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小説(あらすじ)

二十二世紀初頭、太平洋沖の孤島で発見されたその疾病は瞬く間に世界を覆い尽くした。それは種の壁を越えて人に伝播し、人を人以外のモノに変えてしまう致死率99.9%の奇病だった。

その猛威の前で多くの国家が崩壊した。感染を恐れて流失する膨大な難民に先進国家は一斉に国境を防疫封鎖した。治療法もなく、感染経路も特定できない絶望の中で行われる魔女狩りに等しい感染者狩り、浄化と称して行われる国家単位の虐殺行為。やがて激化する混沌の中でWHO(世界保健機構)が出した結論は、人類の撃滅だった。

その天才から500年後、生き残った人類は地下100㎞の世界で新たな歴史を歩んでいた。文明は21世紀まで回復し、人々は地上と変わらない生活を過ごしていた。WHOは人権省と名前を変え、二度と人類が過ちを行ぬように様々な制約を人類に科した。

一定の技術開発の禁止、食料・物資の管理、思想の排除、”地上帰化の絶対なる禁止”。

そんなある日、主人公の少女は少年に出会う。”地上から降りてきた”と語る翼の生えた少年セラフィム。あるはずのなかった出会いは、世界がずっと隠してきたものだった。

疫病の謎、政府が隠す地上の真実、。自分たちはいったい何者なんか、なにが真実なのか。やがて明かされる世界の秘密を目撃したとき、少女が抱くものは希望かそれとも絶望か。

空を目指した少女が天使に触れたとき、物語は加速する。

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