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_03. 読書について

あと25日_アートボード 1

佐塚真啓が7年ほど描き貯めた作品をまとめる
絵本『風の穴を解く』を出版するための
クラウドファンディングを開催中!
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サイト:CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
期間:2021年4月1日〜4月29日
目標金額:50万円
https://camp-fire.jp/projects/view/392303
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それに伴い、クラウドファンディング終了までの毎日、
「〇〇について」という形で自分の事や、考えている事、思っている事を、
書いていってみようと思っています。ぜひ暇な時にでもご笑覧いただき、
クラウドファンディング、ご支援ご検討いただけたら幸いです!
よろしくお願いいたします!!
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『についてシリーズ(佐塚真啓)』
_03. 読書について
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まったく本を読まない子供だった。
それを見かねた母が、
漫画でもいいから、なんか読んだら?
と言って買ってくれたのが、「ドラゴンボール27巻」だった。
もともと絵を描くのも、見るのも好きだったので、
漫画が大好きになった。それが僕の美術の根っこになった。
しかし、文字だけの本は全く読まないで育った。
そういっても過言ではないくらい、子供の頃に読書をした記憶がない。

そんな僕に漫画を薦めてきた母は、常に本を読んでいるような人だった。
どんな本が好きなのか、とか、今まで読んだ本で一番面白かった本は何?
と聞いても、本人いわく、まったく内容は覚えていないとの事。
ただただ、文字を追いかけるのが楽しいらしいのだ。
本を選ぶ時の基準として、本の厚さを挙げるくらいで、
少し前、久しぶりに実家に帰ったら、母が、
父が使わなくなった電子辞書を読んでいた。
電子辞書を読む?って、読書なの??
と疑問符が渦巻いたのだが、そんな活字中毒?な、
読書好きな母である。

そんな血を引いているからなのか、
成長するに従い、僕も本を好きになった。
今では、一丁前に、壁一面に作った自作の本棚は
本で埋まっている。
その本には傾向があって、小説のような物語は、ほぼ読めない。
どちらかというと、ノンフィクションのように、
現実との関係を感じるモノや、
実在の誰かの思考を追いかけるようなモノが読みやすい。
偏った読書だが、今は本が大好きだ。
本によって、出会えなかった人や物や場所や事に出会える。
そんな感動が、いい本に出会うと起こる。
本を読むのは素敵な事だ!

そう思っているのだが・・・、

僕らのアトリエの近くに、
親しくさせてもらっていた、仙人みたいなお爺さんが住んでいた。
2016年夏、亡くなったのだが、そのお爺さんの家は本だらけで、
本から沢山の知識を蓄えたような風格のあるお爺さんだった。
そのお爺さんが死ぬ間際、
「本には何も書いてなかった・・・」
と言って死んでいったらしい。
あんだけ、あんなに本を愛して読んでいたお爺さんの
最後の言葉。
本には何も書いてない。
これが、何を意味しているのか?

僕はこんな解釈をしている。
本を読んで、何を思い、どう行動するのか。
本は自らの行動を生む「きっかけ」であって、
読むだけで全てを知れるような本はない。
きっとお爺さんは、そんな事を言いたかったのかな、と今は思っている。
今回、僕が作る絵本『風の穴を解く』も、誰かの何かしらの
「きっかけ」になったら、これ以上の喜びはない。


(佐塚)20210404

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