【救急・集中治療医へ】 注目の専門分野:神経集中治療
自己紹介
初めまして。初投稿になります。
私のベースの診療科は救急科と集中治療科になりますが、医師人生の中で、急性期の脳神経疾患に興味を持ち、神経集中治療を専門とするようになりました。
日本では馴染みが少ない分野ではありますが、5年以上本分野の発展に携わり、さらなる研鑽のため約1年半前に渡米しました。
これまで、他のソーシャルメディアを通じて情報発信していましたが、
今後は、こちらで救急・集中治療の新たな専門分野である神経集中治療について解説していきたいと思います。
投稿の目的
「神経集中治療という分野を少しでも多くの人に知ってもらいたい」
ただそれだけです。
現在はますます、この分野の奥深さに魅了されています。
なんとか、次世代にこの興味深さを伝えていきたいものです。
神経集中治療の歴史的背景
アメリカの神経集中治療の歴史を簡単に解説します。
神経集中治療に関連した医療は、1900年代にポリオの流行をきっかけとして認知され、その後Johns Hopkins大学を中心に広がりました。
2002年にはNeurocritical care society(NCS)が創立して、臨床分野でも研究分野でも非常に注目されだしました。
NCSは私がこの分野に興味を持つ大きなきっかけとなった組織です。https:/www.neurocriticalcare.org/home
神経集中治療を行う医師を育てるプログラムも徐々に発展し、
米国ではMGH、Johns Hopkins、Columbia大学などで1970年代ー1984年にトレーングプログラムが開始されました。
その後は、Virginia大学、Washington大学、Duke大学、UCSFと続いていったようです。
(参考)日本ではTMGあさか医療センター神経集中治療部を中心に2022年から神経集中フェロープログラムが開始されています。
神経集中治療が必要な理由は?
まず、神経集中治療がどうして必要かと疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
簡単に解説します。
神経集中治療を行う集中治療室のことを
Neurointensivie care unit(Neuro ICU)と呼びます。
Neuro ICUで患者さんを管理することで、多職種の専門チームの関与が可能となります。
それにより、徹底的に二次性脳損傷(障害)を防止するため、死亡率の改善や機能予後の向上、ICU滞在日数や在院日数、医療費経済への良い影響が期待されます。
海外のデータではそれらが示されています。
現在世界各国で、神経集中治療が注目され、関わる医療者が増えてきています。
救急・集中治療医学が発展し、救命率が上昇する中で、今後社会復帰や家庭復帰を目指した、つまり機能予後の改善を目的とした神経集中治療の需要はますます向上していくと思われます。
まとめ
専門分野として、とてもやりがいのある神経集中治療を学ぶための機会があることはとても重要です。
そもそも本分野が日本でもっと認知される必要があると思います。
医学部の学生さんが、みんな知っているぐらいの分野になって欲しいものですね!!(ここ大事です!)
もう少し、詳しいことを知りたい方は
https://www.jsicm.org/provider/nic.html
も参考にしてください。
それでは、今後も連載を続けていきたいと思います!
以下もよろしくお願いします。
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