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蹴球邂逅録 〜ボヘミアンズ (プラハ🇨🇿)〜
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今まで、色んな国や地域へサッカー旅をしてきて、
「お気に入りのクラブはどこか?」
と聞かれることが、よくある。
正直、いつも答えに窮してしまう…。
それぞれの地で、多くの人たちとふれあってきて、
全てのクラブに思い出や親近感もあり、一つに絞れと言われても…
というのが、目下のホンネである。
それに、何を持ってお気に入りかという基準も、
質問者の意図によってちがってもくるだろう。
それでも、絶対に外せないクラブが、一つだけある。
それは、チェコはプラハにある古豪、ボヘミアンズ1905だ。
まず、名前が良い!
きっと、葛城ユキのお陰もあるだろうが、日本人が聞いたら忘れられない、
シンプルでインパクトがある、どこか親しみのあるネーミング。
それに、エピソードも良い!
経営破綻で3部に強制降格させられた折、
サポーターが負債額を肩代わりし、2年後に1部復帰した件とか。
マスコットをカンガルーにしたのは、その昔、オーストラリア遠征に行った際、
2匹のカンガルーを譲り受けたことに感謝の意を込めてである件とか。
なんだか、ホロっときてしまう…。
しかし、それらも然ることながら、最も惹かれてしまう理由は、
おそらく、このスタジアムに漂う、”温(あたた)かさ”と”温(ぬる)さ”
なのではないかと思う。
みんな優しくて、ほのぼのしていて…、
スタジアムには、美味なビールと炭火焼のソーセージがあり、
ウェスタンランド的なカントリーミュージックが流れていて、
グッズなんかも可愛らしい。
まったくもって、アツくないのである。オラオラ感が皆無なのである。
それはきっと、100年以上の歴史の中で、
幾多の困難をみんなで乗り越えてきた末に辿り着いた、
”クラブが在ることが何よりの歓び”といった境地なのではないかと、
思ったりもする…。
サッカー界が流行モノや商業主義に注力していく昨今、
ボヘミアンズには、古き良き、根源的なサッカークラブの魅力が
詰まっているような気がしてならない。
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