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歳をとって涙もろくなるのは共感力が高まるからなんだろうけれど、それが

最近
自然災害のニュースを見ても
はじめてのおつかいを見ても
飼い主に忠実な犬の映像を見ても
うるっとくる。

下手したら夕焼け雲を見ただけでも
なんなら抜ける青空を見ただけでも
うるっとくる。

歳をとったぶん、経験が増え、過去のなにかの記憶と、目の前のそれが結びつき、想像力が豊かになり、涙腺を刺激する。
若い頃は機能不全なんじゃないかと思ってたシナプス、ここにきて繋がりまくってる。威力を発揮しまくってる。

経験値の蓄積が、共感力が高くなる理由で、
共感力が高くなることが、涙もろくなる理由。

20歳まで、平成ぽんぽこ以外の映画で一度も泣けたことがなく、知っている人が死んでもうまく涙が出なかった私。
若い時は鉄の女とよばれたあたいも、最近は、セミ一匹、メダカが一匹死んでても泣ける。めっきり涙もろくなった。
あと、歳とると、人前で泣くことへの羞恥心が限りなくゼロに近づくよね。いろんな蛇口が緩くなる。

まあ涙もろくなることは、老化による美徳のひとつかなと思うのでいいのだけど

ライターとしては、
共感力が高くなったことが、ポジティブに働いているかというと、実はそうとも言えない気がする。

というのも。

共感力が高くなると、どうしても、「わかるー」ってなりやすくなる。

でも本当は他人同士、「わかるー」っていうほど、簡単にわかったりしないし、だいたいわかったつもりになってるだけのことが多くて
それは、原稿を書くときに露呈する。あれ、なんであのときわかった気分になったんだっけ、ってなる。


目の前の人が言う言葉を無防備に受け止める心と
目の前の人が言う言葉を理解したと思う自分を疑う心で
取材は成立している、と、思う。

そして矛盾するようだけど、
書く時は、可能な限りその共感に身体をゆらゆら任せて同じ過去を追体験したいし、
一方で、視力2.0、嗅覚ライオン並みにその追体験の色を音を匂いををなるべくクリアに再現したい。
共感を、出したり引っ込めたりしながら、文章を書いている。

今夜、やたらと共感力が高くてすぐに涙を浮かべるピュアな魂を持つ友人とご飯食べながら、そんなこと考えていました。

んでは、また。

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