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全国水族館の旅【17】アクアマリンふくしま

水族館で純粋に生き物との出会いを楽しみたいという人もいれば、水棲生物や自然環境について深く勉強したいという人もいるでしょう。どちらの願いも叶えられる素晴らしい学術施設が福島県にあります。
水族館とは生き物の飼育と保全、そして学術的な教育を担う場所。その全てが超ハイレベルで結実しているアクアマリンふくしまは、超がつくほど素晴らしい学びの施設だと思います。


驚異の学術性! 東北地方屈指の大型水族館!!

東北地方の中でも、都心から比較的アクセスしやすい福島県いわき市。当地が擁するアクアマリンふくしまは東北屈指の人気水族館であり、筆者が個人的に大好きな飼育展示施設です。
その理由の1つが、高い学術性です。本館は「環境水族館」を標榜しており、様々な展示を通して、生命と地球環境について深く学ぶことができます。ですので、自然博物館の好きな人にこそ、超オススメの水族館と言えます。

筆者は都心からのアクセスですので、特急いわきに乗ってJRいわき駅へ向かいました。そこから小名浜まではバス移動です。

JR常磐線の特急に乗って、いわき駅に到着。車内でゆっくり朝ご飯を食べながら来ました。

市街地を離れてしばらく走ると、海に面する大型商業施設・イオンモールいわき小名浜が見えてきます。ここでバスを降りて、徒歩で水族館へと向かいましょう。イオンモールを抜ければ、目の前には爽快な海の景色が広がっているはずです。

水族館の真向かいに位置するイオンモールいわき小名浜。展示を楽しんだ後は、イオンに寄ってゆったりするのもありですね!
イオンモールから少し歩くと、そこは小名浜の海です。奥に見えるガラス張りの建物こそ、アクアマリンふくしまの本館です。

これより向かうアクアマリンふくしまは、学術性の高さ・展示スケールの大きさ共に究極レベルの水族館です。ガチで生き物好きな人が満足するまで楽しもうと思ったら、3時間以上かかるかもしれません。ですので、この1日だけは他の観光地には目を振らず、アクアマリンふくしまだけに全集中しましょう!

いよいよ出発。生き物好きの人は、ここで長時間過ごすことになると思いますので、この1日はアクアマリンふくしまに捧げてください。

水の生命と地球環境を学べる学術基地

水族館+自然博物館+動物園=アクアマリンふくしま

入場すると、来館者は屋外の通路を歩いて本館へと向かいます。その道すがら、福島県ゆかりの生き物たちとたくさん出会えます。動物園のような開放的な環境で、ゆっくり展示生物を観察しましょう。

エントランスゲート。入館したらいきなり水族施設、というスタイルではなく、来館者は広大な敷地を
本館までは、動物園のように野外通路を歩いていきます。その道中で、数多くの生き物たちに出会えます。

神殿のような回廊を歩いていくと、道中で多くの生物と遭遇します。
筆者が一際気になったのが、イワキサンショウウオの生体展示。いわき市の名を冠した福島県産の両生類で、2022年に学術記載された新種です。今後の生態的・遺伝的な研究により、サンショウウオのさらなる秘密が明らかになっていくことでしょう。期待大ですね!

福島県いわき市の名を冠するイワキサンショウウオ。2022年に記載された新種の両生類です!
日本最小の哺乳類カヤネズミ。超可愛い! イネ科植物の葉っぱを編み込み、ボール状の巣を作ります。

回廊を抜けると、水族館恒例のアイドル・ユーラシアカワウソの登場です。とても好奇心旺盛であり、かなりの頻度で来館者の前を泳ぎ通ってくれます。来館者にとっては誠にありがたく、可愛いカワウソたちの姿を心ゆくまで堪能しました。

ユーラシアカワウソたちはゆっくり泳いでくれるので、とても撮影しやすいです。美しいフォルムにうっとりしました。
子供たちの前で止まってくれることも多く、サービス精神たっぷりな個体だなぁと思いました。

