見出し画像

トレランドはまり記


トレランに、ドはまりしている。
最近は山を走っていない時はいつも「山、走りてえなあ」と思っているし、
地図と獲得標高を見比べては、このルートいいかんじだなあと思って脳内の「いつか走るルートリスト」に追加している。
トレランがとにかく面白くてたまらない。

練習コースの一番眺めがいいところ


この記事を書いている今日も朝6時に起きて32㎞の山道を後輩と走りまくってきた。はっきりいってどうかしちゃってる。
なぜ最近トレラン狂いになっているのかと、具体例として今日の練習の様子を書こうと思う。


きっかけ


GWに飲食店でのハードコア10連勤を終えた僕は、新たな闘争を求めていた。飲食店で働くのもとても楽しく興奮するのだが、なにかまた血沸き肉躍るような趣味を見つけたい。ということでお給料でトレランシューズを購入した。サロモンのスピードクロス6だ。超かっこいい。

これが
山を駆け回るとこうなる。

その時点でぼくのランニング的な能力は全くなかった。キロ5分半で4㎞走るだけでいっぱいいっぱいだったのだ。
大学に入ってからロードバイクにハマり、ランニングはしていなかったので心肺機能は問題ないのに、走るための細かい筋肉が悲鳴を上げる。
そんな状態で7月8日に行われる40㎞のトレランレースにエントリーした。
40㎞である。平らな道4㎞でへとへとの人間が、40㎞の山道を駆け抜けることが出来るのだろうか?
ビビりつつワクワクしながら、50日間楽しんで、真剣にトレーニングすることを決めた。一人だとさみしいので、パワーのありそうなバイタリティ友人たちに声を掛けたら4人集まった。京大ナマステランと勝手に命名し、練習が始まった。

そして週4で山を走る生活をし、食事に気を付け、体のケアをして一か月強経った今日、大会のリハーサルとして30㎞走った。
コースはこんな感じだ。



家~三宅八幡 4㎞ ロード
三宅八幡~瓢箪崩山~江文峠 7.1㎞ 740m+
江文峠~大原ファミマ トレイルとロード 1.9㎞
大原ファミマ~仰木峠~横川中堂~水のみ地蔵 5.1㎞ 700m+
水のみ地蔵~大比叡 4.6㎞ 350m+
大比叡~ケーブル比叡~ロテルド比叡 4.2㎞ 300m+
ロテルド比叡~石鳥居~バプテスト病院 5.4㎞ 120m+
計32㎞ 2200m+

YAMAP地図参照

1.家~瓢箪崩れ山~江文峠

今回は後輩のTくんと二人で走る。Tくんは以前一緒にロードバイクで京都から奈良の大台ケ原まで行って山登って帰る330㎞のライドを一緒にしたことがあり、ガッツがあって無茶をしないところが信頼できる。
7時に僕の家に集合し、三宅八幡まで4㎞ジョグ。
薄暗い三宅八幡の横を抜けて、わかりにくい登山口に到着した。
前日から楽しみすぎてなかなか寝付けず(と言っても7時間は眠った)、このことが後半に影響してくることになる。

瓢箪崩山を急登は歩き、緩い登りは走ってこなしていく。心拍数が一度上がり切ってしまうと体に不可逆な疲れがたまるので、呼吸に余裕を持たせて登る。かっこつけて「緩い登りは走ってこなしていく」などと書いたが、おそらく皆さんが想像するような速度ではない。
腕を振って足を小刻みに動かし、リズムを刻んで登っていく感覚だ。
最近ようやく登りを走る技術が分かってきている。大げさな言い方だけれど、山を走るたびに自分の肉体が少しづつ別の生き物に変容していく感覚がある。

タンクトップは涼しくて好き

瓢箪崩れ山に登頂。T君は一分ほど遅れてついてきた。
瓢箪崩れ山トレイルは京都一周トレイルではないので人が少なく、静かで自分の走りに集中できる。アップダウンを気持ちよくこなして2時間弱で江文峠到着!
自転車乗りならおなじみの江文峠(京産自転車部の根城)に走って到着する感覚が新鮮だ。

サロモンのベスト着用

2.江文峠~大原ファミマ


トレイルを下った後ロードに出てファミマまで走る。
ロードではTくんに前をひいてもらう。ロードではT君のほうが速いので、内心速いな~と焦りながらついていく。
大原のファミマで水分補給をし、用を済ませてリスタート。
この位置にファミマがあることのありがたみを噛み締める。

大原を眺めるTくん

3.大原~仰木峠~横川中堂~水のみ地蔵

大原のファミマから東に進んで仰木峠まで一気に400mほど登る。
登る前にTくんに、「ここでオールアウトするより、程よく登って稜線走れるようにペースメイクしよう」と話したけれど、登っているうちに体がよく動くのが楽しくてガンガン登り、置き去りにしてしまった。すまない。

