その他を構成するパンの耳
プロローグ
新聞週間でもないのに、今日も新聞のことを話題にします。
・・・今、この上記の一文を書いて一か所直したところがあります。
初めは「新聞週間でもないのに、今日も新聞のことをネタにします」と書きました。
ネタ、と書いて恥ずかしくなり、消して「話題」と打ち直しました。ネタ、という言葉が業界用語っぽくて恥ずかしかったのです。ネタとは種をさかさに読んだ業界用語・隠語です。お笑い界や手品界、お寿司界に従事する人々が使う言葉です。私のような一介の主婦が「ネタ」だなんて。恐れ多くもあり気恥ずかしくもあり「話題」に変更したわけです。ネタから話題へ。字画がだいぶ多くなりました。
さてまったく本題とは関係ないことで256文字も書いてしまいました。
あとちなみに新聞週間は毎年10月に開催される新聞についての啓発・啓蒙のためのキャンペーンです。私のnoteを熱心にお読みの方が万が一いらっしゃればお気づきかもしれませんが、私は啓蒙という言葉が好きなようで、文章内でついつい使ってしまいます。けーもー。けいもー。KEIMOU。ケイモオ。なんで好きかはわからないのですがちょっと上品で賢そうな感じがするからでしょうか。ネタと啓蒙だったら啓蒙の方が好きだけど、付き合うんだったらネタのほうが面白そう。啓蒙はモラハラしてきそう。
ほらね! 道理をよく知らない一般の人々の無知をきりひらき、正しい知識を与えることだって。モラハラしそう~。でも今後も「啓蒙」使っていきますので覚悟してください。
そうこうしているうちに、冒頭部分では私のパソコンの横には何もなかったのに、今現在サッポロ黒ラベル350mlがそっと立っています。
そうです、途中からビールを飲み始めていたのです。気がつきましたか? しかも1行目を書いてすぐ冷蔵庫に向かったんですよ。
動画配信や音声配信なら気づいたかもしれませんが、さすがにテキスト配信ではビールを飲み始めたことに気づいた人はいないでしょう。でももう6時過ぎたからいいんです。
本編
ぜんぜん本編に入れません。スピードを上げていきます。
朝日新聞別刷りBeでは毎週アンケート企画のコーナーがあります。
今週のテーマは『パンの耳は好きですか?』
こういうのに即答できる人ってかっこいいですよね。できれば即答したいけど、どちらかと言えば「どちらでもない」という選択肢を増やしてほしいと泣きつきたい気持ちです。だってどちらでもないんですもの。
潔く答えた方々の結果がこちら。
はい⇒76%
いいえ⇒24%
約7割が「パンの耳好き♡」という結果。朝日新聞の読者は高齢の方が多いだろうと予想されるのでちょっと意外でした。100%好きと答えるかと思った。24%の人に「高齢者なめんなよ」とすごまれたような結果です。そしてこのコーナー、さらに突っ込んだ質問へと続きます。
Q、(いいえの人への質問)耳はどうしてる?
耳はどうしてる?
ゴッホへの問いかけではありません。
88%の人がこう答えました。
好きではないが食べる
好きではないが食べる、かー。
あるよね、人生ってほとんどそういうことばっかりだよね。やりたくないけどやる、とか笑いたくないけど笑うとか。行きたくないけど仕事行くとか。
で、1%の人が
動物にあげる
3%の人が
捨てる
あああー、動物に。鯉とか鳩とか?
または、捨てるんすかー。聞いてはいけないことを聞いてしまった気持ちです。
最後にパンの耳が好きではない8%の人々が答えたこと。それがこちら!
その他
回答者数2668人のうちの24%の8パーセント。約51人が「その他」に分類される回答をしたわけです。
このコーナー(読者とつくるBe between)にはアンケート結果とそれにまつわる解説がつくのだけれど、今週はおもにパンの耳好きな人のポジティブな意見が取り上げられています。揚げ耳やフレンチトーストにしたらおいしいとか、向田邦子の食べ物のはじっこが好きだったエピソード、帝国ホテルではサンドイッチ用の食パンを特別に開発したので耳を切り落とさずに済むようになったエピソードの紹介など。
しかし、私が知りたいのはそんなことではない。パンの耳が好きではない51人が答えた【その他】の中身、それが知りたくてたまらない。食べる・あげる・捨てる以外、一体どんなことを答えたらその他に分類されるのだろうか。
「メルカリで売る」とか?
「デッサンの消しゴムとして使う」とか?
「鼻に詰めて鼻血を止める」?
「お道具箱の奥深くに隠してカビだらけにする」?
「電話帳にはさんで押しパンの耳にする」?
「人をダメにするソファーの中身にする」?
ねえ、あんたたち、いったい何をしたの? 教えてよ!
彼らの犯したことがパンパンに詰まったパンドラの箱をそっと開けたらそりゃあもちろんパンの耳が入っているに違いない。そして無限にあふれ出てくるパンの耳に埋もれて私はパン耳の利用法について啓蒙しようとするだろう。むせ返るようなイーストの香りに包まれながら、私の意識は次第に遠のいてゆく。
あとやっぱりお題の「パンの耳は好きですか?」は成熟しきった連載企画の晩年を感じさせます。だからって新しい連載に切り替えないで、もっともっと奇妙なテーマを設定し続けてどこまでたどり着けるのか挑み続けてほしい。そう願ってやみません。
おしまいです。
あなたのサポート、愛をこめて受け取ります。