後ろ髪を引かれる思いでカワウソと別れ、いよいよアクアマリンふくしまの本館へと向かいます。ここからが、学術性バリバリの水族館の本領発揮(?)です。

カワウソの水槽から少し離れた場所に見える本館。東北地方の重要な学術基地です。
本館の入口。太陽光が差し込むガラス張りの巨大建築物、開放的で最高ですね。
非常に多くの学びのある水族展示施設です。魚や水棲生物マニアの方でしたら、1日中楽しめると思います。

観覧順路の通りに進むと、先ほどまで動物園のようだった世界が、博物館のごとく静謐な空間へと変わります。
目の前に現れるのは、古生物の化石標本と模型、そして古代から命脈をつなぐ水棲生物たち。水族展示と化石展示の両刀で、来館者は生命の進化について学ぶのです。
ダブルの展示様式によって、学習効果は2倍以上! とても画期的なスタイルだと思います。

生命の進化について学ぶ展示ホール。右側の壁には生体展示の水槽、真ん中に並ぶのは化石展示のガラスケース。複合的な展示スタイルです。

複合的な学習スタイルについて、筆者がお手本を見せましょう。
ホール右手側の展示水槽で生体を見た後は、近縁な古代の生き物の化石や模型を確認してみるのです。例として、カブトガニたち節足動物をあげてみます。

右手側の水槽に展示されているアメリカカブトガニ。彼らに近い古生物とは……。
ずばり、ウミサソリ類です! カブトガニはサソリやクモに近い系統の生き物なのです。このウミサソリは古生代シルル紀に生きていました。
合わせて模型もチェックしましょう。こちらは古生代の最大級のウミサソリで、全長2~3 mありました。

他にも、大昔に誕生した多くの生物において、その進化と現生近縁種に関する知識が得られます。その中でも、筆者お気に入りのハイギョをピックアップします。

かっこ可愛いハイギョ(ネオケラトドゥス属)。肺を有しており、たまに水面から口を出して、大気中の酸素を吸い込みます。
デボン紀に生きていた古代のハイギョの化石。当時の魚たちは、肺呼吸によって積極的に新鮮な酸素を吸っていたことでしょう。
肺を持った古代魚エウステノプテロンの模型。このポーズは、ちょうど水面で呼吸をしているところですね。

そして、古代の魚として外せないのは、もちろんシーラカンス。展示ホールの最奥で待ち構える液浸標本を見れば、魚好きは大いに感嘆することでしょう。

インドネシアで捕獲されたシーラカンスの液浸標本。彼らのように、古代の祖先の血を引く種族が、今も人類の知らないところで生きているかもしれません。
恐竜時代のシーラカンス類マウソニアの頭骨。あまりの巨大さに圧倒されます。現代のシーラカンスの2倍以上の大きさがありました

化石オタクにとっては、この展示エリア、好きすぎてたまりません。
地球生命の進化の歩みを学んだら、現代の水域環境への旅立ちが始まります。太古の時間の回廊を抜けた先で、福島県や世界の水棲生物たちが待っています。

デボン紀の肉食魚類ダンクルオステウスの復元模型。かっこいいですが、最新の研究では、この模型ほど大きくはなく全長4 m程度だったと推測されています

学術性MAX! 地球と福島県の環境問題を考える

化石の展示ホールからエスカレーターに乗って移動すると、陽の光が差し込む広大な水族展示エリアに出ます。ここからが福島県の自然環境の探究の始まりです。
最初に迎えてくれるのは、淡水域の美しい魚たち。陽光できらめく水の中で、彼らの麗しさが際立ちます。

福島県の川の上流をイメージした淡水生物エリア。河川の水が海へと流れるように、来館者も海洋エリアまでスロープを下りながら進んでいきます。
太平洋系陸封型のイトヨ。一生を淡水で暮らすタイプであり、自然界での生息域は極めて限定的です。
貴重なヒガシシマドジョウ。福島県のレッドリストでは、準絶滅危惧種に指定されています。

スロープを下りていくと、次第にステージは福島の海へと移っていきます。まずは河口の汽水域や海岸近くの浅い海です。少し変わっていく生物相が興味深いですね。

河口エリア水槽のクサフグ。やはりフグは可愛い!
砂地の海岸水槽で会えるスズキ。砂地にはプランクトンを食べる小魚が集まり、その小魚たちを食べるためにスズキもやって来るのです。

