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ChatGPT 先生のおかげで、英検1級の英作文で751点が取れた件

Twitterで英検1級の一次試験合格を報告したところ、たくさんのお祝いコメントやいいねをいただきました。ありがとうございました。

今回はChatGPT「先生」のご指導についての記事です。一次試験合格できたのも、ChatGPT先生のご助力のおかげです。


ChatGPT先生に英検1級をご指導いただくまでの私

ライティングは苦手で、普段の英語学習ではやっていませんでした。
英検1級の英作文対策サービスなども利用したことはありません。
ちなみに、情報処理技術者試験の論文の添削は利用したことがあります。

英検1級のライティングではこれまで最高で7割程度取れたこともありますが、直近3回は14/32点(英検CSEスコア:545)、14/32点(同:531)、17/32点(同:583)と低迷しており、すっかり自信を失っておりました。

そんな英検1級のライティングにおいて失敗を繰り返す中で考えたことがありました。

内容勝負より、英検1級らしい英文で勝負した方がいいかも??

英検1級のライティングは伝統的に高尚なテーマが多く出題されます。
日本語でも考えたことすらないようなお題がバンバン出題されます。
英検1級は世界で活躍できるような人材の英語力を測ろうとしているようなので、テーマが自然と難しくなってしまうのかも知れません。
テーマが難しくなると、私はつい内容にこだわりたくなりました。
しっかりした内容(知識)で答えたくなります。

しかし、英検一級は英語の語学試験です。
採点者は英語のエキスパートであっても、英語以外の経済やビジネス、科学、国際関係などの学位や経験や専門知識を全てひとりで備えている採点者はおそらくいないでしょう。
つまり、英検1級の多彩なテーマで本質的な内容の甲乙を正確に判断することは難しいはずなのです。
英作文の対策で、簡単な英文でもいいからちゃんとした内容を書こうというアドバイスがあると思いますが、内容で高得点を取得することは採点者と受験者の相性にも依存するような気が、正直します。
少なくとも、私は簡単な英文で内容勝負して高得点を取れる感触がありませんでした。

内容勝負の代わりに考えたのが、「英検1級らしい表現で勝負」です。
つまり、内容にこだわり過ぎず、お題に沿う形で、英検1級らしい英文を書くという方針です。
語学試験にふさわしい英文を書くということです。
ここで重要になるのが、英検1級らしい英文をストックすることです。
ただ難しいのが、英検1級に受かる前に、英検1級らしい英文を会得する必要があるということです。

そんなことを考えていると、英検1級らしい英文の生成が大得意な存在が世の中に登場しました。ChatGPTです。

ChatGPT「先生」のすばらしいところ

下記の記事で書いた通り、英作文の採点精度が高いと感じました。
採点してフィードバックをもらえば、自分の実力が分かりますし、得点を上げるための具体的な表現が学べます。

ChatGPT先生が英検1級を理解しているというよりも、英検1級が語学試験として妥当な試験なので結果的にChatGPT先生との相性が良いのかも知れません。
ちなみに、ChatGPT先生にChatGPTが語学試験に強い理由を質問したら、下記の回答がありました。

その他、ChatGPT 先生のすばらしいところがたくさんあります。例えば以下のようなところです。

  • 英検1級レベルの単語を使用した、英検1級らしい英文を作成してくれる。さすがGenerative(生成) AIです。この英文をストックして本番で回答に盛り込めれば、英検1級っぽい回答になると感じました。ChatGPT先生が見本となる英文を作成してくれるので、(私のように)英語の実力が低い人が自分で作成したイマイチな英文を間違って手本にすることがなくなります。

  • 英検1級の予想問題を作成してくれます。本番で出題されるお題をピンポイントで当てることはできませんが、様々な分野の予想問題を作成できます。

  • 盛り込んでほしい内容を指示すると、回答案に反映してくれます。ネガティブ・ポジティブのそれぞれの立場を指定することもできます。受験者のオリジナルの内容を英検1級用にカスタマイズすることが気軽にできるようになった、ということです。

  • 英文の内容で疑問に思った英単語や文法について質問すると、丁寧に理由を教えてくれる。しかも分かりやすい。

  • 気になった時にいつでもすぐに答えてくれる。

  • どんな低レベルな質問にもイライラせずに対応してくれる「人格者」。

さらには、無料でご指導くださいます。ChatGPTの有料アップグレードをしなくても十分と感じるレベルです(現時点のChatGPT3.5でも凄いのですから、今後の進化は期待しかありません)。

ChatGPT先生の活用

いろいろ試行錯誤した結果、ChatGPT先生が作成する回答案をとりあえず覚えて、本番では覚えた表現をできるだけ使い回して回答する作戦に決めました。

回答案は、まずChatGPTに聞いた予想問題のテーマや、
Agree or disagree: Technology has had a positive impact on society
Advantages and disadvantages of living in a big city
The role of education in personal and professional development
The impact of social media on communication and relationships
The importance of physical exercise and a healthy lifestyle
The effects of globalization on local cultures
The benefits and drawbacks of travel and tourism

予想問題だけでは不安だったので、上記予想問題とあまり被らない、過去問から下記のテーマを選びました。
Agree or disagree: Industrialization has had an overall beneficial effect on humankind
Should the death penalty be banned in Japan?

