黒羊もずく
短歌(または詞)と写真をコラボしたものをまとめています。
江ノ電で薄暮の中を君とゆく 言えなかった言えなかったよ
うるう年余らかせてる指先に牡丹の雪が小さく積もる
ランタンに照らし出された頬骨を好きだと思う二人になりたい
あの太陽の上へと急ぐ鳥たちに言葉もなくて風に立ってる
血管を流れているのは血じゃなくて冷たい空気 来世が見えそう
ファボられてあなたのせいで心臓がファの音みたいに半音あがる
恒星の光みたいに推しの手は私に降りて触れたみたいだ 推しの愛はいつでも私に光の束になって…
過呼吸で仰ぎみている天井の夏の終わりの蜘蛛を捕らえる
世界は今日 詩のように 踊りながら朝を迎える女 眠気を覚えながら幸せを待ってる 天から降り…
豆乳を飲んでことりと朝が来て一角獣をベッドに仕舞う
真夜中にスペースデブリ掃き出して孤独という名の船で逝きます
告白は乳白色の空模様 君が並べたホワイトアスパラ
「荻窪メリーゴーランド」 著者:木下龍也 鈴木晴香 太田出版 https://www.ohtabooks.com/pub…
羊が夢を見ているのかも知れないこんな雨の日はこんな雨の日は
どこでもドアの向こう側に私ではない私が私をみてる