反対側を振り返ってみると、下層階まで続く巨大な水槽が見えます。こちらの「潮目の海」水槽には、観覧順路の先で再会できます。

「潮目の海」水槽の上部。この水槽については、さらに先のエリアで全貌を見ることができます。
群れをなすマイワシ。おいしそうですね(笑)。

スロープの先へ進むと、海獣や海鳥の展示エリアに出ます。到着した瞬間、お昼寝するトドに会ってびっくりしました!
水面近くでたゆたい、眠っている姿は平和的です。寝ぼけ眼な状態なのに、息継ぎも定期的にしているのが器用だなと思いました。

水面近くでトドがお昼寝中。幸せそうな表情をしています。
いい夢を見てそうですね。ちゃんと定期的に息継ぎをしているのでご安心ください。

トドの寝顔を堪能して次のエリアに進むと、いったん水の空間とはワンクッション置くことになります。
お待ちかね(?)の学術資料展示コーナーです。博物館の雰囲気が好きな筆者には、標本やキャプションで学べる空間が本当にたまりません。福島の固有自然環境から地球規模の環境問題まで、実に様々なトピックを勉強できます。

長い通路は学術資料展示エリア。水産学、生態学、古生物学、環境問題について実に多くの知識を得られます。
福島県の捕鯨の歴史について学べるコーナーもあります。捕鯨方法から資源利用方法まで、人とクジラの関わりが網羅的に語られています。

こちらのエリアでも、地球史と生命の進化について学習できます。大きな「飛び出す教科書」のごとく、地球の歴史年表と生物化石標本を、見やすくわかりやすく展示してくれています。

古生物学の展示エリア。標本とキャプションのコンビネーションが、いかにも博物館といった感じで最高です。
地球史の年表に合わせて、化石標本(レプリカ含む)の配置を工夫。生命の進化が、とてもわかりやすく頭に入ってきます。

本エリアにも水族展示があります。日本人にとって貴重な水産資源であるニホンウナギをメイントピックに掲げたコーナーでは、ウナギの生態研究や調査方法に加え、彼らを取り巻く水域環境の問題についても知ることができます。身近な自然の保全がたくさんの生き物の救済につながるのだと、本展示を見て多くの人に知ってほしいと思います。

ニホンウナギの生体展示。日本人に馴染みの深い魚ですが、その生態は謎に包まれています。
ウナギをはじめとした水棲生物の調査用道具を展示。筆者も生き物の採集が趣味なので、このようなタイプの胴長を持っています。
身近な自然環境の1つ、休耕田についての解説。人の手が加えられ、きちんと管理された水域でしか棲めない生物もいます。環境保全の手法について、考えるきっかけとなるはずです。

アクアマリンふくしまの環境問題についてのメッセージの高いキャプションは素晴らしいです。これほど大々的かつ力強く、来館者に訴えかけてくれる展示は誠に秀逸だと思います。
私たちが暮らす星で起こっている環境危機のお話ですので、全ての来館者に余すことなく見ていただきたいです。

2011年に発生した福島第一原発事故の影響についての調査。福島の海で捕獲した魚の放射線量を調べています。
魚たちの放射性セシウムの含有量を年次的に示したグラフ。本研究調査が示唆するように、近年の福島県の魚には放射性セシウムは全く含まれていないと考えられます
ゴミの落ちた砂浜のジオラマを作り、来館者の環境問題意識を高める展示スタイル。自然の中に投棄されたゴミがいかなる結果をもたらすのか、悲痛な写真や標本を見て知ることができます。
ゴミによって命を落としたオオグソクムシの液浸標本。深海に棲んでいるオオグソクムシの体内から人間由来のゴミが発見されました。私たちが捨てたゴミは、はるか遠い地域の生き物の命も奪ってしまうのです。
ゴミを食べて死に至ったシーラカンスの写真。ポテトチップスの袋やビニール袋が胃の中に入ってしまい、摂食の大きな障害になったと考えられます。

アクアマリンふくしまは水族館として、種の保存と飼育に取り組まれています。北海道・和歌山・奄美大島に拠点を設け、漁師さんたちに協力してもらいながら海洋生物を採集しています。
水族館の外でのお仕事内容はとっても興味深いですね。スタッフさんたちは、たくましいフィールドワーカーでもあるのです!

