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【家具屋さんやります!】

【家具屋さんやります!】
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奥多摩美術研究所のプロダクトとして、
家具の「TANSOタンソ」シリーズというのを始めます。
コンセプトは「簡単・簡素」。
という事でシリーズ名を「TANSOタンソ(単素)」にしました。
まずは、机の大・小の2種類しかないのですが、
少しずつラインナップを広げていきたいと考えています。
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●「タンソ/作業台36」:W1820×️D910×️H700・価格:15,000円(+税)
●「タンソ/作業台M」:W1287×️D795×️H700・価格:14,000円(+税)
●「タンソ/作業台オーダー」:W/D/H,希望サイズでお作りします。・価格:相談

<材料:針葉樹合板・松/野縁・ステンレスビス>
※受注生産、製作時に手に入る木材で作りますので材料の表情は選べません。

タンソ机36写真20210930


<「タンソ/机」について>


美しい机を作ろうと思いました。
それは、姿、形はもちろんの事、
その机が生まれる事、使われる事、
そして、いつかは訪れるであろう、
その机がいらなくなった時の事、
それらも全て含めて美しいと思える机を作りたいと思いました。
経済を軸に、大量生産・大量消費・大量処分される
表面的に整った既製品で溢れている現代の
この世界において、物の美しさとは何なのか。
少し大げさですが、そんな事を
ここ数年ずっと考え続けてきました。
そんな思考を、現時点で結実させたのが、
この「タンソ/机」です。
この机の材料選びや加工においては、
珍しい物や特殊な物、高度な技術は用いず、
出来る限り「特別」な事をしないよう努めました。
足の材料は、普通にホームセンターで入手でき、
様々な場で用いられる「野縁(のぶち)」という
小口が30×40mm規格の松材です。
それを長い短い15本に切り出して、
40本のステンレスビス65mmで、22カ所固定しました。
天板も、建築現場などで用いられる針葉樹合板です。
誰もが容易に想像でき入手でき加工できる範囲内で
丁寧に簡潔に作られた物には、
容易さ、気安さ、大らかさ、手軽さ、
そして「普通」という美しさが宿ると信じています。
この簡潔に作られた机は、
仮設的に机としての形を留めているだけで、
ビスを抜きほどくと、ただの野縁の木材や合板に戻ります。
それを再構成して違うサイズの机や椅子を作る事も可能です。
素材に特別な加工を施し、机として完成させきった物ではなく、
あらゆる可能性の一形態として一時、
机という状態に留まっている。
そんな多くの可能性を内包し存在するプロダクトを目指しました。
よって、使っていく中で、使用者の工夫で、
様々な可能性が引き出される事を望みます。
生活環境の変化に際して、
机のサイズを変えてみようかなとか、
椅子に作り替えてみようかなとか、
平たい物を見つけてきて天板を交換してみたり、
ぜひそんな事もしてみてください。愛着が増してくるはずです。
そして、もし最終的にいらなくなったら、
粗大ゴミとして、目の前から消えてなくなれと願いながら
処分するのではなく、
ビスを抜きバラバラにして、キャンプ場などに持って行き、
焚火の薪にでもしてください。
針葉樹合板と松なのでよく燃えます。
炎に包まれ燃えてゆく木材を、
その机でした事などを思い出しながら
眺めてもらえたら嬉しいです。
美しい机を作ろうと思いました。
この机の美しさを、この机を手にしてくださった方に育てていただけたら嬉しいです。
(奥多摩美術研究所所長 佐塚真啓)

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