忘れない夏~流産のキオク⑦
こんにちは、さとです。
急に秋らしい気温になってきて、改めてこの夏は濃かったなと思います。
少しずつ気持ちの整理もついて、「大変だったな」「頑張ったな」と過去のこととしてとらえられている自分がいます。
さて、第7回目は手術から仕事復帰までのことを書いてみようと思います。
もし、同じ経験をされた直後で、この記事にたどり着いた方がいたら、私はこう伝えたいです。
『心が元通りに戻れないかもと思ったけど、自分のペースで過ごすうちに、少しづつ時間が傷をいやしてくれるよ、今はうんと悲しんだら大丈夫だよ。』
第1話からお読みになりたい方はこちらです。
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さて、手術後は1か月半つわりで寝たきりだったことと、流産との配慮から
会社には2週間ほどお休みをもらえた。
人事の担当から、直接涙声で「大変だったね、頑張ったね」「仕事のことは大丈夫、今はゆっくり休んで」と言ってもらえたことがとてもありがたかった。
私の会社は福利厚生は充実しているものの、いわゆる古い体質の会社のため、”女性の活躍”であったり”ワークライフバランス”という点ではいろいろとモヤッとすことがあった。
でも、こうしてつわりで休み、流産後に配慮してもらえたことから、改めて女性の活躍って管理職の数だけじゃないぞ、バリバリ働くだけじゃないぞと思った。
女性に限ったことではないが、人生と寄り添って働いていると、病気やケガ、家族の介護等々で”働けない期間”がある。
そんな時に寄り添ってくれた会社には、そのあと恩返ししたいと思うし、この前例を後輩たちにつなげ、働き続けれる会社であることがもう”女性の活躍”だと思う。
とはいえ、1か月半の寝たきりで筋力は落ち、まだ消え切れていないつわりの吐き気、慣れていない酷暑、切り替えられないメンタル、、、
2週間後、私は会社に行けるのか?
今だうまく笑えない、相手の目を見れない、、、働けられるのか?
とても不安だったけど、この生活に期限があることはとてもよかった。
それに向かって少しずつ前進しようとする自分も現れ、外出するようになった。
久しぶりの次女の保育園送迎、スーパーへの買い物、子どもの歯医者、ショッピングモール、、、
私がものすごい経験をした間も、世の中は平常どおりだったんだと思った。
きっと私が普通に過ごしていた間にも、どこか知らないところで、「流産」を言い渡され、どん底に突き落とされた妊婦さんがいたんだろうな。
みんなこんなにも普通のフリをしているけれど。
あっという間に2週間は過ぎ、私はどういう顔で同僚と会おう、、、と不安に思いながら出社した。
出勤すると、上司に別室に呼ばれた。
「大変だったね、しばらくは、、、うん、、時間がかかるよ。今日からまたよろしく。」
前に何かの話で、上司は死産を経験されていることを知っていた。
深く聞いてこない、そして明るく「今日からまたよろしく」。
経験者の言葉は心に染みた。
私ももし部下がこんなことになったら、、、と思うとこの経験はとても大切なことを教えてくれた。
流産を経験して、私はいまだかつてないほどもどん底のメンタルを味わった。
今振り返ると、言葉の意味を深く捉えすぎ、勝手に傷ついていたようにも見えるかもしれない。
けど今回、自分の近しい人には3種類の人間がいると分かった。
①経験者。
②ありのままを受け入れ寄り添ってくれる人。
③カツを入れてくる人。
人の性格に大きくよると思うが、いくら近い人でも③とは今回の件で私には大きい溝ができた。
相手はどう思っているか分からないが。。。
今後、距離が近い人なだけに接し方をどうしたら、と思うところもあるけれど、「相手も悪気があってじゃないし、、、」「私のメンタルが傷つきやすかっただけかも、、、」と思うことはやめようと思う。
というもの、どん底のメンタルの時に自分には合わないことが分かったから、無理に仲よくしなくても、親しくしなくてもいいと思う。
自分が心地よく過ごすために、程よい距離を保とうと思う。
今回の経験は決してしたくなかったけど、何事にも学びはあるなと感じた。
・・・・・つづく・・・・・
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