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クレープ屋でとにかく頑張る。だが、

みたかの小さなプリン屋さんがいかにして失敗したかを毎回400~500字で綴るシリーズ『プリン屋開業失敗ものがたり』です。実話だよ

ここまでのお話はこちら

クレープのメニューが多いだけでなくその店はドリンクにも自信がありさまざまなドリンクにさまざまなトッピングを用意している。

お客A「何にしようかな~。じゃあ、私は、抹茶白玉あずきのクレープに焦がしアーモンドチョコと苺アイスのトッピング。飲み物はアイスヘーゼルナッツラテにバニラアイスフロートで♡」

お客B「迷っちゃうな~。えっと、ローストベーコンとアボカドシーザーのクレープにダブルチーズのトッピングお願いします。飲み物はピーチティーで。あ、クーポン券あるんですけど」

早口言葉みたいな注文が次々に舞い込む。「ねえ一番おいしいの塩キャラメルバターとコーヒーだからみんなそれにしなよ!」と言いたいが言うわけにはいかない。

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これまでもバイトや仕事の初めの時は「無理!」と感じたことが繰り返しチャレンジしていくうちにできるようになっていったじゃないかと自分を鼓舞する。自分を鼓舞しながらも

「絶対自分の店をするときはメニュー数少なくするぞ!」

と決意してのちに実行するのである。

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メニュー表を写メして子供が寝た後に書き出して覚えた。仕事の合間に書いた殴り書きのメモをわかりやすく書き直して次回に備えておぼえるべきことを復習した。何せ押しかけバイトの身である。役に立つほどではなくてもとにかく迷惑をかけないようにと頑張って働いた。

しかしそんな努力もむなしくクレープを焼く段階に至る前に、私はクレープ屋をお払い箱になるのである。えっ、どうして?!

つづく


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