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可処分時間の使いみち

「可処分時間」ってなんのことでしょう?
給料でたとえるなら「手取り額」のことです。

可処分時間

給料から税金やら保険料やらが天引きされ、残った実際の手取額を可処分所得といいます。この考え方を時間に当てはめたものが可処分時間です。

会社を運営するには経費がかかります。
会社を個人に・お金を時間に置き換えてみると、あなたが生活していくうえで必要な経費・「必要時間」があるはずです。

睡眠や食事、トイレや入浴などにかかる「必要時間」を天引きした、のこりの時間を可処分時間といいます(なんだか少し強引な気もしますが、まあ一般的にそうなっています)可処分時間というのは、実際にあなたが自由にできる「手取り時間」のことをいいます。


自由時間

多くの人の場合、生活費を稼ぐ仕事は「必要時間」にあたります。

通勤に残業、休日出勤やおつきあい事。家事雑用や家族サービス。計算すると残る可処分時間は雀の涙ほどしか残りません。「時間が足りない」「時間がないから~できない」と感じるのもむりはありませんよね。「増えないかなあ自由時間」と考えたくもなります。


可処分時間で利用するサービス

自由時間の使い方はもちろん自由です。
しかし気を許すと、雀の涙の自由時間さえ根こそぎ持っていかれてしまうサービスがわたしたちの身近にあります。
それは、SNSやメディアコンテンツなどのことです。

それらの多くが無料か安価なサービスなので、利用するための出費が高いとは感じません。しかし実際に提供者が欲しいのは個人の可処分時間なのです。利用すればするほど、もっと利用したくなるような仕組み。言い換えると、対価としての可処分時間を際限なく支払い続けてしまう仕組みがうまく作られています。

「いやいや、そんなの知ってるよ」・「スキマ時間を有効に使ってるし」「そもそも安くて楽しいから利用しているんだ」、というのもわかります。でも本当に利用をコントロールできているのでしょうか。

こういったサービスは、可処分時間を使わせることが広告収入などの売上に直結しています。そのため人間の心理を研究し計算した上、徹底的に考え抜かれて設計されています。
事実こうしたビジネスモデルを持つ企業の成長速度や規模をみれば、いかに多くの人にこの作戦がハマっているかが想像するのは簡単です。


善意の提供者

サービス自体に害があるわけじゃないし、提供している側に悪意があるわけじゃない。確かにそのとおりです。

例えば、食料という生命維持に必要なものを提供している、食料品店で考えてみましょう。生きていくのに必要な食事も、取りすぎると身体に害がありあます。肥満や生活習慣病になるのは、お店のせいではありませんよね。もちろん食料品店に悪意はありません。
無料のSNSやメディアコンテンツは、手軽に娯楽を提供してくれます。代価としてユーザーの可処分時間を支払うことになりますが、生活の自由まで奪おうと狙っているわけではありません。


可処分時間の使いみち

どんなものでも際限なく利用し続けると、わたしたち自身の心身の健康を損なう恐れがあります。だからといって「一度のお買い物は3000円まで」というスーパーや、「動画は一日10本までしかみれません」なんてメディアサイトは存在しません。自由な選択のなかには「使い方は自分次第」というのも含まれているからです。

お金は貯金ができたり、借りたり増やしたりすことができます。しかし、時間はそれができません。今、目の前をどんどん過ぎ去っていきます。時間の使いみちは、お金以上に自己管理が大事です。なにやら難しい事のように思えますが、ようは何事も自己責任でという…いやいや、どう言い換えても難しいことなんですけどね。

あなたの可処分時間、今日はなに使いますか?

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