佐藤真紀子/Satvikアーユルヴェーダスクール

Satvikアーユルヴェーダスクールの佐藤真紀子が書き連ねてきた大量の文章を待望のアー…

佐藤真紀子/Satvikアーユルヴェーダスクール

Satvikアーユルヴェーダスクールの佐藤真紀子が書き連ねてきた大量の文章を待望のアーカイブ化!日常で役に立つアーユルヴェーダの利用法を惜しみなく提供いたします!くすっと笑える小話から、ちょっとほろりとくる介護で使えるアーユルヴェーダまで、まとめてお読みいただけます。

最近の記事

アーユルヴェーダ人相学(1)

おもわずデコピンしたくなってしまうような、丸くカーブのついたオデコ。 これ、アーユルヴェーダでは意味があります。 古典書に出ているわけではないのですが、私の師匠のサダナンダ先生は、 「Rのついたオデコは、やさしいカパの気質がある人」と教えてくれました。 大谷選手の新しい通訳のウィル・アイアトンさんのオデコは典型的です。 マエケンこと前田選手の通訳を担当していた頃は、you tubeで 何度もいたずらにひっかかっていじられていましたね。きっと、すぐに怒ったりしないおだやか

    • 冬の過ごし方

      グルックラツアーの朝。ゴアのビーチでヨーガマットを広げると、ヤシの樹の間から見えかくれする真っ赤な朝日。豪快に砕け散る波の音。 地球の鼓動を感じるようで、爽やかな風が渡っていきます。 昼は、オクトーバーヒートと呼ばれる、十月特有の熱波の季節で、結構暑いのですが、これが終わると冬の入りがやってきます。 人々は、黒砂糖をたべ、家族同士がアビヤンガをして、冬に備えます。 日本も、そろそろ寒くなって、冬の入り口が見えてきた感じでしょうか?昨年は出来なかったDr.アーシャの「冬

      • フムス

        西インド、ゴアのリゾートホテルに来ています。 明日から、スパイスについて教わるグルックラツアーが始まりますが、アーユルヴェーダのことはさておき.....このホテルには、数日前まで7人のイスラエル人の若者が滞在していたそうです。 昔から、ゴアはイスラエルの若者に人気の観光地でした。しかし、皆家族から電話がかかってきて、「戦争が始まるのだから、徴兵に応じるように」と説得されて、滞在途中で帰っていったそうです。イスラエルでは女性も徴兵されます。「みんな泣いていたって..」.と、

        • ムンバイ ポリス

          ムンバイ空港での出国検査。パソコンやら携帯やらを取り出して、カゴに入れた荷物をエックス線に通します。ナニも引っかからないといいなあ、と思ったけれども、私の荷物は、問題のあるレーンの方に振り分けられました。 「ナンカ問題あるの?」とマラテイ語で言うと、「アレ?マラテイ語出来るの?!」と、驚いて顔を上げた警官は、若い頃のトムクルーズに似たハンサム君でした。以下、こんな会話に、、、 ま「そうよ、長年プネに通っているからね!」 警「何年来てるの?」 ま「お兄さんいくつよ?」 警「3

          立秋

          毎年、ちょうど、この日に思い出す歌が二首あります。ひとつはコレ 「秋きぬと 目にはさやかに見えねども          風の音にぞ おどろかれぬる」 今朝も、「アレ?暑いんだけれど、なんか空気の中に秋を感じるぞ?」と、思ったら、ちょうど今日が立秋でした。 まだまだ暑いけれども、確実に季節は進んでいくんですね〜! わたしたちの体の中でも、確実にそれに対応する変化がおきています。 そういう季節の変化にあわせた暮らし方(リトチャリヤ)を、 日本在住のインド人の女医さん

          グルと過ごせば・・・(6)

          効かない理由 今福島でセラピストコースをやっていますが、その中で4人が頭痛を訴えました。暑いけれども、お互いに裸で施術しあうため、冷房をつけることができません。 窓からの風だけなので、体に熱がこもります。その熱さが原因の頭痛だろうと思って、すぐに生姜を使った、ピッタ性頭痛のホームレメディを渡しました。でも、4人のうち スタッフCさんを含むふたりには全く効果がありませんでした。 ちょうどそこへ、インドから電話がかかってきました。 スクマ先生が、10月のインドで行うセラピ

          グルと過ごせば・・・(5)

          サフラン色の衣を着ない聖者たち 写真の絵は、サダナンダ先生のご尊父であるマハラジ(下)と、その、ご尊父のグルであるマリマハラジ(上)です。 サダナンダ先生たちの伝統では、どのグルも、だれもオレンジ色の聖者の衣を着ていません。 この方々をお祀りしたお寺にいくと、お堂に足を踏み入れただけでも、あたたかいものに包まれて、涙が出てくる人がいるほど、強いチカラをもっているのに… みんな、ドーティ姿の、普通のインドの親父スタイル。^^;)どうしてなんだろうと思っていました。 これ

          グルと過ごせば…(4)

          日本について サダナンダ先生は、福島までの車中で、様々なビジョンを語りながら日本についても、こんなことを語り始めました。 「日本には、血液を浄化するプログラムが必要だ。」 「アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患ですね?」 「そうだ。とても特徴的だ。そのためには人々を一箇所に宿泊させて、治療を行い、夜は教育をして、午後は料理を作って…という具合に..」 「ああ、教育キャンプですね….まさに、私たちも今それをしたいと思っていました。そのために、福島にお連れするのですよ。ここの温泉施設

