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【四川料理の基礎】中華料理でパーティーするとき、なぜ「よだれ鶏」が便利なのかを解説します。

お腹を空かせた皆さん、こんばんは。

宅飲み料理人エッセイの記念すべき第一弾!!

正直一番最初なので、「買い出し」「値決め」などのハウツー系、「振る舞う上で大切なこと」などの思想系、などを執筆しようと思いましたが、まずは親近感持ってもらいやすい項目の方が良いかと思い、レシピから数本執筆していきます。

ということで第一弾は「よだれ鶏」の活用方法!!

何回も試行錯誤しているメニューです。笑
実際に作った時の写真はこちら。

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※大学の友達に振る舞った時のよだれ鶏。

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※前職の上司夫婦に振る舞った時のよだれ鶏。

中華でパーティーをするときは必ずと言っていいほど、よだれ鶏を作っています。そこには深い理由があるんですよー。

今回は私が理想とする絶品よだれどりを提供するお店から、よだれ鶏の作り方、なぜよだれ鶏がパーティーで便利なのか、などなど「よだれ鶏」に因んで様々な角度で語っていきます。

石川的理想のよだれ鶏は3店舗ある。

ではまず初めに、私が理想とするよだれ鶏について語りたいと思います。

私が絶品だと思う、よだれ鶏を提供するのはこの3店舗。

渋谷にある「月世界」のよだれ鶏
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13043474/

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元町中華街にある「京華樓」の成都風よだれ鶏
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140105/14001178/dtlphotolst/1/smp2/D-normal/4/

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恵比寿にある「中華香彩JASMINE」のよだれ鶏
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13123634/?cid=icotto_presses

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どこも知る人ぞ知る名店ですし、心からお勧めしたいです。

他にも美味しいよだれ鶏を提供するお店はいくつかあるのですが、美味しいよだれ鶏の特徴を挙げると、この2点に集約されると思います。

・鶏肉の火入れが絶妙。
・下に敷いているタレが濃厚でスパイシーだが全く胃もたれしない。

特に大切なのが下に敷いているタレ。美味しいところは、ただ四川系のスパイスが香るだけではなく、香味野菜などから取った出汁や鶏の旨味が絶妙です。(特に月世界さんのよだれ鶏はほんとにすごい。笑)

しかしこの大事なタレですが、大人数でパーティーする際は取り分けが大変だったり、こぼすリスクがあったりするので、この2店舗のようにタプタプにはできません。またこのタプタプ加減だと、人のキッチンのラー油を大量に使用することになるので、普通に迷惑です。笑

dancyuのレシピを改変させています。

ではどうすれば良いのか。レシピに移りましょう。

先に結論からお伝えすると、私のよだれ鶏は「技あり!dancyu スパイス」内にある、よだれ鶏のレシピを参考に作っています。(dancyuの「技あり!シリーズ」はほとんど買ってます。笑)

購入している方もいると思いますので具体的な分量は控えますが、扱っている食材・調味料はこちら。(石川用に改変しているので悪しからず。)

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●メイン・野菜
・鶏胸肉
・パクチーか水菜(圧倒的にパクチーがオススメ。苦手な方は水菜で。)
・お好みですりごま
 
●タレ
・塩
・胡椒
・辣油
・五香粉
・花山椒(ホアジャオ)
・お酢
・醤油
・みりん(酒舌じゃない方は砂糖がおすすめ。)
・出汁(下記ご参照ください。)
 
●出汁
・ネギの青いところ
・生姜(1カケ)
・ニンニク(1カケ)
・八角(1個で充分です。)
・干し椎茸
・鶏がらスープの素
・紹興酒

さすが中華。めっちゃ調味料多いですね。補足しておりますが、人ん家の台所でこの調味料数を扱っています。笑

このよだれ鶏で重要なのは、「鶏胸肉の火入れ」と「出汁」

先に「鶏胸肉の火入れ」から説明すると気をつけているのが下記の4点。

1, 鶏胸肉から出るドリップは必ず拭き取る。
2, 必ずブロックごと火入れしてから切る。
3, 水の状態から火入れして、沸騰させたらすぐに火を止める。
4, 一緒に必ず香味野菜・出汁・お酒を加える。

全て項目が大事なのですが、要点を絞ると3,4が特に重要ですね。

特に難しいのが「火入れ」です。またパーティーをしている間にのんびり火入れしていたら、振る舞う相手を待たせてしまいます。

そこで大事なのが、よだれ鶏は先に仕込んでおいて、お刺身や前菜などを2,3品出しておき、15分くらい火入れした絶好のタイミングでよだれ鶏を提供すること。よだれ鶏は「段取り命」です。

ゆっくり火入れしている間は、お刺身や乾き物など別の料理で繋いで、ビールでも飲んで待っててもらいましょう。

出汁を取るためによだれ鶏を作っていると言っても過言ではない。

次に重要なのが「出汁」。

レシピでもまとめましたが、鶏胸肉だけで火入れするのではなく、香味野菜・スパイス・お酒・出汁・鶏がらスープの素などを入れて火入れしています。

理由は2点で、「そのまま食べても美味しい鶏胸肉を目指したいから」「のちに提供する麻婆豆腐などの四川料理や〆に活用したいから」です。

側からキッチンを覗いたら、ただ単によだれ鶏だけを作っているかと思いますが、実は「様々な旨味成分が入った高級中華ならではの複雑な出汁」が欲しいがために、よだれ鶏を作っています。またそうした方がよだれ鶏自体も、ベースの味付けがしっかりするので格段に美味しくなります。

ですのでよだれ鶏は小さいお鍋ではなく、出汁を取るために大きめの鍋を活用することをお勧めします。

もっと細かく言うと、私の場合、「四川料理のようなスパイス感+台湾料理のような薬膳感」が混ざったような中華を目指したいので、ベースの出汁は干し椎茸と八角、お酒は紹興酒、タレは花山椒にプラスして五香粉を使いますね。

全部真似しなくても充分うまいです。笑

以上、石川のよだれ鶏講座でしたw

自分で言って恥ずかしいですが、よだれ鶏という一品だけでも、これだけ論理的に考えて作っています(笑)。色々なキッチンで提供しているよだれ鶏ですが、実際に食べている方々は、ここまで計算をして作っているとは思ってなかったことでしょう。

最後にお伝えしたいのが、「このレシピを真似して欲しい」とは全く思っていません、ということ。よだれ鶏を作るために、紹興酒ではなく調理酒でも全然大丈夫ですし、わざわざ五香粉・八角を買う必要なんてございません。そんなもんがなくても充分うまいです。笑

「火入れ」と「出汁をちゃんと取ること」だけを意識してくれれば、よっぽどタレを変にしない限り、美味しいよだれ鶏が作れると思います。

こんな感じでエッセイ風?な料理noteを執筆していきますので、また暇つぶしに見てみてくださいー。

よだれ鶏を作って欲しい方は個別でご連絡を。笑

よろしければサポートよろしくお願いします!書籍代などクリエイターとしての活動費に充てさせていただきます。