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どうすれば(絶対的)貧困がなくなるの? 要約

〇貧乏な人の生活を改善する方法
① 教育を行きわたらせることによって生活に必要な知識を身につけてもらう。
(例:算数、性教育、読み書き、農業学)
※注:中産階級にマッチする教育機関が貧乏人を排除するシステムにならないように注意する。


② 生活業務を誰かに頼れるシステムを構築する。
貧乏な人が「正しいとはわかっているけれども、実行できない」事柄を政府が背中を押すシステムを構築することで解決する。
(例:上下水道、貯蓄システム)


③ 貧乏人には厳しい性質を持つ市場に政府が入り、条件を整えるかサービスを提供する。
(例:融資条件の整理・緩和、モノやサービスの利用無料)
市場におけるモノやサービスを魅力的にして、成長・発達できるようにする。(規制をかけて、うまく機能しているか監視する必要があるが)


④ 貧乏人の努力の成果を妨害する3つのI、つまり、官僚による貧乏人への変な「思い込み」(イデオロギーideology・思想)、官僚による現場の「無知」(ignoranca)、現場の貧乏人が無理なタスクを押し付けられたことで生じる「手抜き」(惰性inertia)によって政策がうまく機能していない可能性がある。したがって、現実的で詳細な政策設計が必要になる。
具体的には①提供する価値を自覚させ、②手抜きをするデメリットを大きくし、③給料増・仕事量の調整・監視の強化・解雇損失の増大を行う必要がある。
ボトムアップ型であれば、「わるい」経済・政治制度であっても、小さなルールを変えるだけで、大きな変革を起こすことができるため、諦めずにコツコツ改革しよう。
(例:需要に合わせてサービスの提供を調整する、パナプティコン構造を使って政府職員を監視する、公務員・政治家を監視して有権者に情報開示)


⑤ 実例を作ることでステレオタイプ(「無理」という思考のトリガー)を撤廃し、可能性を自覚させる。
(例:女性政治家や元貧乏人政治家が誕生する実例をつくる、政府が実績を作ることによって信頼を獲得し、国民の期待を高める)
⑥ 「よい」制度へ改革する。
前提:ダメな制度とは効果がなく、利益が中抜きされる構造になっている制度。ダメな制度はダメな制度を作り出す(「寡頭政治の鉄則」)。ダメな制度は残り続ける。
改革原則:規制緩和を進め、政治的自由と経済的自由を与える。
※貧乏人が自由経済に参入しやすいような支援をし、秩序を守るルールを作る必要はある。
機能:経済制度で市民の投資、蓄積、新規参入や競争をしやすいようにし、政治制度で経済を利用して潤っていた支配者を押さえつける。
構造:扱いに困らないくらいの小規模だが成果がはっきりわかる大規模都市から、規制なしの状態で外注することで、ボトムアップ方式として改革を進めていく。


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