将来の夢よりも、明日持つ夢を大事にしたい
将来の夢を持つことの意義
幼稚園の卒園アルバム。将来の夢を記す欄に、自分は「サッカー選手」と書いた記憶がある。他のみんなも似たり寄ったりで、「サッカー選手」と「ケーキ屋さん」が大半を占めていたような気がする。
多くの人は、将来の夢を聞かれるたびに「自分が就きたい職業」を答えてきたはずだ。私たちは無意識に「将来の夢」を「職業」と結びつけて考えている。
今年1月。日本テレビの桝太一アナウンサーが、同志社大学の研究員に転身することを発表した。日本の“朝の顔”を務めたほどの人が下した「転職」という決断には、大きな反響があった。
先日は、フジテレビの有名プロデューサー・有名アナウンサーが早期退職を希望しているというニュースも話題を呼んだ。
今ある職業が、10年後に存在するとは限らない。人工知能に取って代わられるかもしれない。人の生き方や考え方も変わっていくから、「オワコン」になってしまうものも出てくるだろう。さらには、いつ新たな感染症が流行するか分からないし、いつ戦争が起きるか分からないというのも、このごろ身に染みて感じることだ。
変化が激しく、未来は予測不可能。そのような時代においては、一度就いた職業を手放すことも十分にあり得る。「ある職業に就くこと」を将来の夢として設定するのは、今や現実的とはいえない。
それに、「何かになる」ことを夢にすると、それが達成できた瞬間に燃え尽きてしまう、ということも考えられる。仕事を始めてからの方が人生は長いのに、いざ職業に就いた途端に力が入らなくなるのは、もったいない。
「将来の夢を持つ」ということに、もはや大きな意義はないのかもしれない。
一日一日を一生懸命生きる
だから「将来の夢」よりも「明日持つ夢」を大事にして、一日一日を一生懸命生きていきたい。何事にも一生懸命取り組めば、自分がどんなものに価値を見出すのか、どんなものに心を揺さぶられるのか、といったことが次第に分かってくる。そういう営みを繰り返していく中で、自分らしさというものが見えてくるし、おのずと将来の方向性も決まってくると思う。
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