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英検一級 第四の壁:「伝わりやすい理由」の壁

前回の記事はこちら

ChatGPT先生と出会いライティングで高得点が取れたことでようやく一次試験を突破しました。
この勢いで二次試験も簡単に突破できるとどこかで思い込んでいました。

とんでもない思い上がりでした。


1回目の二次試験に落ちる

初めての二次試験は惨敗でした。Twitter(X)で公表した人の中でも最低だったと思います。

一次試験で使った「ChatGPT先生が作成する回答案をとりあえず覚えて、本番では覚えた表現をできるだけ使い回して回答する作戦」をそのまま二次試験でも実行しようとしました。

しかし、二次試験の緊張感のある中で、ライティングで書けたはずの理由もうまく浮かばず、スピーチやQAでは沈黙もあり、ひどい結果となりました。

2回目の二次試験に向けて対策をがんばるも、惨敗する

初回の反省を踏まえて対策を取りました。
面接に対応できるように耳から聞く、口から出すことを徹底し、複数回の模擬試験を経験し、面接時に焦らないようにストップウォッチで時間を測ったりしました。
また、面接では実はアティチュードやコミュニケーションが大事という情報を目にしたので、美容室に行ったり、目を見て話したり身振り手振りも入れて話す練習にも取り組みました。
また、発音関係ではマスク無しで面接を受けることや、大きな声で速すぎない発音を練習しました。

そして迎えた2回目の面接ではうまくコミュニケーションが取れたと思いました。
スピーチの後半は用意したテンプレートを話したので、文法や語彙は1級用にできました。
QAを含めて今回は沈黙せずに終始にこやかなムードで終えることができたと思いました。
これは合格、もしくは少なくとも初回の点数を大きく上回るだろうと勝手に思っていました。

しかし、2回目の二次試験も(自分では)まさかの惨敗でした。初回とほとんど点数が変わりませんでした。
初回に引き続き、Twitterで公表した人の中でも最低だったと思います。

期待しながらオンラインで前回とほとんど変わらないスコアでの不合格を見たときのショックは正直大きかったです。

私のスピーチに不足していたもの

2回目の面接試験を終えて一月ほど経った頃、ふと面接の風景が頭の中によみがえりました。
そこで改めて考えてみると、私はスピーチの後半のテンプレート部分を話すことで精いっぱいになっており、主張(Agree)を否定するような矛盾した理由をテンプレートで話していたかもしれないと思いました。

さらに、用意したテンプレートはちょっとトリッキーな話であり、トピックの内容を正面から扱う話でもないため、面接官はこのテンプレートで話した内容がよくわからなかったのではないかと思いました。
内容がよくわからなかったので、文法や語彙、発音の得点もそれに伴って得点が出なかったのだと思いました。

つまり、私が2回目の面接で不足していたものは、スピーチの内容である「理由」だと考えました。
理由がおかしな話をがんばって面接の場で「笑顔で」話して、結局面接官に全く伝わらずに面接官に「笑顔で」落とされたのでした。

「理由」に悩む

では「理由」をがんばればいいのですが、この理由をどのようにつくることをがんばればいいのかが分かっていませんでした。

そこで、英検協会と一番近い関係にある(と思う)旺文社が発行している六回分の過去問題集を改めて眺めてみることにしました。
過去問題集には、二次試験で出題されたトピックと回答例と日本語訳が掲載されています。
この回答例はどれも基本的に理由を 3 つ挙げていました(一般的には、スピーチは時間が無いので理由は2つ挙げましょうというアドバイスが多いと思います)。

そして、回答例の英文ではなく日本語訳を読んでいて思いました。
「あれ、3 つの理由って意外とテキトー?」
英語で書かれていると何となく説得力を感じてしまっていたのですが、日本語で読むと理由があまり理由になっていないことも実は多いと気づきました。
もちろん、二次試験のスピーチは 2 分間で行うものであり、理由を 3 つ挙げていれば理由ひとつひとつの分量はさらに少なくなり、本来の説明よりも簡潔な説明になるので、理由を完璧に説明するということは難しいものです。

あらためて考えると、英検1級の二次試験は下記のような「難しさ」があると思います。

・英検1級では議論の分かれる社会の問題について問われます。日本語でも気軽に話さない内容で、もし日本語で話す場合は難しい説明になることがあるので拙い英語力とのギャップが生じてうまく表現ができない可能性があります。
・専門知識が問われるような資格試験の面接試験ではないので、受験者と面接官の間に共通で持っている専門知識はありません。両者の知識の差によって話がかみ合わない可能性が出てきます。
・面接は全体で10分間が目安です。スピーチは 2 分間で、その後QAがあります。面接官は短時間で内容を把握してQAにつなげる必要がありますが、スピーチは受験者によって様々なので内容を把握することも集中力を使うので大変だと思います。面接官は面接後に急いで結果も記入しなくてはいけません。
・面接では「スピーチ」がありますが、普通のスピーチなら結婚式の日本語のスピーチでも英語のスピーチ大会でも事前にお題を決めて練習して完璧なスピーチを目指すと思います。しかし、二次試験ではその場で 5 つのトピックから選択することになります。トピックは多数あり、過去のトピックは微妙に内容を変えて出題されるので丸暗記が難しく通じない可能性が高いです。

その難しい状況の中でも「伝わりやすい理由」がもしあればいいのにな、と思っていました。

上記の難しい状況の中で採点して下さる面接官に出来るだけ負担を掛けずにスピーチを分かりやすく理解していただける、理由。
そんな理由を受験者である私が提示できたら、二次試験に合格できるかも知れないと思いました。

「13の万能な理由」との出会い

「伝わりやすい理由」について自分なりに検討しましたがうまくいかなかったある日、「13の万能な理由」と出会いました。

この情報のおかげで「伝わりやすい理由」をつくれるようになりました。

「13の万能な理由」の内容や、ChatGPT4 を組み合わせて「伝わりやすい理由」をつくる手順については下記の記事にまとめています。

3回目の試験と結果

3回目の二次試験でその他取り組んだことや当日の試験の様子は下記の記事にまとめています。

面接では、これまでの経験からあまり緊張しませんでした。
代わりにとても集中していました。

5つのトピックはどれも悩むものでしたが、スピーチの中で対応でき、練習した伝わりやすい理由とその表現を使ってスピーチとQA を終えることができました。

そんな面接の結果は、意外なものでした。
合格です。ついに二次試験を突破できました。しかも、前回までの低得点がウソのような高得点です。

半年前の二次試験の初受験では素点が16点だったので、当初のダブルスコア以上で合格したことになります。

この得点は、これまでの面接では不足していた理由を強化できたことでスピーチが短い時間でも面接官に分かりやすく伝わり、その後のQA がスムーズに進むことにも繋がったと思います。そしてスピーチとQA で充分伝わったので、練習した表現の文法語彙と発音がようやく評価され得点に結び付いたのだと思います。

次の記事は英検1級編のまとめです。


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