          天空の葉に水を運ぶ

          写真は、福島のホテルの窓からの朝の眺めです。 12階の窓に届くケヤキの大樹。この一番上の、天空にのびる小さな1枚の葉まで、どうやって地面から水が運ばれるのでしょう? 樹木には、心臓のように水を押し上げるポンプはありません。 毛細管現象で水があがるのだと思っていましたが、タオルの端っこを水につけても、こんなに上までは、水があがってきません。 いったい なんの力で、地下の水が25メートルも上の1枚の葉まで押し上げられているのでしょうか? そもそも、ストローで水を吸い上げ

          ミソハギ

          写真は、牧野先生の図鑑のミソハギの図です。 父の田舎では、盆棚の真ん中に水をおいた皿があって、この赤い花を水につけて ピシャピシャッと、祭壇に水を振りかけるのに使います。 だから、禊(みそぎ)萩がなまってミソハギになったという説もあれば、湿地に生えるから、溝萩だったのだという説もあります。 お盆には欠かせない花ですね! でも、なんで?? なんでこの花なのか?そこが気になる。他にも たくさん花がある季節なのに、庭先などであまりみかけないこの花に、なぜこの役割が与えられてい

          前線

          寒冷前線とか、梅雨前線など、暖気団と寒気団が、地上部で接しているところを前線と呼びます。前線では、熱さと冷たさが触れあうので、雨が降ったり、風が吹いたりと、天気が乱れますね。 同じことが、カラダの中でもおきています。 暑い外から戻ってくると、クーラーのきいた室内は天国...だけれどもカラダは困ります。急に暑くなったり、寒くなったり、どっちよ?って混乱しちゃう。そして、コントロールできなくなって、急に鼻水が止まらなくなったり、自律神経がおかしくなった時の症状が出ます。 ア

          どうする?アーユルヴェーダ

          昨年12月にプネで行われたアーユルヴェーダによるガン治療学会で、一番感銘に残った発表は、Dr.Renuka Gayal(レイヌーカ ガヤル医師)による、コロナ禍でのガン診療の話でした。 ガン治療の話 彼女はサダナンダ先生の片腕として、長年パンチャカルマセンターのリーダーとして働いてきた医師ですが、今は自宅で小さな診療所を開いています。 そこに、ある日女性の患者がやってきました。腹は腹水で膨れていて、いろいろ症状があり、肝臓ガンが疑われました。 しかし、その頃インドの病

          インドでアーユルヴェーダを丸ごと体験する グルックラツアー!

          今年のテーマはスパイスです! 古代インドと同じスタイルで学ぶ「グルックラ」の現代版ツアー 昨年はとても盛り上がりました! ご参考に楽しかった2022年のツアーの様子を、美しいインドの映像と音楽でお楽しみください! 古代インドの学生たちと同じように、日の出におきてヨーガをして、牛車に乗って教室へ行き、師匠と寝起きを共にして学ぶ、「グルックラ」と呼ばれるスタイルで勉強をするツアーの様子です。 2022年11月に、インド西部のプネ市にあるBSDT財団の大学病院を宿舎にして泊ま

          インドでアーユルヴェーダを丸ごと体験する グルックラツアー!

          置屋のおかみさんに学んだ本物の効用

          わたしが知っている置屋のおかみさんは、かかえている芸妓さんや舞妓さんたちに、絶対に絹の着物しか着せませんでした。そうすると、教えなくても、絹以外のものがわかるようになるから、人絹などの偽物の着物をつかまされなくて済む、というのが理由でした。最初から合成繊維の着物に慣れてしまうと、「違和感」というものを感じられなくなってしまう、というのです。 これは、すべてに通じることだと思います。 今から30年前、私がアーユルヴェーダを学びはじめた頃には、いろいろなニセモノがまかり通って

          置屋のおかみさんに学んだ本物の効用

          グルと過ごせば・・・(3)

          背中に学ぶ サダナンダ先生は、コロナでお目にかからない間に、10kgも体重を落とされました。何をしたかといえば、自分で自分の生活をコントロールした、それだけです。 インドでは、名医であるほど肥満傾向にあると言われます。 患者さんが押し寄せてくれば、ずっと座っていなければならない職業なので、やや仕方がない。サダナンダ先生も、体重が増えてきて、膝の手術を勧められるようになりました。 「もう少し仕事がしたいから」 でも、「もう少し仕事がしたいから」という理由で、生活を変え

          グルと過ごせば…(2)

          夢は正夢 サダナンダ先生が一番饒舌になるのは、いつも成田のゲートを出てきてからの2時間です。 車の後部座席に乗り込むと、チャイを一杯飲みながら、堰を切ったように、「ダンナは元気かね?いつ会えるのだ?」とか、「今度こんなプロジェクトを始めることにした」とか、積もり積もった話を、流れるように語りはじめます。 今回、先生はガンプロジェクトなどにつづいて、新しく3つのプロジェクトを始めようとなさっていました。 1)神経系の疾患 特にパーキンソン病に対して 2)糖尿病に対して