さらに、最近話題となっている AI については、いくつかChatGPT先生に予想問題を挙げていただき、ポジティブとネガティブそれぞれの観点で答えられるように下記のテーマを選びました。
The ethical concerns surrounding the use of AI, such as privacy and security issues
The impact of AI on creativity and artistic expression

回答案の作成

回答案の作成では、基本的に立場を固定しました。
個人的に、ポジティブな理由よりネガティブな理由の方が共通することがあると思っているからです。
また、英検1級のテーマになるようなものは諸手で賛成されることはまれで、反対意見もあるものです。

下記のようにChatGPT先生へお願いして、回答案を作成していただきました。
ChatGPT先生への質問例:
英検一級のライティングで下記のトピックが与えられた場合、disadvantages の立場から満点が取得できる例を教えてください。
XXXX(トピックを指定する)

作成された回答案については、念のため高得点が取れそうか確認してもらいました。
ChatGPT 先生への質問例:
英検1級のライティングのトピックが「XXXX(トピックを指定する)」の場合、以下のように書いたら、何点くらいですか?日本語で回答をお願いします。
英検1級のライティングのトピックが「XXXX(トピックを指定する)」の場合、以下のように書いたら、何点くらいですか?なお、採点の内訳ですが内容、構成、語彙、文法の4項目でそれぞれ8点満点でお願いします。最後に4項目の点数を足した総合得点も教えてください。

回答案の覚え方に苦戦

さて、せっかくすばらしい回答案をご指導をいただいても、試験を受けるのは生身の人間なので、人間がボトルネックになります。
私の場合、英単語はサトケン式イメージ意味四択記憶法で覚えられるのですが、英文を同じように覚える方法が現時点でありませんでした。
英文レベルでのイメージや動画やアニメーションの生成がもっと気軽にできるようになれば状況が変わってくると思うのですが、現状では別の方法で覚えるしかありませんでした。

回答案に使用した英単語は全て覚えて音読してみましたがあまり覚えられず、久しぶりに筆写を取り入れました。
筆写を繰り返すことでようやく英文が馴染んできました。
さらに、試験前日や当日はとにかく繰り返し黙読していました。

試験本番の手ごたえ

テーマは「Is investment from foreign companies necessary for the success of Japan's economy?」で、あらかじめ予想したテーマそのものではありませんでした。

しかし、これまで約10テーマを消化したことで、表現をストックできていました。
覚えてきた英検一級らしい英文を、隙あらば答案に盛り込むことで英検一級らしい英作文になったと自分でも感じました。

ただし、予想していたテーマそのものではなかったので、回答の作成には時間がかかりました。
ストックした表現を思い出したり回答案の構成を考えたりしたので、30分以上英作文に費やしています。

結果と感想

結果は英検CSEスコアで751点でした。素点は28/32点で、内訳は下記の通りです。
内容:7/8点
構成:6/8点
語い:8/8点
文法:7/8点

高得点の理由は、お題に沿う内容を、英検一級らしい英文で表現できたからだと思います。
特に、「語い」に関しては英検1級らしい英文を盛り込むという狙い通り、8点満点を取ることができました。
英文の構成をもう少し工夫すると、さらに得点が伸びる気がします。

ライティングで高得点を取れたおかげで英検1級一次試験に合格できました。
英検CSEスコアと素点の換算表は下記の記事をどうぞ。

今回の、英検1級ライティングの高得点につながった対策は、ChatGPT先生に頼らなくては実現しづらいことでした。
人間の英作文の先生やサービスの利用に少し抵抗がある人もぜひ試してみてください。
余裕のある人はより多くの回答案を覚えるとどんなお題でも回答しやすくなるでしょう。
また、たまには採点してもらうと自分の実力が客観的に測れると思います。

追記:2024/3 二次試験もChatGPT先生を活用して合格しました!

二次試験では本記事の内容を進化させて合格することができました。
「13の万能な理由」とChatGPT先生を組み合わせて活用することにより、本記事ではできなかった「内容勝負」が可能になっています。
初対面の面接官との短い面接時間でも「伝わりやすい理由」を挙げることができました。
詳細は下記の記事をご覧ください。


本記事が含まれるマガジンの目次記事です。


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