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つまり、佐藤の本棚。

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今まで読んできた本にまつわる「記憶」の記録です。
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#日記

漱石と倫敦ミイラ殺人事件 島田荘司 【読書日記 九十六冊目】

こんにちは、コピーライターの佐藤(さったか)です。今回紹介する作品は、あの文豪と名探偵がロンドンの街で出会い、事件を解決していく、ちょっと風変わりな物語です。二人(正確には三人)の会話が、リアルでコミカルで、読んでいると自然と頬が緩んでしまいます。 そして「読書日記」も、目標の100冊まで残り4冊! ゴールラインが手の届く位置に見えてきました。ここまできたら、あとは足を前に運ぶだけ。淡々と進んでいきたいと思います。 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 島田荘司 大学生だった頃の話。

読書の記憶(七十九冊目) 「杜子春 芥川龍之介」

こんにちは。広告文案家の佐藤(さったか。)です。みなさん「願掛け」って聞いたことありますか? 英語では「Supplicate」と表現するそうです。いや、別に英語で表記することに深い意味はないのですが、ふと気になって調べてみたのでした。 さて、私が今まで読んできた本を並べる「佐藤の本棚」も79冊目。今回は「杜子春 芥川龍之介」を読んでいて思い出した「願掛け(断ち物)」を実行した時のことを書いてみました。 七十九冊目「杜子春 芥川龍之介」20代後半だったと思う。その頃「達成し

読書の記憶(七十八冊目) 「LITTLE RED RIDING HOOD」

こんにちは。広告文案家の佐藤(さったか。)です。ちょうど今くらいの時期(6月末)になると、予備校に通っていた時のことを思い出します。特に印象的な出来事があったわけではなく、建物を出て雨の匂いを含んだ涼しい風に当たった時「予備校生だった時のこと」が、ぼんやり頭に浮かぶのでした。 雨音なのか、湿った空気なのか、グレーの空のせいなのか、なにがそう感じさせるのかはわかりません。ただ、ひたすら静かな気配がします。 さて、私が今まで読んできた本を並べる「佐藤の本棚」も78冊になりまし

読書の記憶 七十七冊目 「兄たち 太宰治」

こんにちは。広告文案家の佐藤(さったか。)です。私が起業してまもない頃、ある経営者の方に「なにか嬉しいことがあった時は(たとえ、それが些細なことでも)大袈裟に喜んだ方がいいですよ。そうするとまた嬉しいことを呼び込めるから」と、アドバイスされたことがあります。 あの当時の私は、たいそう「つまらなそうな顔」を、していたのだと思います。それをさりげなく指摘してくれたやさしさと懐の深さ。今になって、その有り難さがよくわかります……。いつの日か若手の起業家の方に、このような言葉を届け

読書の記憶 七十六冊目 「太宰治との一日 豊島与志雄」

こんにちは。広告文案家の佐藤です。以前、図書館で借りた本に「コピーライターは広告文案家と呼ばれていた」と書かれていたことを思い出したので、ふと使ってみました。薄暗い部屋の片隅で煙草の煙をくゆらせながら、ひとり呻吟しているような、どこか物憂げな雰囲気がします。 さらに付け加えるのなら、私は「企業理念の標語(コーポレートスローガンというやつですね)」を手がけることが多かったので「企業理念的標語制作 広告文案家」という肩書きを考えてみました。こうなってくると、軽みが出てきてしまっ

読書の記憶 七十五冊目 「一問一答 太宰治」

こんにちは コピーライターの佐藤(さったか)です。今まで私が読んできた本を並べていく「佐藤の本棚」も75冊目となりました。ようやく75冊か。なんだか70冊を過ぎたあたりから、100冊のゴールがなかなか近づいてきません。むしろ遠ざかっていくような気配すら感じます(笑)このペースだと、年内のゴール達成は難しいか? いやいや、あきらめずに淡々と並べていこうと思っております。応援よろしくお願いします。 さて、6月になりました。私にとって6月といえば「太宰治」が思い浮かびます。太宰の

読書の記憶 七十四冊目 「かえるの王さま グリム兄弟」

こんにちは コピーライターの佐藤(さったか)です。今まで私が読んできた本を並べていく「佐藤の本棚」74冊目は、グリム兄弟の「かえるの王さま」です。 私(佐藤)が、休日に一人で釣りに行った時の話。場所へ向かう途中で、 心の微妙な動きは、想像以上に身体に影響を与えるものである。 と、感じる体験をするのですが・・・。 つづきを読む(無料)↓ 佐藤の本棚 今までに掲載した作品(74冊)一覧↓ 佐藤の本棚は、100冊を目指して更新を続けています。現在74冊。目標までのこ