アクアマリンふくしまと提携されている地域の紹介。展示を維持するためには、全国レベルでの魚たちの収集が必要不可欠なのです。
和歌山県の串本町でのお仕事の様子。定置網を使って、多くの魚たちを採集されています。

貴重な新種と海の幸を味わい尽くそう!

たっぷり学習をしたら、きらびやかな水族展示を楽しむ番です。まずは熱帯アジアの水辺です。生物多様性の高いジャングルの河川や湖沼、多くの小型水棲生物の集まるマングローブ林を覗いてみましょう。

熱帯アジアの水槽。マコードナガクビガメが可愛いです。インドネシアのロテ島にだけ棲む固有種です。
熱帯の沿岸域と言えばマングローブ。テッポウウオやハゼ類、コモチサヨリなどが展示されています。
名前の通り、マングローブの生える沿岸域に棲むマングローブオオトカゲ。海の中を上手に泳いで、魚やエビを捕食します。

さらに進むと、誰もが歩みを止める「サンゴの海」水槽があります。そこにはキンメモドキの大群が舞い踊っていて、本館屈指のフォトスポットとなっています。神がかった美しさに、筆者もしばらく見とれていました。

フォトスポットにぴったりの「サンゴの海」水槽。中央に見えるのは、キンメモドキという魚の群塊です。
キンメモドキの大群舞。迫力と神々しさに息を呑んでしまいます。

生き物好きの人々はかなり長時間観覧していると思われますので、そろそろランチをとりましょう。筆者がアクアマリンふくしまを推すもう1つの理由ーーそれは、館内にお寿司屋さんがあることです!

水族館の中にお寿司屋さん? 新鮮でおいしい海の幸が味わえる「寿司処 潮目の海」です。
水族館で魚を眺めながら食べるお寿司、最高! ぜひここで至福の時を過ごしましょう。

お寿司を堪能した後、次はアクアマリンふくしまのアイドルの一角、オオメンダコに会いに行きました(今月22日で展示は終了しています)。タコの仲間はとても知的で可愛い生き物です。メンダコのストレスにならないように、そーっと観察しました。

とっても可愛いオオメンダコ。ストレスを減らすように、照明は控えめとなっています。今月22日で一般公開は終了しました

ここからは驚異的な珍種ラッシュです!
展示区画「親潮アイスボックス」エリアに入ると、北の海のユニークな生き物たちが登場します。どの子も美しいうえに、なおかつ珍しい種類も多いです。

親潮アイスボックスの展示水槽。まるで宝石箱ですね!
北方の深海魚ヤイトゲンゲ。瞳と唇が可愛い。
水深1000 mに生息するベニオオウミグモ。最大級のウミグモ(地上のクモとはまったくの別種)です。

際立って目を引くのが甲殻類です。北海道の知床の海では、新種のエビたちが次々と発見されています。
貴重で驚異的な北の生命。この機会に、しっかりと目に焼きつけましょう。

「ゴジラエビ」の異名を持つオシロイイバラモエビ。2015年に記載された新しい種類です
つぶらな瞳のダイオウキジンエビ。2016年に新種として公表されました
ツヤモロトゲエビ。生きている姿は激レアです。

そして、いよいよアクアマリンふくしま最大の水槽へと入っていきます。福島県の旅行情報誌で多く人が一度は見たことある、あの三角形のトンネル水槽です。
本館最大の水槽「潮目の海」。名前の由来は、福島県の海です。沖合では黒潮と親潮がぶつかり合うので、福島ではたくさんの魚介類が水揚げされるのです。2つの潮の世界を再現した水槽にて、福島の海を感じましょう。

アクアマリンふくしまと言えば、やはりここ。水量2050 tを誇る「潮目の海」水槽です。
いわき市の旅行情報誌に必ず掲載される「潮目の海」水槽のトンネル内部。
福島県の海の中を散歩している気分ですね。イワシやマグロといった、おいしそうな海の幸がいっぱいいます。

学び発展し続ける環境型水族館

アクアマリンふくしまは、とにかくすごい学術施設です。精力的に研究を実施しているのはもちろんのこと、たくさんの生き物の飼育繁殖を成し遂げています。
その代表例の1つがサンマ。なんと、世界で初めてサンマの人工繁殖に成功したのは、アクアマリンふくしまなのです。

