見出し画像

ボルサリーノにタンゴパンプスー私の性自認、性的志向、ナルシシズムのこと 15

前回に引き続き、ちょっとすごい元交際相手に
「君は俺が付き合ってきたどこぞのアイドルやなんとかと同じくらいきれいだよ」と言われて傷ついたこと(そして、今もなお暗い影を落としている)に関する話。

私は以下のような言葉(彼に言われたこと以外もある)も誉め言葉とは受け取らないんだわ。偏屈なのかねぇ?でも、マジで嫌なの、嫌だったの。

「女の人なのにこんな音楽が好きなんだ、カッケー!」
「若いのにこんな本まで読んでるんだ、すごいですね」
「日本人離れしたルックスやセンスだね、外国人に引けを取らない」
「あなたは日本人にはない感性を持ってる。こんな服やメイクが似合うのは日本人で似合うのはそうそういないよ」
「日本人なのに英文上手いよね、感心する」
「高卒なのに頭がいいね、すごい(しつこく繰り返すように家庭の事情っていうか母が奨学金という名の私名義の借金を使い果たして現役で入った大学を退学したのでわたくしは34歳まで学歴は高卒)」

「~なのにスゴい」って誉め言葉なんか?私はそうは思わないんだよねぇ。素直に喜べないの。
女が男が好むような音楽聴いてるとカッコいい?
日本人離れしたルックス?外国人っていうか白人にコンプレックスでもあるのか?見た目において。アジア人より白人がキレイ?よくファッション雑誌にもあるもんねぇ(そんなの載ってる雑誌やネット記事は私は読まねぇけど)、外国人風メイクやハーフ風ヘアだのをもてはやすの。「どんな人にもその人の美しさってもんがある」とか主張してる人ほど「日本人離れした~」とか、そういう言葉を言われると嬉しくて舞い上がっちゃうのは「あるある」だわ。
高卒っても色々だわなぁ。高卒の人なんて日本中にどれだけいるんだよって。高卒でも本を読むのが好きで勉強好きな人は腐るほどいるよ。

とにかく
「~なのにスゴイですね!」
「〇〇離れしたセンスやルックスですね!」って私は言われて嬉しくもなんともないんだわ。むしろ、嫌だ。女だてらに~、日本人なのに~、高卒でも~って言われて嬉しいわけがない。私は、私だ!確かにな、私は女で日本人......etcって属性だよ。けどそういう褒め方はどうなのかなって話。まぁ、前述のように嬉しいって思う人が多いのも知ってるから何とも言えないんだけどもさ。私は嫌だな、ってのと、自称リベラルで差別反対、ジェンダー解体!とか言ってる人がそういう発言したりするのは超グロテスクだって思うんだわさ。

私は例の彼のアクセサリー、いや、珍しい蛾みたいな存在だったんだと思う。若い女が哲学や脳神経科学、構造主義などに傾倒してたり、西洋美術や文学の知識もそこそこあって、且つ底辺育ちでエキセントリックでしかもいいか悪いかは別として目立つルックスの私ーーなんだろ、『マイ・フェア・レディ』のヒギンス教授が花売り娘のイライザを磨こうみたいなああいう関係だったと思う。自分のかごの鳥でいる分にはエサもあげるしそれなりに愛でるけど、いざ飛び立とうと考えようものならば飽きてしまう。メサイアコンプレックスってやつかね。で、結局やっぱ彼のレベルに釣り合うような好みの美女(?)の元に行った。うん、劣等感に苛まれたよね。まぁ、私にも色々問題があったことは認めるし、それだけが別れの原因ではないと思う。そしてそんな彼からの恩恵も受けていたから余計に自分の中での矛盾?葛藤?もきつかった。

生活レベルも経験値も何もかも向こうが上だったけど、趣味嗜好の外にどこか精神性が似てるところがあって(そう思ってたのは私だけだったのかも)、そういう面で傷を舐めあうみたいにシンパシーをお互い感じるところが多々あった。そんで、私の基準での「落ち目」とは雲泥の差だったけども、ちょうど付き合い始めた頃は彼は色々と悩んでいた時期だったし、子供の頃のつらかったというエピソードを何かの折に話してきては
「こんな話、今まで誰にも話さなかったのにな」って泣いたんだ、本当に私に一番初めに話したのかは知る由もないけど。
あと、こんなこともあったな......電話を突然してきて
「部屋で独りでいると世界と切り離されてる感覚がして怖い、何でもいいから喋ってくれ」って。パニック障害の発作かな、って思ったけどもよく分からなかった。

こんなことも言われたなぁ。
「俺たちって、知識や世界観を共有出来る同士だけど、それと同時に男と女としても愛し合ってるって、最高だよね?」って。
私はこれを聞いて諸刃の剣(?)って思ったの。きっとそれって、男と女の関係が終了したら同士ではいられないんじゃない?って。男女(男女に限らずだが、恋だの愛だのが関係する間柄において)の友情なんて私は、分からない。経験がないから。

以上のあれこれやこれから書くであろうあれこれ、繰り返すように私側の問題も当然ある。素直にものを受け取れない、甘えるのも媚びるのも下手、変なタイプのコミュ障、メンヘラ、人間性に問題あり。そしてやはり、自分は劣った人間だってことを意識せざるを得なかった。だから、せめてもっとキレイでいなきゃいけないと頑張った(?)けれど、それでもダメだった。