読書の記憶 七十冊目「雨の上高地 寺田寅彦」

「はじめて来たのに、なぜか懐かしい風景」などというと、観光案内のキャッチコピーみたいだけれども、僕にもそのような気分になった風景がいくつかある。 その一つが長野県の上高地である。大正池でバスを降り、ポクポクと足音を鳴らしながら木道を歩いていく。やがて視界が開け目の前に広がる河原へと降り、しゃがんで梓川の水に手を浸した時、僕の頭の中に浮かんだ言葉は「また、ここに来たぞ!」だった。 つづきを読む(無料)読書の記憶 七十冊目「雨の上高地 寺田寅彦」 佐藤のtwitter↓

読書の記憶 六十九冊目「はじめてのおつかい 林明子」

小学1年生の時の話。いやもしかしたら幼稚園の時だったかもしれない。記憶が曖昧だけれども、たぶん小学1年生の時の話だったと思う。母親から、肉屋に買い物へ行くように頼まれた。まさに「はじめてのおつかい」というやつである。 母親は僕に「今日はカレーを作るから、お肉を買ってきて」と説明したあと「牛肉のカタロース300グラムください」という台詞を覚えさせた。僕は、それを何度も繰り返しながら、一人で歩いて近所の肉屋に向かった。 つづきを読む(無料)読書の記憶 六十九冊目「はじめてのお

読書の記憶 六十八冊目「漱石先生臨終記 内田百間」

前回、私が進学塾の先生をしていた、ということを書いた。書き終えてから、あらためてその当時のことを思い返してみると、授業していた時の事よりも生徒と雑談をしていた記憶の方が多いことに気がついた。 授業が終わると、たいてい何名かの生徒が私の机の横に来て何やかやと話をしていった。わからないところを質問に来る生徒もいないわけではなかったけれども、ほとんどの生徒が意味のないような雑談をして帰っていくのだった。 続きを読む(無料)「漱石先生臨終記 内田百間」

読書の記憶 六十七冊目「夏目漱石先生の追憶 寺田寅彦」

大学を卒業してから初めてついた職業が「進学塾の先生」だった。碌に研修も指導も受けずに教壇に立たされ、生徒の前で授業をしたのだった。特に教師の仕事がしたかった、と言うわけでもない。教育の仕事に興味があったというわけでもない。そもそも自分が何かを教えるとか、先生として生徒の前に立つということに相応しい人間であるようにも思えなかった。 それでも気がつくと、長いこと教育の仕事を続けてきた。単純に考えて数百人以上の生徒の前に立ち、数千時間ほど授業をしてきたと思う。たぶん、なんだかんだ

読書の記憶 六十四冊「鑑定 芥川龍之介」

今から8年ほど前の話。ある会社の経営者の方(ここではA氏とする)から「会社のキャッチコピーを書いてほしい」と依頼を受けた。「近々、ホームページと会社のパンフレットを作成するので、それに合わせてキャッチコピーを新しくしたい」とのこと。 会社のキャッチコピー(コーポレートスローガン)は、数年にわたって使用されるものなので「時間を乗り越えていける言葉」を探していく必要がある。 つづきを読む(無料)読書の記憶 六十四冊「鑑定 芥川龍之介」

読書の記憶 六十三冊目「I can speak  太宰治」

小学生の頃の話。Hと言う友人がいた。彼は英会話の教室に通っていた。今でこそ小学生が英会話の教室に通うのはさほど特別なことでは無いかもしれないが、あの当時はわりと珍しい部類に入っていたと記憶している。 つづきを読む(無料) I can speak 太宰治

読書の記憶 六十冊目「皮膚と心 太宰治」

ジョギングをした後に、シャワーを浴びて服を着替えていたところ、首のあたりが赤くなっていることに気がついた。なんとなく痒みもある。走って赤くなっただけなのか? 首に巻いたタオルに何かついていたのか? じんましんなのか? よくわからなかったが、さほど気にすることもないだろう、と思いその日は寝てしまった。翌日目が覚めてみると、やはり赤い。痒みもある。しかしそこまで酷くもないようなので、放置したまま仕事へ出かけることにした。 つづきを読む(無料) 佐藤の本棚 六十冊目「皮膚と心