をすること
・イスラム教を信仰する人を、民族や地理を問わず「ムスリム」という
・イスラム教は実践する宗教。内心の信仰だけでなく礼拝など行動が必要

(写真はイスラム教のお祈りの様子。PhotoACより。)

・イスラム教とは
 本章では、厳格なイスラム教義がもたらす日常生活への影響について言及した後、サウジがなぜイスラム教に厳格なのか、その政治的背景について説明を行いました。章のしめくくりに、そもそもイスラム教とは何なのか、一度整理をしたいと思います。

 まず、イスラム教の「イスラム」とは何を意味するのでしょうか。キリスト教や仏教は、人名である「キリスト」や「仏陀」から由来しています。ユダヤ教は、「ジュダ」とよばれる部族の名前に由来しています。しかし、「イスラム」は特定の人名や土地の名前に由来するものではありません 。

 「イスラム」とは、アラビア語で「服従」などの意味を持ち、宗教的には唯一神アッラーへの絶対的な信仰を意味します 。アッラーを信仰し、言動で教義を実践することが「イスラム」であり、そこに民族や地理による境界はありません。イスラム教を信仰する人を、民族や地理を問わず「ムスリム」といいます。

 次に、イスラム教は、7世紀に預言者ムハンマドがアッラーからの啓示を受けたことに始まります。イスラム教の教義は、ムハンマドがアッラーから受けた啓示をまとめた「コーラン」と、ムハンマドの日々の行いを記した「ハディース」にまとめられています。
 
 コーランには、イスラム教徒の義務が記されており、「六信五行」と呼ばれています 。「六信」とは、「アッラー」、「天使 」、「啓典」、「預言者」、「来世」、「定命」の6つを信じることを意味します。

 次に、「五行」とは、「信仰告白」、「礼拝」、「喜捨」、「断食」、「メッカへの巡礼」の5つの義務を行うことを意味します。

 六信五行に代表されるように、イスラム教は実践する宗教だと特徴づけられるでしょう。内心で信仰するだけでなく、それを礼拝や寄付、断食など行動に移すことが求められています。

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