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古民家に暮らそう!⑥「住宅ローンが組めない!」

当然のことながら、物件を探すエリアを拡げれば、それだけ候補の物件もたくさん出てきます。こういうのって、物件を見て回るだけでもワクワクして楽しいものです。実際に住む訳でもないのに、ここにこれを置いてとか、ここの壁をぶち抜いてとか、この部屋を事務所にして…など、勝手な想像が膨らみます。
物件の具体的な住所はネット上には記載されていませんが、Googleマップで住所を入れれば航空写真でそのエリアの自然環境なども何となく分かりますし、ネットの情報で近辺の施設などもある程度調べることはできます。最寄駅までのルートや運賃なども簡単に調べることができますので、なんとも便利な時代です。

今住んでいる家の最寄り駅(片道車で40分)

これまでの人生の中で「家を買う」という考えを一度も持ったことがなので、何をどのような順番で考えれば良いのか全然分かりません。物件の情報を見て、「すご~い。メッチャ広い畑が付いてる!」とか「田んぼがついてるらしい」などなど、最初は何でもかんでも喜んで見ていましたが、生瀬の庭の草抜きだけでも大変だったので、必要のない土地がついていると草刈りがそれ以上に大変なことぐらいは想像できました。

物件の中には「農地法の制限有り」というものがあって、それらの物件には広大な農地がついていて、「家と一緒にそれらを買ってくれればこの金額ですよ」というものがときどきあります。農地が付いているから高くなるのではなく、むしろその逆で、農地も一緒に買ってくれるとありがたい(もう畑ができないので一緒に処分したい)という物件です。
農地法で畑や田んぼに定められている土地に、家を建てたり駐車場として使用する場合は転用の申請をしないといけないのですが、篠山や丹波などの地域では、ほぼ許可されることはないだろうとのことでした。
しかも、農地を所有していると、その土地の広さに対して一反につき何キロの収穫があるという届け出をしなければいけないそうです。畑ならリンゴやミカンなどの果樹を植えて、数年後には収穫する予定という申請のしかたもできなくはないそうですが、田んぼの場合はどうすることもできないので米を作らないといけないようです。
仮に作らなくても良いにしても、荒れ放題の土地にしてしまうと周辺の農家の方に迷惑がかかるので、やはり管理のできない土地は所有しない方が得策だと思いましたし、僕らは農家になる訳でもないので、必然的にそういう物件は対象外となりました。

今となっては、農地付きの物件にしなくて良かったと思っている

さらに、都心部に住んでいると上下水道が繋がっているというのが当たり前になっていますが、田舎に行くと、今でもトイレが汲取のところがたくさんあります。田舎の祖父母の家は少し前までは汲取だったし、僕としてはあまり気にならないので構わないのですが、問題は生活排水を側溝に流しているという物件も、実はまだまだあるということです。
さすがにそれは環境の面でかなり気が引けるので、公共の下水を利用する工事は不可欠です。そういった費用負担ができないので家を手放したいという方もおられるようですので、よくよく詳細を読まないと、物件そのものは安いけど下水を繋げるのにプラス50万ぐらいかかるとか、風呂が無いとか(それまで住んでいた人はどうしていたんだろう!?)、家まで車が入れないとか…いろいろと改善するために追加費用がかかる物件があることが分かってきました。

ただ、僕の仕事の必需品であるネット回線は、篠山も丹波も全てのエリアに光ケーブルが張り巡らされていて、それはとても助かりました。光ケーブルさえあれば、ネットも電話もテレビも全てそれ1本でOKです。
そして、家って消費税がかからないそうなので、500万ならそのまま500万しかかからないということさえ初めて知りました(不動産屋の仲介手数料や登記の費用はかかるけど)。いろいろ知らないことがたくさんあって、勉強になりました。

喜んで家探しをしていたのですが、最大のピンチが訪れました。なんと、住宅ローンが組めないかもしれないという問題が浮上してきました。4,000万や5,000万の金額じゃあるまいし、それほど問題はないと思っていたのですが、信用の薄い個人事業ということですし、田舎の物件は資産価値はほぼゼロなので担保としての価値がないので、なかなか厳しいだろうということでした。
家探しをしていたときは、創業から3〜5年ぐらいのときで、いちおう右肩上がりに今まで一度も赤字申告もなく、きちんと納税もしていました。他にローンや借金なども全然ないし、これまでの家賃の支払いも、JR事故に遭ったとき以外は一度も滞納したことがない優良な借り主でしたが、どうもそういうことが問題でもないらしい。銀行はほぼ無理っぽいので、JAなどの方がまだ可能性があるとのことでした。しかも審査には随分時間がかかるし、結構手間もかかるようです。

さて、どうしましょう…。一気に水をさされる形となってしまいました。

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