登り切ったところに大原の消防団の方が6人ほど談笑していて、話を聞くと倒木を切って道の整備をしているところらしい。普段気持ちよくトレイルを走れるのはこういう地道な整備があってこそだなと思い、ここぞとばかりに謝意を伝えた。
フリーライダーにならないように、自分も何かトレイルに貢献したい。

稜線の緩やかなアップダウンを走ってこなす。ゆっくりでもいいから走り続けて、リズムを体に覚えこませる。
本当は横川中堂まで下るルートではなかったんだけど、道を間違えたのでせっかくならということで3㎞程遠回り。
今日一番の急登を全身でこなし、生を実感する。

展望がない山頂グランプリ

4.水のみ地蔵~大比叡


ここの区間は人も増えてきて、急な登りもなく走りやすい。
山ではあるけども、ドライブウェイが走っているのもあってどこかリラックスして走ることが出来る。瓢箪崩れ山のしんとした山っぽさもいいけれど、にぎやかな山もいい。

大比叡まで走っていたら、Tくんが加速。彼は負けず嫌いなので、これまでちぎられ続けているから山頂に先着しようという腹だろう。急登ではしゃぎすぎて足が重い。離されながらなんとか背中を追い、大比叡手前のセメント坂でもがく。
完全に無酸素域だ。腕を強引に振って動かない足を前に進める。思考が停止して、動くことしか考えられない。
そのまま並走してスパートするも、ぎりぎり負けてしまった。すがすがしい気持ち。
一人ではここまで追い込めないし、楽しめないので、やはり二人で来て良かった。

5.大比叡~ケーブル延暦寺~ロテルド比叡


大比叡から滋賀県側に下る。後半で怪我でもしたら後味が悪い。集中していこうと声をかけて慎重に下りをこなす。
ここから寺の中を抜けて、東海自然歩道の緩やかな道をひた走る。
「走る」行為を体にしみこませるように。
体を追い込んで、筋肉が疲れて、無駄な動きをする余裕がなくなってきてから初めて分かることは多い。
上手く言葉にできないけれど、地面からの衝撃を筋肉で受け止めるんじゃなくて、体を前傾させて骨格で受け止めるイメージ。
この区間は「忘我」だった。単調な道で眠気もあり、全身にじわりと疲労が行きわたっている。大きな声を出してPushし続けた。

6.ロテルド比叡~石鳥居~バプテスト病院


トレランで走り続けていると、脳が景色を処理し続けるので頭も疲れる。
下りはどこに足を置くかを高速で判断し続けるから集中する。
一本杉の横のベンチで5分ほど目を閉じて、最後6㎞の下りに備える。
足首と膝は痛み未満の違和感を訴えてきているけれど、適切なケアをすれば大丈夫な部類だ。いける。
ここからは普段の練習コースなので、ノンストップで走る。どこがきつい区間かもわかっているので、自分の残りHPを使い切るように走り続ける。
(もちろん何かトラブルがあった時ように安全マージンとしてのHPは残すが)

自分の両足だけ家から大原、比叡山を越えてここまで戻ってこれたことに新鮮に感動した。やるじゃん、と思った。

これまで1か月、付き合い以外では禁酒し、減量しつつトレーニングを積み重ねてきた方向性が間違えてなかったことが嬉しかった。トレーニングもストレッチも食事も休養も、いろいろ考えて自分の体を目的へと研ぎ澄まして行く工程は奥深くおもしろい。

石鳥居から瓜生山登山道に戻って、集中して走り切る。
ついにバプテスト病院の登山口に到着した。ストラバを停止し、しばらくそこにへたり込む。汗が引いた頃、Tくんも到着し、グータッチして終了。
お疲れ山!!


時速2㎞で歩くTくん

まとめ


その後プロテインを飲んで銭湯で冷温浴してヨガをして、イワシ三匹と豚肉250gと玄米などを食べて体を労わった。
2年弱前に一日で松本まで300㎞漕ぎ、翌日松本から乗鞍を登って下呂温泉に下ったサイクリングで膝を傷めて以来、体のケアは真剣にやるようにしている。北山のタマ鍼灸整体にも週一で通っている。おすすめです。

継続すること、面白がること、取り組み方に頭を使うこと。登山、テニス、自転車とこれまでスポーツをやってきて学んだことがトレランにも活きていて、もっとこの遊びを深めていきたいとおもう。
7月の大会が終わってからもいくつか大会に出て、来年の比叡山国際トレイルラン50㎞に出場し、入賞したい。
普段の練習コースが比叡山で、比叡山の虜になっているので、そこで関西最大のレースがあるなら出るしかない。ワクワクする。
この記事を読んでトレラン面白そうと思った人はぜひ一緒に走りましょう。ではまた。

この記事が参加している募集

沼落ちnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?