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忘れない夏~流産のキオク⑧

こんにちは、さとです。
ようやく仕事復帰から1か月を超えました。
長かったです、とても。
1か月半仕事から離れていたのですが、気持ち的には1年ぶりに職場復帰した感じでした。
その間の出来事があまりにも濃かったですからね。
そのシリーズも、今回で最後にしようと思います。
私の気持ちがほぼ元通りに戻ったので。もう元には戻れないかもって不安でしたが、こうして書くことで少しずつ心の整理もついたのかなと思います。
読んでくださる皆様、ありがとうございます。

第1回目から読みたい方はこちらからどうぞ↓


さて、仕事復帰できるか不安だった初日から1か月間で、こうして元のメンタルに戻れるとは正直思っていなかった。

復帰してしばらくは、気遣ってくれる上司や同僚に救われるものの、なかなか仕事へのやる気とスイッチが入らず、心がもややした。
みんなにつわりから流産までの間、迷惑をかけた分頑張らないと、と思うもののどうにも切り替えができなかった。
任される業務を告げられても、いまいち自分事として考えられなかった。

まあしょうがない、一生に一度のあるか無いかの経験をしたのだから。
自分のペースでゆっくり行こう。

初めはかかってくる電話にもドキドキしていたが、2週間くらいたてば仕事のリズムは元の感覚を取り戻せた。
心が元気になってからの復帰ではなかったので、どうなることかと思ったが、仕事が気を紛らわせてくれ、適度に忙しくさせてくれ、私の仕事へのスイッチを少しずつ入れてくれた。
私にとっては、このタイミングで仕事復帰したことがメンタルの回復を後押ししてくれる結果となった。

でもこれは私の場合の結果であって、すべての人が当てはまるわけではない。みんな自分のペースで焦らずに進めたらいいと思う。

体力も、はじめは3000歩程度で足腰が悲鳴を上げていたが、1か月後には休日1万歩程度歩いても大丈夫なほど回復した。
メンタルは労わっていたけど、つわりで体も寝たきりだったもんね。
身体のケアも焦らず、ゆっくり、自分のペースで。

流産と分かってから1か月半で、ようやく心も体も元通りに戻ってきたなと思った。

そんなある日私は「キューブラー・ロスの5段階評価」というものを知った。
これは人が避けられない「死」を受容していく悲しみのプロセスを、否認→怒り→取引→抑うつ→受容の5段階でモデルを示したもの。
私の心は、まさにこの5段階に沿って、今回の流産の悲しみを受け入れることができたなと思った。

否認
「流産」の現実を理解しようとするが、感情的にその事実を否認。

怒り
「流産」という事実は認識できたが、自分がどうしてこんな目に合うのかという怒り。

取引
つわりも耐えるから、出産まで頑張るから、どうにかおなかの赤ちゃんを元気に産みたい、、、

抑うつ
「流産」は避けられないと分かり、喪失。何も手がつかない。

受容
避けられない運命として受け入れる。

今日に明日というように心が回復することはなかったけど、この5段階を経て、ようやく「あの時は大変だった」と受け入れることができた。
もう少し早くこ5段階評価を知っていたら、元の自分に戻れるか不安がることがなかったのかなとも思う。
これもまた一つ学びだ。
今回の経験は、少したくましく、ちょっと器を大きく、そしてもっと優しく私を成長させてくれた。
生まれてくることはできなかったけど、3人目の子どもから私への大切なプレゼントだったと思おう。
ありがとう。
ずっと忘れないよ。ずっと愛してるよ。ずっと心の中で生きてるよ。

・・・おわり・・・

☆番外編☆
①思いっきり悲しみに浸り、私の悲しみに寄り添ってくれたモノたち
・コウノドリの漫画
 自分が主人公であるかのように、たくさん読み、たくさん泣いた。
 出産は改めて奇跡だ。

・コウノドリ主題歌
 2015年放送 miwa『あなたがここにいて抱きしめることができるなら』
 2017年放送 Uru『奇蹟』
 これを聞いて涙が枯れるまで泣いた。

・コウノドリの世界ピアノテーマ・音楽を聴く
 清塚信也 『Baby God Bless You』
      『For Tomorrow』
 このピアノが心に染みて、とにかく涙が止まらなかった。
いつかコンサートへ行ってみたいと思う。

・You Tube『助産師HISAKOの子育てチャンネル』
 とても心の支えになった動画たち。
 自分だけじゃないと勇気をもらえた。

・ミスチル『花の匂い』
これも泣ける一曲。赤ちゃんに届けって思いで聴いた。

私の場合は「音楽」がとても心に寄り添ってくれ、傷を癒してくれました。
無理に涙を止めようとはせず、とことん悲しんだことで結果受け入れることができました。

②お腹の赤ちゃんのことを知りたいと思って再読した本
※胎児の写真があるので、苦手な方はお勧めしません。

『胎児のはなし』最相葉月・増﨑英明著
医学的な視点から「胎児」「妊娠」「出産」について書かれたもの。
悲しみを癒してくれる本ではないが、お腹の中でこうやって育ったんだな、とか現代の医療の話はいろいろ考えさせられるものがあってとても興味深かった1冊。

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私の心の回復にお付き合いくださり、ありがとございました。
次回からは、日常のあれこれを更新していけたらと思います。

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