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家からとっても遠いレンタルCD屋

イギリス音楽オタク


僕はこの頃御茶ノ水にあるJanis(ジャニス)という今は無きレンタルCD屋に通っていた。 暇があれば僕はそこまで一人で(友達がいないので)電車で訪ねに行った。
 
絵を描いたり制作をする以外、とてもだるい毎日である。 ぼんやりとした未来の不安と、特に大きな変化のない毎日。 
勿論留学するという事で新しい道が開かれて、ワクワクする気もあったけれど、まだ自分はその下準備をする段階で、運命は地球星からイギリス星へのロケットにも乗らせてくれない気がした。
 
僕は何か刺激を探していたのかもしれない。 そして自分の世界を探してたのかもしれない。
中学や高校のときほどUKロックに憧れは薄れていたけど、その時は作曲もしていたし、新しいものを常に求めて勉強したかった。
 
UKロックに出会えて、それがイギリス留学へと導いてくれたのだ。 
 
そのレンタルビデオ屋にはとてもレアなライブビデオや CDが置いてあった。 中古CD屋は沢山あったけど、買うとお金がかかる。 
値段はレアなものや状態によって変わる。 
 
普通のレンタルショップにみえるけど、間違って普通の間隔で入るとなんだここは?となると思う。時々迷い込んでしまった人をみると、 面白かった。
 
レアなものしか置いてなくて、ポピュラーな音楽は殆ど置いていないから、ずいぶん不思議なレンタルショップだなと思って、5分ほどで店を去っていくのだ。 
 
僕の家は三鷹に会ったので30分ほどかけて借りに行った。 沢山借りて帰るので、その時はよく返却期限を超えてしまってすぐに返しに行かなくてはいけない夢を見る。
 
借りて、返すという行為はとてもけだるい。
 
お店に入って借りるときと、家でCDやビデオを並べて一つ一つじっくりと聴いたり、見たりするのはとても楽しかった。
 
ワクワクドキドキ。
 
お店にはCDの匂いがする。僕は匂いに敏感でCD屋によって違う匂いがするのが好きだった。匂いと音が混ざって僕はまたこりなく自分の世界を創った。
 
そこに居る店員さんや趣味が似てるだろうお客さんとは一切言葉を交わさず、大量に1週間借りれる分だけ借りて帰る。
 
親兄弟ともシェアすることもできず、ただ黙々と自分で楽しんだ。 
 
これらの材料を一体どうするか。 そんなの趣味だからいいと思うかもしれないけど。
 
僕はそのころからプロ意識があった。これを聴くことで僕に影響を与えることができる。 何かの参考になるかもしれないと。 
 
音楽を楽しみながらそう思ってた。
 
同じ頃よくビデオや雑誌の写真をスケッチしていた。 好きなアーティストの写真を鉛筆で描いたりした。 音楽も好きな部分をカットして録音、録画をした。
 
それらはもうどこかにいってしまったけど、頭の中に心の中に蓄積して自分の創造性に生かされているのだと思う。

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