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_02. 住居について

あと26日aa_アートボード 1

佐塚真啓が7年ほど描き貯めた作品をまとめる
絵本『風の穴を解く』を出版するための
クラウドファンディングを開催中!
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サイト:CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
期間:2021年4月1日〜4月29日
目標金額:50万円
https://camp-fire.jp/projects/view/392303
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それに伴い、クラウドファンディング終了までの毎日、
「〇〇について」という形で自分の事や、考えている事、思っている事を、
書いていってみようと思っています。ぜひ暇な時にでもご笑覧いただき、
クラウドファンディング、ご支援ご検討いただけたら幸いです!
よろしくお願いいたします!!

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『についてシリーズ(佐塚真啓)』
_02. 住居について
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2018年夏、「佐塚くん、家いらない?」
という電話が突然かかってきた。

電話の主は、青梅に越してからずっとお世話になっている
不動産屋さんの社長。
「え?!」と、何の事だかよくわからなかったのだが、
話を聞いていくと、
どうやら、半ゴミ屋敷と化して地域でも問題になっていた家があって、
そこに住んでいたお婆さんが倒れて、出ていくから、
その家をもらってくれないか?との事。
この家自体は、そのお婆さんの所有だが、
家が建っている土地は、近くのお寺の所有で、そのお寺への地代を
そのお婆さんは、ずっと滞納していて、
その地代さえ払ってくれれば、家はあげる、との事。
家は、車の入れない所に建っていて、お寺としては更地にしても、
どうしようもなく、一度壊してしまうと今の法律的には新たに家を建築できないらしい。
今のボロボロの状態で、自分でリフォームしつつ使える人。
という時に、社長の中で、僕の顔が浮かび、
電話をくれたとの事。

話を聞けば聞くほど、超特殊物件で、ややこしいのだが、
なんとなく、社長が僕を思い出してくれた事がうれしくて、
家をもらう事にした。
しかし、実際にその家を見に行くと、もう既に、
市役所?の人がトラック数台分あったお婆さんの家財道具一式は
処分していたらしく物はなかったのだが、
お化け屋敷みたいな雰囲気だった。
天井には雨漏りの跡が沢山あって、
畳は腐って、床が抜けていて、壁はボロボロ、建具もボロボロ。
お婆さんのお母さんが、生け花の先生をやっていたとの事で、
庭には、植物がいっぱいなのだが、その植物も育ちすぎて、
とんでもなく生い茂っていて、
ここに、どうやってお婆さんは住んでいたんだ??という状態だった。

そして、このお化け屋敷を僕は、まるごと譲り受けた。
正式な手続きも終わり、少し我に返ると、
とんでもない物を、僕はもらってしまったのではないか・・と
正直、とてつもなく不安になった・・。
きっと、数百万円もらっても、こんな家いらないという人もいるだろう。

最初の1年間は、ほぼ、手をつけられず、地代だけ払っていて、
これはいったい・・僕は何にお金を払ってるのか不思議な気持ちになった。
そして、この家の育ちすぎた草と、木々の落ち葉が、
やっぱり地域の問題になっていて、
もう僕の家になっているわけだから、
僕に何とかする責任が生じていて、頭を下げながら掃除をした。
なんとか、しなければ・・。

そう思いつつ、時間を見つけては、家に行き、
まずは、中の解体から始めた。
天井を落として、壁を壊して、床を剥がす。
1人でバールとハンマーを使って、ホコリまみれになりながら壊していった。
その解体資材だけでも、2tトラック4台分くらいあって、
その処分も、大変だった。
庭はそんなに広くないのだが、植物がワサワサモリモリで
それらを、引っこ抜き、伐採して、その処分も大変だった。
もう何度、挫折しそうになった事か・・。
しかし、なんだかんだ2019年冬頃、
家の中を、ほぼ骨だけの、
リフォームがスタートできる状態にする事ができた。
まず床をつくったり、
少しづつ暇な時間を見つけては通って作業するという感じだった。
このまま、こんな感じで
ゆっくり作業していったら、いったいいつになったら住めるんだろう・・
そんな不安がだんだん膨らんでいったのだが・・。

そんな折、2020年4・5・6月、コロナによって、
ほぼ全ての仕事が無くなった。
という事は・・、
その時間、全てリフォームが出来る!よし!!
という事で、ほぼ毎日、通ってリフォームをした。
そして、2020年7月、とうとう寝泊りが出来る状態になった!
まだまだ直さなきゃならない所だらけですが、
そんな家に、今、僕は住んでいます。
部屋の中を見回すと、ほぼ全てが自分で作ったモノで、
とても愛おしい住居になっています。
こんな話をくれた社長さんに、今は感謝しています。
めでたし、めでたし。
なのですが・・・、


と、ところが!!
最近、税務署から
「あなた、贈与税を2年間滞納してますよ」
との連絡があった。
「ぞ、ぞ、ぞうよぜい??」
僕がこのお化け屋敷みたいだった家を、お婆さんからもらった事に、
税金がかかると!それも、200万円以上!?
なんで?なんで??

こんな苦労をし尽して、お金を国に払えって、
「苦労は金を出してでも買え」みたいな言葉は知っているけど、
意味不明で、慌てて不動産屋さんに駆け込んで、
そんなバカげた事があるものか?
と社長さんと2人で税務署に行きました。

結局、社長さんが事情を丁寧に話してくださり、
「佐塚くんは、困っているお婆さんとお寺に対して人助けをしたんですよ」
とまで言ってくださり、
税務署の方も納得?
なんとかめでたく免除になり、めでたし、めでたし。

でも、まだまだ直さなきゃならない所だらけの
家に僕は住んでいます。
(佐塚)20210403


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