就活で気にしたい福利厚生と考え方

大卒で就職する場合、初任給は基本的に20万〜30万だ。

大学生にとってはこの差が大きく感じるだろうが、この数字に特に意味はない。

サラリーマンとして生きる上では、長期的に、かつ安定的にある程度の金額を稼げることが重要だ。

5年目でいくらもらえるのか。30歳になった時は?課長になったら?最初にある程度の給料でも、ベースアップがなければすぐに周りに追い抜かれる。

それでは、福利厚生はどうか。就職活動の際に30歳でいくらもらえるのか、ネームバリューはあるかなどは気にするが、福利厚生に関しては軽視しているように思われる。

しかし、働いてみると額面の金額に現れない福利厚生によって生活の幅は大きく異なる。

福利厚生をどう考えるべきかについても合わせて考察する。


1.社宅or家賃補助

福利厚生といって一番に思いつくのはこれだ。転勤の多い金融機関や海外駐在のある商社などはこちらが手厚い。例えば、社会人で一人暮らしをする場合、東京ならワンルームで7万円、地方でも5万円ぐらいはかかるだろう。初期費用なども含めれば、年間で80万円-120万円ほどの差が出てくる。額面の金額が高くとも、家賃補助や社宅がないと額面の金額から固定費で大きく削られ、可処分所得は大きく変わる。

2.確定拠出年金or確定給付年金

何それと思われる方も多いだろう。確定拠出年金と確定給付年金はDC、DBと呼ばれ老後のために会社と個人で退職金を積み立てる制度である。DCは自分で運用をすることができ、拠出した額を運用して60歳から受け取ることができる。DBは給付される額が決まっている。60歳の話なんてどうでもよいと思われるかもしれないがそうだろうか。例えば、サラリーマンの場合はDCだと月55,000円まで拠出するできる。中にはほとんどを会社が拠出してくれるところもある。これを12ヶ月、38年間続けるとすると総額は25,080,000円だ。約2,500万円。これに退職一時金が加わると大手中の大手なら退職後に5,000万円ほどもらえる計算になる。老後の資金に余裕を持って若い時代を生きれるというのは精神衛生上、素晴らしい。退職金がない会社は老後に備えて保険に加入したり、貯金に頭を悩ませることになるが退職金制度が充実している会社(いまではDCorDBが多い)は若いうちからお金に余裕を持てる。

3.食費補助

食費補助は大変ありがたい制度だ。一人暮らしをすると、一番と言っていいほど悩むのが食事。特に、男性一人暮らしの食事なんて酷い。カップラーメン、パスタ、カレー、コンビニ弁当、ウーバー。最近では栄養のあるものも増えてきたが、あつあつホカホカの料理と比べると心もとない。とある企業では寮に食事がついていたり、社食で安く食べることができたり、食費補助のポイントが出たりする。一人暮らし世帯は食事のためにスーパーに行って、調味料を買って、水を買って、重い荷物を持って、家で調理する。これに補助が出るとなると非常にありがたい。一方、ベンチャー企業で良くあるお菓子食べ放題。これは何のメリットもないと個人的には思う。お菓子を食べると肌荒れや肥満の原因にあるし、お菓子でお腹を満たすことは難しい。

4.資格補助

個人的にありがたかったのがこれ。わたしは金融機関に勤めているため多くの資格を取得する。強制的なものもあるが、自発的に勉強したいと思っている。資格を受験するには安いもので5,000円、高いものだと10万円以上かかる。例えば証券アナリストは教材受講だけで6万円かかる。これが補助されるというのはありがたい。資格を無料で取れるというなら、取れるうちに勉強しておこうというマインドになり、やる気の面で金銭面以上のメリットがある。これからも多種多様な資格を会社の補助でとって貢献したい。

5.最後に言いたいこと

福利厚生はクソだ。え、いきなり何?ここまの話は嘘か?と。しかし、考えて見て欲しい。

①企業はなぜ福利厚生を手厚くするのか。社員の満足度を高め、安心して働いて欲しい。それも大きい。しかし、真の狙いは社員に辞めさせないためだ。額面の給料以外の面で会社の福利厚生の恩恵に預かっていると、それが当たり前になり環境から抜け出せなくなる。結婚して子供ができれば、現状の福利厚生を手放すことのリスクが大きくなる。企業はそうやって、いかに従業員に長く働いてもらうか、悪い言い方をすればいかに企業の奴隷のように長く働いてもらうか、必死に仕組み作りをしている。では、私たちサラリーマンは何を考えなければならないのか。それは、会社の福利厚生を使って、もし今の会社をやめたとしても十分幸せに生きていける道を作っておくことだ。俗にいうプランBだ。会社をやめる、転職することが重要なのではない。いつやめても、いつ早期退職の人員整理に巻き込まれても大丈夫なように福利厚生を使って貯蓄をするなり、勉強をするなり考える。わたしは会社の福利厚生を使ってたくさん勉強させていただいている。いつでも別の道で生きていけるリスクヘッジをすることが今後のサラリーマンに求められる。

②福利厚生なんてたかが知れてる。住宅補助など良くても年間150万程度、食費補助や資格補助も良くて年間20万円程度。つまり、福利厚生はどれだけ手厚く考えても年間200万円だ。この200万円をどう捉えるかは個人次第だ。年間200万円福利厚生で享受しようとも、年収が200万円高い会社に転職できる方がずっと良い。福利厚生の沼にハマると、会社に身を委ね、自分で身動きできないぶら下がりになってしまう。福利厚生などおまけ程度で捉えておくべきだ。。安定したいからいいと言われればそれまでだが、福利厚生は良くても年間200万円程度だということを念頭において企業選びをして欲しい。

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