水槽内を舞うサンマの群れ。実は、アクアマリンふくしまは世界で初めてサンマの人工繁殖を成功させました
貴重なギンカガミの展示。飼育がとても難しく、水族館でなかなか見られない珍しい魚です

続いては深海生物たちの登場です。
静かな空間に佇む不思議な強者たち。ミステリアスでかっこいいですね。

体重100 kgにまで成長する深海魚アブラボウズ。ものすごく、大きいです。
オオコシオリエビ。たくさん個性的な甲殻類と出会えて嬉しいですね。
深海魚ラブカの液浸標本。個人的にすごくかっこいいと思います。

本館の水族展示はこれにて終了となりますが、ここからは筆者のもう1つの楽しみ、スタッフさんの研究発表コーナーです。
水族館は博物館なので研究も重要な仕事であり、アクアマリンふくしまではスタッフさんの研究報告がポスター形式で発表されています。なお、研究発表ポスターは次から次へ更新されるため、数ヶ月おきに来館するのがベストです。

飼育スタッフによる研究のポスター発表コーナー。筆者はこれが楽しみでたまりません!
「ダイオウキジンエビが保育を行うのか?」という研究テーマ。無脊椎動物の子育ては気になります。
カワウソの闘争心抑制のために設置したフィーダーの効果検証。根拠となるデータをグラフで示し、来館者にわかりやすく伝えています。

どこまでもハイレベルな学術性に魅了されっぱなし。改めて、筆者はアクアマリンふくしまが大好きなんだと自覚しました。これからも定期的に来館し続け、地球と生命に対する学術的好奇心を高め続けたいと思います。

高ぶる感動は一向に冷めませんが、観覧順路はだんだん終わりへ近づいてきました。最後に金魚館を見て、至福の時間のフィナーレを味わいましょう。

本館を出て、出口方面に歩くと金魚館に着きます。日本の芸術と言うべき金魚たちの舞を堪能できます。
金魚は日本の宝。ここでは、厳選された種類が展示されています。
一口に金魚と言っても、形態は様々。可愛い種類に癒されて、幸せな気分で観覧を終えることができました。

アクアマリンふくしま 総合レビュー

所在地:福島県いわき市小名浜字辰巳町50

強み:水族展示・化石展示・キャプション解説の複合による高度な学術性、広大な敷地をフルに活かした大胆かつ迫力抜群の生体展示、種の保存と環境問題について展示の随所で訴えかける強いメッセージ性

アクセス面:東北地方以外にお住まいの人は、東京都内から特急いわき・ひたちでJRいわき駅に向かうのがセオリーだと思います。いわき駅からバスに乗ってイオンモールいわき小名浜で降りれば、徒歩10分ほどでアクアマリンふくしまに着きます。関東在住の方は、敢えて自家用車で行くのもありです。首都圏に住んでいればおわかりだと思いますが、途中で適度に休憩を挟めば、東京近辺から福島県へ車で行くことは十分可能です。ぜひ、自分に合ったスタイルでアクセスしましょう。

地球環境と生命について濃密な勉強ができますので、筆者渾身のオススメ水族館です。生体展示のみならず、化石展示と合わせて生命の進化史が学べるえに、世界の水域環境と福島県の海洋・淡水域の生物相について知ることができます。加えて、大型キャプションによる生態学と環境問題についての解説は、自然科学系の博物館に負けないほど充実しています。ですので、「水族館は娯楽の場ではなく勉強するための学術施設」と考えている方には、まさにアクアマリンふくしまがぴったりだと思います。
もちろん、純粋に展示を楽しみたい家族連れにも最適です。東北屈指の大型水族館ですので、迫力満点の大型水槽や多種の水棲生物に誰もが魅了されると思います。
イオンモールいわき小名浜、いわき・ら・ら・ミュウといった商業施設が周辺にあるのも来館者にとっては嬉しいところ。アクアマリンふくしまでたくさん勉強した後、ゆっくりと食事や買い物が楽しめます。

水族館から徒歩5分ほどで着く商業施設いわき・ら・ら・ミュウ。福島県の新鮮な海産物が食べられます。

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